「受付事務ってどんな仕事?」
「未経験でも受付事務の仕事はできる?必要な資格は?」
受付事務と聞くと、企業のエントランスやショールームなどで来客対応をするというイメージを抱く方が多いはず。たしかに合っていますが、実際の業務はそれだけではありません。
そこで本記事では、受付事務の仕事内容や給与水準、向いている人の特徴、必要な資格などを解説していきます。
受付事務とはどんな仕事?
受付事務は、来客対応や電話応対がメインの仕事です。来訪者を待たせることなくスムーズに案内する役割があります。
訪れた人が一番に顔を合わせる場所が受付ですから、そこの担当者には、企業の顔としての高い接遇レベルが求められます。身だしなみや言葉遣いを磨き、ビジネスマナーを身につけておかなければなりません。
加えて、来訪者のデータを登録したりメール対応をしたりと、パソコンを使った事務作業もあります。
受付事務の主な業務内容
ここからは、受付事務の主な業務内容を詳しく解説していきます。
来客対応
来客対応では、主に企業の出入り口にある受付に在中し、来訪者の対応をします。受付は、「フロント」「レセプション」と呼ばれることもあり、来訪者が困った時に一番先に対応する場所です。
事前に予約されている顧客を応接室や会議室へ案内したり、お茶を出したりすることもあります。
会社の受付、デパート、空港、駅構内、ホテル、弁護士事務所など、業務の範囲は企業ごとに異なります。
電話の取次
外部だけではなく、社内の部署間からかかってくる電話の取次も、主な業務です。緊急の要件や大事な商談の連絡など、さまざまな目的でかかってくる電話に、スムーズに対応する能力が求められます。
電話は顔が見えないため、声のトーンを明るくしたり、言葉遣いを丁寧にしたりと細やかな配慮が必要です。
郵便物の受け取り
企業によっては、郵便物の受け取りや書類の受け渡しも受付業務の仕事です。
会社には多くの郵便物が届きます。中には重要書類や機密書類が含まれており、取り扱いには十分注意しなければなりません。
仕分や各部署への配達は総務部が行うことが多いですが、その前段階となる受け取りを受付事務が担当することもあります。
顧客データの管理
来訪者や顧客のデータ管理も受付事務の大事な仕事です。顧客データは、来訪者が社内の誰の顧客か確認するために必要です。
来訪者のデータは、営業が新規顧客獲得に使える貴重な情報ですから、正確に入力する必要があります。
メール対応
外部、社内を含め、メール対応も受付事務の業務のひとつです。新規顧客からの問い合わせや来訪予約を確認して、担当部署へ連携するなどの役割を担います。
文章によるコミュニケーション能力が求められる仕事です。
受付事務の給与水準
給料ナビによると、受付事務の平均時給はアルバイト・パートで999円、派遣社員で1,279円となっています。正社員の平均年収は334万円、月給換算すると28万円程度が相場のようです。(2022年4月時点)
アルバイト・パートの時給は、999円〜1,869円と幅が広めとなっており、経験や能力、業種によって大きな差があると見受けられます。
また、地域別で比較すると東京の年収363万円が最も高く、宮崎県279万円が一番低くなっています。
受付事務に必要なスキル
受付事務に必要なスキルは下記の3つです。
・コミュニケーションスキル
・基本的なPCスキル
・ビジネスマナー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
受付事務では多くの来訪者と接するため、コミュニケーション能力が必要です。来訪者の希望や疑問に合わせて臨機応変に対応しなければなりません。
また、外部だけではなく社内の多くの部署と連携を取ることも多いため、他の社員との関係性を良好に保つことも大切です。
メールや電話など対面せずに対応することも多いため、文章や言葉での円滑なコミュニケーション能力も求められます。
基本的なPCスキル
前述したように受付事務では、顧客データ管理や閲覧なども業務に含まれています。ワードやエクセルなどを操作できる、基本的なPCスキルは必要です。
とはいえ、パワーポイントで資料を作成したり、経理ソフトを扱ったりということはありません。エクセルに正しく情報を入力できれば問題ないでしょう。
ビジネスマナー
受付は企業の顔となるポジションですから、高いビジネスマナーも必要です。
言葉遣いだけではなく、服装、所作に至るまで、来客者を気持ちよく迎えるためのマナーや礼儀を身につけなければなりません。
着用するスーツにシワがないか、靴に汚れがないかなど、お客様に不快感を与えないような意識を常に持つことが大切です。
受付事務に資格は必要?
受付事務に必ずしも資格は必要ありません。しかし、受付事務として働く上で必要なスキルを身につけたり学べる資格はあります。
取得すれば面接等でもアピールできますから、未経験から受付事務を目指すなら、下記の2つは取得していて損はありません。
日商PC検定
「日商PC検定」とは、商工会議所が実施するIT利活用技能の検定試験です。企業実務において必要な、実践的ITスキルを身につけられます。
試験は「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3分野に分かれ、筆記試験と実務試験の2科目があります。
試験レベルは1級、2級、3級、Basicと4段階に分かれていますが、面接等でアピールするなら2級以上の取得がおすすめです。
秘書検定
「秘書検定」とは、公益財団法人実務技能検定協会が実施する検定試験です。
資格試験に合格すると、秘書に求められる知識や技能、一般常識や敬語の使い方、電話応対やビジネスマナーなどを身につけられ、受付業務に活かせます。
取得することで、社会人としてのマナーが身についていることの証明にもなります。
受付事務のやりがい
受付事務はたくさんの人と接する機会が多いため、「接客スキルが身につく」「適応力や判断力が磨かれる」といったスキルアップを狙える点が魅力です。接遇応対やコミュニケーション能力を磨けばどのような業種でも重宝されますから、転職でも有利になるでしょう。
また、社内外のさまざまな方々のサポートを行いますから「人の役に立てる」「ありがとうと言われる」ことをやりがいに感じている方も多いようです。
受付事務でしんどい時
受付事務では、理不尽なクレームや無理な要望への応対など、接客面で精神的なストレスを感じることも少なくありません。
直接的に関係がなくても企業の顔として、お客様に謝罪したりクレームを受理したりと負担が大きくなります。
また、「立ち仕事で足が浮腫んでしまう」「自由にトイレに行けない」など、身体的な苦痛を感じることもあるでしょう。デスクワークとは違い、常にお客様に見られる立場ですから、気を遣う部分も多々あります。
受付事務に向いている人
受付事務に向いているのは下記のような方です。
・人と接するのが好きな人
・人をサポートするのが好きな人
・笑顔が多く礼儀正しい対応ができる人
・臨機応変に対応できる人
・冷静に対応できる人
・語学が堪能な方
受付事務は、企業によっては1日に数百人以上の対応を迫られることもあります。人と接するのが好きで、このような環境が苦ではない人が向いています。
また、笑顔が多く礼儀正しい方は、来訪者からの印象も良く企業のイメージアップにつながるでしょう。
飛び込み営業やクレームにも冷静かつ臨機応変に対応できる適応力のある方は、受付事務で重宝されます。
まとめ
本記事では受付事務の仕事内容や必要な資格、向いている人の特徴などを解説しました。
受付事務は、経験や資格がなくても始められる仕事ですが、企業にとって重要なポジションとなるため、高いコミュニケーション能力やビジネスマナーが求められます。
接客経験がある方や語学が堪能な方は、そのスキルを活かして活躍できるでしょう。
企業の顔として働ける、やりがいのある仕事ですし、受付事務の経験を活かして秘書などへキャリアアップも狙えます。
未経験でもチャレンジできますから、まずは本記事で紹介した資格の勉強などを視野に入れつつ、求人をチェックしてみましょう。