子育てしながらフリーランスになるための完全ガイド|メリット・デメリットや両立のコツとは

昨今、企業などの組織に属せず、フリーランスとして働く人が増えています。一般的には自由度の高い働き方ができるといわれるフリーランスですが、子育てとフリーランスの両立はできるものなのでしょうか。

この記事では、子育てをしながらフリーランスを目指す人へ向けて、指針となる情報をまとめました。子育てとフリーランスの両立について考えてみましょう。

フリーランスとは何か

「フリーランスと自由業、自営業は何が違うの?」「フリーランスとフリーター、言葉は似ているけれど全然違うイメージがある」という人も多いのではないでしょうか。

まずは、フリーランスについて詳しく見ていきましょう。

フリーランスの定義 

フリーランスは、個人で仕事を請け負う働き方のことです。「働き方」の名称ですが、このような働き方をして生計を立てている人のことをフリーランスと呼ぶことも少なくありません。

フリーランスの仕事は特定の業務に関して請負契約を結ぶことで業務を開始します。そのため、パートやアルバイトとして企業に雇用されている場合は、フリーランスではありません。

フリーランスのメリット

フリーランスのメリットは時間や場所に縛られない働き方ができることです。請負契約は「仕事の完成および納品」を規定するものであり、始業や終業の時刻、休憩時間など、労務に関する規定はありません。

契約の期限までに仕事を完成させて納品できるのであれば、いつ、どこで仕事をしても問題ないので、柔軟な働き方が可能です。

フリーランスのデメリット

フリーランスのデメリットは安定性に欠けることです。労務に関する規定がないため、月給や時給などの労働時間に見合った対価をもらえるとは限りません。

あくまでも仕事に対する対価なので、その仕事を完成させるためにどれだけ時間を使ったとしても得られる金額が変わらず、完成できなかった場合は対価を得られないこともあります。また、請負契約そのものを受注できなければ仕事自体がないというケースも少なくありません。

労働時間や収入の面で、企業などに雇用される働き方よりは安定性に欠けると言わざるを得ないのが実情です。

子育てしながらフリーランスで働くということ

フリーランスで働くということは、自由の代わりに安定性を失い、安定性を失う代わりに自由を手に入れるということでもあります。子育てをしながらフリーランスで働くことは、この特徴を生かして仕事をすることでもあります。

子育てしながらフリーランスをするメリット

フリーランスならではの特徴は、子育てをしながら働くときに多くのメリットをもたらします。

まずは、ワークライフバランスの向上です。子育て期間中も仕事一辺倒の生活を継続することに難しさを感じて、企業に雇用されることを諦めざるを得ないケースは多々あります。組織の都合によって自分のプライベートな時間が圧迫されるのは、子育てをするうえで大きな負担になるでしょう。その点、フリーランスは時間の使い方が自由です。請け負う仕事量を調整することで理想的なワークライフバランスを維持できます。

スケジュールの自由度が高く、家事や育児との調整がしやすいこともメリットです。子どもは大人の都合に合わせて生活するわけではありません。泣きたいときに泣き、寝たいときに寝ます。「今、仕事だから相手ができない」という心苦しい思いをせずに済むことは、子育て期間中のストレスを大幅に軽減できるでしょう。

次に、子どもの成長に寄り添えることが挙げられます。例えば、在宅ワークを選択すれば、子どものことを見守りながらの仕事が可能です。子どもはあっという間に成長します。その成長を身近で見守る、支えるといった経験は、何物にも代えがたい喜びです。

子育てしながらフリーランスをするためのポイント

フリーランスは自由度の高い働き方ではあるものの、仕事であることに変わりはありません。むしろ、出社せずとも仕事ができるゆえに、家庭内の状況が業務に及ぼす影響は大きいといえるでしょう。そのため、集中して仕事ができる環境づくりが何よりも大切になってきます。

作業環境の整備

まずは、作業環境を整備しましょう。昨今ではインターネット回線を使用する業務が多いため、何はともあれインターネットを快適に使えるようにする必要があります。通信速度や安定性を重視し、回線の種類やプロバイダを見直して、オンラインミーティングや大量のデータの送受信にも耐えうるインターネット環境を整えましょう。

もし、現状が家事で手一杯な場合は、そこに仕事を詰め込むのは無理があります。時間を生み出すという意味では、時短家電に買い替えることも有効です。

次に、自分が仕事モードに切り替えられる環境をつくることです。感染症によりテレワークが広がったとき「家だとついお菓子を食べながら仕事をしてしまう」「テレビが気になって仕方がない」という声も聞かれました。食事をしながら、何かを見ながら、といった「ながら仕事」は、結果として効率が悪くなることも少なくありません。できるだけ集中できる環境づくりを心がけましょう。

スケジュール管理の工夫

次に、スケジュール管理についてです。子育てにはイレギュラーがつきものであることを前提に、緊急時の対応を決めておきましょう。仕事を受注する際には余裕のある納期を設定しておくと、イレギュラーが発生しても慌てずに済みます。

これらの対策を講じていくことで、効率的な時間の使い方が見つかります。例えば、洗濯機を乾燥機能付きのものに買い替えたことで洗濯物を干す時間を仕事に充てられるようになった、インターネットをホームルーターから光回線に変えたことで作業時間が短縮した、というケースもあります。

フリーランスの仕事で納期が遅れると、取り返しがつかないこともあるため、できる限りの対策を講じましょう。

近隣の状況確認

在宅ワークのフリーランスの場合、通常の生活空間を仕事に活用するためには相応の工夫が必要です。企業などのオフィスは仕事をするためにつくられていますが、家はそうではありません。

まずは近隣の状況を確認しましょう。保育園や幼稚園、学校などが近くにある場合、登下校の時刻とオンラインミーティングが重なると取引相手にいい印象を与えないことがあります。家電が発する音や水槽のモーター音なども相手にとってはノイズと認識されるかもしれません。このように、音響面での工夫は必須だと考えたほうがよいでしょう。

フリーランスで子育てする際の注意点

フリーランスは子育てのための働き方ではありません。そのため、企業に雇用されるパートや時短勤務とは異なるものと認識する必要があります。ここでは、フリーランスとして仕事をしながら子育てもする場合の注意点を解説します。

保育園、幼稚園の申請手続きの際に優先順位が下がる場合もあり?

フリーランスは企業に勤めているわけではないため、保育園や幼稚園の申請手続きで優先順位が下がることがあります。近年はフリーランスに対する意識も変わってきてはいるものの、自営業の場合「保護者がずっと家にいる=預ける必要性がない」ととらえられることも少なくありません。

この場合、フリーランスの大変さを力説しても問題の解決には至らないことがほとんどです。取引先が就労証明やそれに代わるものを発行してくれる場合もあるので、まずは取引先に相談してみましょう。

休業中のフォローや収入源確保が厳しい

フリーランスには「休み」という概念がありません。あくまでも仕事を請け負う働き方なので、働く時間と休む時間を自分で決められるためです。もともと安定した収入を得るための働き方ではないので、収入に対する補償もないのが実情です。

また、子どもや自分が体調不良になるなど、思うように稼働時間を確保できないことも少なくありません。稼働時間の減少がそのまま収入の減少につながることも多いため、中長期的なキャリアプランを描くことが大切です。

家族の協力を得るための工夫をする

子育てには家族の協力が必要不可欠です。家族の協力が得られれば、例えば子どもが体調不良のとき、家族の誰かが対応して自分は仕事をすることも可能です。

しかし、今現在、自分が担っている子育てのボリュームはそのままに、フリーランスとして仕事を始めるのは簡単ではありません。1日の時間は限られているので、家族内で子育ての役割分担を見直し、仕事に充てる時間を確保しましょう。

特に同居している親などがいる場合は「家にいる=休み」ととらえられ、家の仕事を手伝うように言われたり、家に友達を招いたりして、仕事に集中しにくくなることがあります。

家にいてもれっきとした仕事をしていることを伝え、協力を仰ぎましょう。テレワークについては以下の記事を読むことで理解できることもあります。

自分だけではなく、家族でテレワークについての知識を深めましょう。


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リフレッシュや休息の時間をとること

自分の人生を構成するのが子育てと仕事のみ、という状況は好ましいものではありません。休息のない日常をずっと繰り返していくと、いずれ限界がやってきます。

子育ても仕事も手を抜けないものではありますが、適度にリフレッシュや休息の時間をとることも大切です。フリーランスの仕事でも休みの時間を確保し、作業量が多すぎて休みが取れない場合には、適度に調整することを意識しましょう。

子育てフリーランスの仕事の探し方

子育てとフリーランスとしての仕事を両立させるためには、仕事の探し方が大切です。以下を参考にして、無理なく続けられる仕事を探しましょう。

子育てとのバランスをとりやすい職種を選ぶ

子育てをしながらの仕事には特有の制限があります。例えば、子どもが起きていて作業の途中に手を止めなければならないときなどです。

これらの問題をクリアするためには、作業途中で手を止めても問題なく再開できる仕事や、夜間の作業が可能といった職種を選ぶことが大切です。

作業する時間帯よりも納期が優先されるデザイン関連の仕事やプログラマーなどのエンジニア系は、作業をする時間や場所を選びません。逆に、テレアポなどのコール業務は稼働時間が決まっており、手を離すことも難しいため、子育てとの両立は難しい傾向にあります。

ポートフォリオの作成やクラウドソーシングサイトへの登録

フリーランスは仕事を受注しなければ仕事自体が発生しません。そのため、自分を売り込むため、ポートフォリオやクラウドソーシングサイトへの登録が役立ちます。

ポートフォリオとは、自分のスキルや職務経験などをまとめたものです。一般的な企業では履歴書や職務経歴書などの書類選考を経て面接が行われますが、フリーランスの場合は募集要項などがなく、履歴書や職務経歴書の提出は求められず、ポートフォリオが求められる傾向にあります。

自分の足でポートフォリオを持って売り込みに行くのが難しい場合は、クラウドソーシングサイトへの登録も有効です。クラウドソーシングサイトは、仕事を求めるフリーランスと、フリーランスの能力を必要としている発注者とをつなぐサイトです。子育てで行動範囲が限られる中、ネット上で仕事を探せます。

スキルアップ研修や講座があれば受けてみる

昨今では、フリーランスのための研修や講座が数多く開催されています。研修では「フリーランスとして働きたいけれど、そもそもどうやって営業すればいいの?」といった基本的な疑問から「売上を伸ばすにはどうしたらいいか」などの経営戦略に関する問題など、幅広い知識を得られます。

研修や講座の実施状況を調べる場合は、地方自治体や地元の商工会議所などに問い合わせてみましょう。ただし、中には悪質なセミナーも存在するため、できるだけ公の機関を活用することが大切です。

SNSの活用

画像や映像、絵画、ハンドメイドなど、自分の特技を生かしてフリーランスを目指す人におすすめなのがSNSの活用です。

方法は簡単で、SNSに自分の作品を投稿してポートフォリオを作成していきます。SNSは自分のウェブサイトを開設したり、ブログを書いたりするよりもずっと手軽に始められます。「まずは作品を見てほしい」という場合は、SNSの活用を検討してみましょう。

子育てしながら働くには|正社員かフリーランスか

子育てには継続的な支出が発生します。その点から考えると、本当にフリーランスという選択が正しいのか迷ってしまう人も多いでしょう。

ここでは、子育てをしながら働く場合に焦点を絞って、正社員とフリーランスの違いを見ていきましょう。

子育て×正社員

正社員として働く魅力は、何といっても安定性があることです。社会保険や福利厚生の充実、休業補償、ボーナスの充実など、正社員ならではの魅力はたくさんあります。何かと物入りになる子育て中ともなれば、この魅力は捨てがたいものです。

一方で、正社員はフルタイム勤務が基本です。昨今は、子育てのための時短勤務も浸透してはいるものの、フルタイムよりは給料が安く、年齢の上限がある場合も少なくありません。

また、組織に属して働くとなれば、ある程度の自己犠牲が必要になることもあります。周囲の理解を得られず、家事や育児がそっちのけになってしまう可能性も否めません。

自身の体調管理も重要です。ただでさえ子どもの体調は安定しません。熱が出るたびに保育園や幼稚園から呼び出されるというのに、自分が体調を崩したとなれば仕事も育児もままならない状態になることもあります。子どもは感染症に罹りながら免疫を獲得していくため、親である自分が感染症に罹るリスクは避けられません。その都度、上司や同僚と業務のすり合わせをしながら休むとなると、心身を病んでしまう可能性もあります。

子育て×フリーランス

フリーランスの魅力は、柔軟な働き方ができることです。子どもや自分の体調が優れないときに休んだり、子どもが寝静まった夜に作業ができたりと、ライフスタイルに合った働き方で報酬を得られます。ワークライフバランスがとりやすく子どもとの予定も合わせやすいので、子育ての充実感も得られるでしょう。

一方で、フリーランスは福利厚生や収入をフォローする制度は期待できません。自分で仕事を獲得しなければ収入がないという不安定な側面もあります。戦略やスケジュール管理など、自己プロデュースのスキルも磨いていかなければなりません。いわゆる一人社長のようなものなので、経営と実務を一人で担う覚悟が必要です。

まとめ

子育てとフリーランスは、職種や取引先との関係性によっては非常に相性がよく、両立しやすいという声が多く聞かれます。一方で、納品物に対して報酬を得るフリーランスの働き方は、子育て中の心と体に大きな負担になる可能性も否めません。

フジ子さんでは、企業や個人事業主の仕事をサポートする準委任の形で業務を行えます。時給で報酬が発生するので、納期に追われて無理な働き方をする必要もありません。フルリモートでありながらチームで仕事を行うため、突発的な休みでもお互いがフォローしながら業務の完了を目指せます。

将来的には完全なフリーランスを目指しているすでにフリーランスとして働いているけれど安定した収入源がほしいという人にもおすすめです。子育てをしながら活躍しているメンバーもたくさんいます。自分にとって働きやすい環境でフリーランスとしての一歩を踏み出しましょう。