物流事務とは？一般事務との違いや仕事内容、平均年収、向いている人などを紹介

事務と一口にいっても、一般事務や経理事務、営業事務など、種類はさまざまです。物流事務もそのひとつで、バックオフィス業務を通じて物流を滞りなく回すという、社会上重要な役割を果たしています。

では具体的に、物流事務ではどんな仕事をするのか？また、平均年収はいくらなのか、向いているのはどんな人なのか。

本記事では上記のような、物流事務の基本について解説します。

物流事務とは？

物流事務とは、物流センターや配送センター、運送会社といった物流関連の企業における事務職のこと。

多くの企業は、自社内に商品を保管できるわけではありません。よって、物流会社に商品を納入し、そこから発送もしてもらうのが一般的です。

そこで発生するのが商品データの入力、伝票作成、顧客対応といった事務作業。これが滞ると、最前線の従業員はピッキングも梱包も、そして発送もできません。

物流事務は縁の下の力持ちとして、物流が正しく機能するようサポートする役割といえます。

物流事務の主な仕事内容は次の通りです。

・商品データの入力
・入庫や出荷のリスト作成
・伝票作成
・ドライバーとのやり取り
・顧客対応
・スケジュール管理
etc.

上記に加えて、書類作成や備品管理といった一般事務も含まれます。繁忙期で人手が足りない場合には、物流センターの業務を手伝うこともあります。

物流事務の魅力は、繰り返しになりますが、物流の縁の下の力持ちになれることが第一。目立つ仕事ではありませんが、なくてはならないポジションです。

また、物流がインフラ的な位置付けでもあるため、需要が途切れないのも魅力といえます。ECの利用がBtoC・BtoBともに拡大していることもあり、将来性に富んだ職です。

物流事務で大変な点として、イレギュラー対応の多さが挙げられます。天候トラブルや交通トラブルは日常茶飯事で、発生時にはスケジュールやルートを組み直したり、取引先へ連絡したりしなければなりません。

天候や交通事情は自社でコントロールできないとあって理不尽さはありますが、臨機応変な対応が求められます。

物流事務に限定した平均年収のデータはありません。しかし求人ボックスによると、物流全体を管理する事務職の物流管理が423万円/年、一般事務が304万円/年となっており、物流事務の平均年収はこれらの間に収まると考えられます。

日本の平均年収より少し低めですが、実際の収入は会社によって大きく差があります。

物流事務を目指すなら、以下のスキルや資質は身に付けておきましょう。

基本的なPCスキルは必須です。高度なレベルは要求されませんが、次のような基本的なことは早期にマスターしなければなりません。

・Officeソフト
・メールソフト
・チャットツール
・データ整理
・その他専用ツール

物流事務では仕事の性質上、社内外のさまざまな人と接することになります。その際、相手の求めることを聞き出し、それに応えるためのコミュニケーションスキルが重要です。

特に、取引先に対しては自社の顔となるため、人当たりがよく細かい気配りのできる人は重宝されます。

イレギュラー対応を苦にしないことも重要です。

前述の通り、天候トラブルや交通トラブルによって入出荷の計画が狂うのはあるあるです。そうなればスケジュールや配送ルートを変更したり、ドライバーや取引先へ連絡したりといった業務が発生します。

今まで進めていた作業が中断されるケースも多いですが、気持ちを切り替えてトラブル解決に全力で取り組みましょう。

ここまでの内容を踏まえると、物流事務に向いているのは次のような人です。

・コミュニケーションに優れている
・縁の下の力持ち的な役割が合っている
・相手の求めることを適切に把握できる
・臨機応変な対応が得意
・通常の事務だけでは物足りない

逆に「目に見える成果を出したい」「定型業務をサクサクこなしたい」という方だと、物流事務ではやりがいを感じにくいかもしれません。

今回は物流事務について、仕事内容や平均年収、求められるスキルや向いている人などを解説しました。

事務職といえば定型業務が多いイメージもありますが、物流事務ではイレギュラー業務をはじめとした臨機応変な対応が求められます。ですので、事務が得意だからといって、必ずしも物流事務の適性があるとは限りません。

逆に、変化のある事務職を求める方にとっては理想の職になるかもしれません。ぜひ本記事を参考に、チャレンジの第一歩を踏み出していただければと思います。