在宅勤務は家に子供がいるとできない?面倒を見ながら両立するコツを解説

コロナ禍により、大人が在宅勤務になっただけでなく、子供も登園・登校を自粛せざるを得なくなっています。そのため、家では子供の面倒を見ながら仕事をしなければならない状況に困っているワーパパ・ワーママの方も多いのではないでしょうか。

実際、家に子供がいると仕事に集中できないという声は多数出ています。問題の解消にはどんな工夫が必要なのでしょうか。

本記事では、子供がいる家庭の在宅勤務の現状と、育児と在宅勤務を両立させるコツについて解説します。

在宅勤務は家に子供がいるとできない?アンケート結果を紹介

日本労働組合総連合会・株式会社キッズラインは、子供がいる中での在宅勤務に関するアンケートを実施しています。その結果をもとに、どれくらいの人が家に子供がいる中での在宅勤務を大変と思っているのか、どんなことが特に大変と感じているのかを見ていきましょう。

子供と同居する人の80.9%がテレワークに難しさを感じている

出典:連合調べ

高校生以下の子供がいる家庭のうち70.2%、中でも小学生以下の子供がいる家庭では80.9%が子供が家にいる中での在宅勤務が難しいと回答しています。

それに対し、小学生以上の子供がいない家庭で在宅勤務が難しいと回答したのは39.8%で、半分。育児が在宅勤務に与える影響は非常に大きいと分かります。

子供が家にいるとテレワークが難しい理由

出典:同上

子供がいると在宅勤務が難しいと感じる理由で最も多かったのが、「子供の身の周りの世話をしなければいけない」というもの。子供の年齢層別で見ると、小学生以下の子供がいる家庭は57.6%が答えているのに対し、そうでない家庭は24.2%と差が大きいです。

昼食やリモート授業の準備の手伝い、宿題のチェックなど、親が手厚く身の回りの世話をしてあげる必要があるためと考えられます。それに対し、ある程度大きい子供だと自分のことを自分でできるので、ご飯の準備ぐらいでほかは放任でも問題ないでしょう。

「子供の遊び相手にならなければいけないから」も上位にきており、小学生以下の子供がいる家庭の57.6%が悩んでいるとのこと。同様の家庭においては「子供の昼食を準備しないといけないから」も43.5%、「子供が頻繁に話しかけてくるから」も31.4%。

この時期の子供は何かと世話がかかり、どうしても仕事が圧迫される現状が分かりますね。

ワーママの多くが「子供がいると在宅勤務に集中できない」

出典:PR TIMES/「子どもがいると集中できない」75.5%。在宅勤務ワーママの調査結果

株式会社キッズラインが実施したアンケートによると、子供を見ながらの在宅勤務で「全く集中できなかった」「ほとんど集中できなかった」と回答した人は、それぞれ27.2%、48.3%でした。合わせると75.5%。

それに対して「集中できた」「とても集中できた」と回答した人は、それぞれ7.7%、0.7%。合わせても10%に届きません。子供を見ながらの在宅勤務で集中できる人はほんの一部であり、多くは難しいと感じているのがわかります。

子供がいるときの在宅勤務の実態

出典:コロナ危機下の育児と仕事の両立を考える保護者有志の会「緊急事態宣言後の育児と仕事の両立状況に関するアンケート調査結果」

子供がいる家庭の在宅勤務は、65%が「仕事を時折中断して子供を見ている」という状況。近くに頼れる祖父母がいればよいですが、多くの家庭はそうもいきません。

ベビーシッターを在宅勤務の度に雇うのは予算的になかなか厳しいでしょう。そのため、在宅勤務と子供の世話を同時にしないといけない人が半数以上を占めています。

コロナ禍でストレスを感じているのは子供も一緒です。最初のうちは仕事中だからと我慢できても、結局できなくなって「仕事をやめて」「遊んで」と仕事中に親の元に来る子供も。親からすると、無視というわけにもいきませんよね。

上記出典資料によると、子供が「精神的に不安定になった」「前よりも甘えたがりになった」と回答している人が200人以上います。このように、コロナ禍が長引けば長引くほど子供が退屈に耐えられなくなり、大人も仕事に集中しにくくなっているのです。

在宅勤務の継続を希望する人自体は多い

出典:連合調べ

子供を見ながらの在宅勤務は大変ですが、在宅勤務の継続を希望している人は多いです。上記のグラフを見ても、男女どの世代でも75%以上が継続を希望しています。

出典:同上

しかし、毎日在宅勤務を希望しているのは各世代15%〜20%程度で、勤務日の2〜3割または7〜8割を希望している人が大半です。

週1〜4日の在宅勤務なら、育児のストレスを大きく減らせますね。子供も保育園や幼稚園で友達と遊べます。

とはいえ、あくまで理想です。コロナ禍の沈静化がまだまだ見通せない現状では、在宅勤務の割合を増やさざるを得ません。将来的には、自分で出社日数を選択できるようになると良いですね。

育児と在宅勤務を両立させるための工夫

出典:PR TIMES/「子どもがいると集中できない」75.5%。在宅勤務ワーママの調査結果

子供を見ながらの在宅勤務で仕事に集中するには、どんな工夫が考えられるのでしょうか。株式会社キッズラインのアンケート結果をもとに、両立するポイントを解説します。

子供の好きな動画・おもちゃ・本を用意する

在宅勤務中、子供の過ごし方は基本的に一人遊びです。しかし、特に一人っ子の場合、遊び相手がいなくて退屈になりやすいといえます。

なるべくそうさせないために、子供の好きな本やおもちゃを多めに用意しておきましょう。

Web会議などでどうしても子供を大人しくさせたいときは、動画に頼るのもありです。今はYoutubeもありますし、契約しているならAmazon PrimeやNETFLIXといった子供向けコンテンツが充実した動画配信サービスも駆使して、子供の気を逸らしましょう。

ただし、動画を視聴させる場合は、時間制限を設けることが大切です。動画にハマってスマホやタブレットを手放さない子供は少なくありません。Web会議中のみなど、時間を決めて使うべきです。

とはいえ、本やおもちゃ、動画だけでは限界があります。親が家にいるのに遊んでもらえない状況は子供のストレスになってしまうので、数時間おきに30分だけ遊ぶなど、時間管理も厳密に行いましょう。

親など頼れる人がいるなら頼る(場合によってはベビーシッターも)

パートナーも在宅勤務なら、お互いの仕事時間を調整し、それぞれが子供と遊ぶ時間を確保するようにしましょう。短時間でも親と一緒に遊ぶ時間があるだけで子供は喜びます。

家や義実家が近くにあるなら、仕事をしている時間だけ預けるのも一つの手です。そうすれば静かな環境で仕事に集中できますし、おじいちゃん・おばあちゃんも孫と遊ぶ時間ができて嬉しいでしょう。

ただし、元気が有り余っている子供の世話を毎日お年寄りがするのは体力的に辛いです。したがって、週に2日というように、日を決めて預けるのがよいでしょう。

ベビーシッターを頼るのもおすすめです。コロナ禍で在宅勤務になり困っている子育て家庭のために「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」という制度を内閣府が設けました。

こちらの制度は、原則小学3年生まで、発達障害や身体障害があるなど一部の条件を満たした場合は小学6年生までの子供がいる家庭が対象。ベビーシッターを雇う際に、子供1人につき1枚2,200円の割引券が支給されます(1家庭あたり月24枚まで使用可)。

企業を通して申し込む必要がある制度なので、人事部などに相談する必要がありますが、最大で子供1人あたり月5万2,800円の割引になるので活用しましょう。

【企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の詳細はこちら】

習い事に入れる

親が参加しなくてよい習い事に入れるのも一つの手です。送り迎えは必要ですが、子供が他の子と関わる時間ができ、退屈せずに済みます。

それに、家での過ごし方に関しても、習い事でやったことの復習の時間を作ることで、子供から目を離して作業に集中できるでしょう。

習い事の中には送り迎えをしてくれるものもあります。送り迎えをしてくれるならより親の負担も更に減ってありがたいですね。子供に合った習い事を探すのは難しくはありますが、コロナ禍をきっかけに習い事を始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

小さい子供にすると、親が仕事中でも遊んでもらいたくなるものです。基本的にはおもちゃなどに頼りつつ、仕事の合間に子供と遊ぶ時間を確保してあげましょう。

そのためには、在宅勤務の時間管理が重要です。もちろん子供相手である以上、計画通りになることはまずありませんが、一つの基準を作っておくと育児と仕事の両立が幾分かしやすくなりますよ。