高齢化が進む昨今、介護と仕事の両立に悩む家庭が増えています。介護は力仕事の面があり、これに精神面の負担も加わると、毎日が辛いと感じてしまうこともあるでしょう。
施設のお世話になれると多少は軽減できますが、全員が全員そういうわけにもいかず。どちらにせよ何らかの負担はかかります。
では、介護と仕事を両立させるにはどうすればよいのか。本記事では国内の現状を解説した後、支援制度や相談先、おすすめのお仕事などを紹介します。
介護と仕事の両立は社会全体の重要な課題
総務省が発表した平成29年就業構造基本調査によると、介護をしている就業者は、調査対象の55%にのぼります。特に、40代以降で介護をしている就業者は男性で80%以上、女性で60%以上。介護と仕事の両立は、現代日本においてごく普通のことになっているのです。
介護日数については、月に3日以内・週に1日の人の割合が50%ほど。主に休日に実家へ帰って介護をしている層ですね。一方、週に4日以上の割合は25%となっており、毎日のように介護と仕事の両方をしなければならない人も相当数いるのがわかります。
そして、平成28年10月~29年9月の間に介護のために離職した人は9万9千人。前回調査から目立った増加はないものの、仕事や人生そのものに大きな影響が出ている人も少なくないのです。
以上を見るに、介護と仕事の両立は社会全体の重要な課題だといえるでしょう。高齢化は今後さらに進むため、悩みを抱える家庭が増えることは想像に難くありません。
介護と仕事の両立は無理?
先述の通り、年間10万人近くが介護と仕事の両立は無理と感じて離職しています。では、どんな点に悩みを抱えてのことなのか。よくあるのは次のようなものです。
・時間に追われる
・生活が不規則になる
・自分の負担ばかりが大きい
・仕事が遅出や早退になりがち
・家族の協力が得られない
こうした事情により、離職とまではいかずとも、勤務形態を変更している方も少なくないでしょう。
「介護と仕事は両立できないのかな……」と、まさに今不安になっている方もいらっしゃるはず。では、どうすれば現状を改善し両立ができるようになるのか。方法のひとつとして、支援制度の活用について次章で解説します。
支援制度を活用して介護と仕事を両立させよう!
働き方やライフスタイルが多様化している今、国や行政も介護の支援制度を拡充させています。悩みは一人で抱え込まず、制度をどんどん利用しましょう。例として、以下のようなものがあります。
介護保険サービス
1つめは介護保険サービス。介護保険が適用され、1~3割の自己負担で済むのが魅力です。
<代表的な介護保険サービス>
訪問介護 | ヘルパーに自宅へ来てもらい、身体介護や家事全般をしてもらう |
デイサービス | 日帰り施設へ通い、そこで身体介護やリハビリなどを受ける |
ショートステイ | 30日/月の範囲で施設に宿泊し、身体介護やリハビリなどを受ける |
介護老人施設 | いわゆる老人ホームに入所し、日常生活全般をサポートしてもらう |
特定福祉用具販売 | 介護に必要な用具を安価に購入できる |
福祉用具貸与 | 介護に必要な用具をレンタルできる |
住宅改修費支給 | 介護のために住宅を改修する費用を援助してもらう |
居宅介護支援 | 介護サービス事業者との橋渡しをしてもらう |
介護保険サービスは組み合わせも可能です。どのサービスを選べばよいか、どの事業者を選べばよいか等、わからないことがあれば、気軽に役場や地域包括支援センターに相談してみてください。
働き方の支援制度
介護離職を防ぐために、国もさまざまな制度を設けています。
介護休業制度 | 介護の対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できる |
介護休業給付 | 介護休業制度を利用する人が、休業中に雇用保険を受け取れる |
介護休暇 | 2週間以上の介護を必要とする家族のために休暇を取得できる |
勤務時間の制限 | 申請者の残業を制限できる |
事業所が介護休業・介護休暇の申し出を不当に拒否したり、申し出を理由に解雇したりするのは違法です(勤務時間の制限は拒否できる)。ただ、事業所も準備をしたり、省庁やハローワークへ告知したりしなければならないため、上司や担当者には早めに相談しておきましょう。
また、上記制度の要件については、所属する事業所の就業規則も確認しておいてください。
思い切って仕事を変えるのも手
少しハードルは上がりますが、思い切って仕事を変えるのも手です。在宅勤務ができたり、介護支援の福利厚生が充実していたりする企業は増えているため、今の生活に限界を感じているのであれば検討してみてください。
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まとめ
今回は介護と仕事の両立をテーマに、社会の現状や支援制度などを紹介しました。
一番の禁物は、自分一人で抱え込むことです。早々に限界がきて、毎日が辛いと感じるようになってしまいます。悩みがあれば、親しい人や、時には行政に相談してみましょう。
ぜひ本文中の制度も活用しながら、うまく両立させていただければと思います。