経理に資格は必要?おすすめの資格一覧も紹介!!

専門的な知識が多数必要とされる経理。会社のお金を扱うため、ミスのない仕事を迅速に行わなければなりません。

そんな経理には、簿記をはじめとしたさまざまな資格がありますよね。これらは実務に必須なのでしょうか?

本記事では経理の資格について、取得の必要性やおすすめの資格などを解説していきます。なお、税理士公認会計士といった国家資格ではなく、より裾野の広い民間資格を取り上げます。

経理担当者に資格は必要?

結論から言うと、経理の仕事は資格がなくともできます。

しかし企業からすれば、経理の知識や能力の裏付けとなる資格は重要ポイント。日商簿記2級は、特に求められやすい資格です。

また、お金を扱う経理の知識は、経理業務以外の場でも活用できます。経理+別分野のスキルを身に付けてキャリアアップを目指す際にも、経理資格は有用です。

総じて、経理の資格は必須ではないものの、あると役立つのは間違いありません。

経理担当者におすすめの資格5選

ここからは、経理担当者におすすめの資格を5つ紹介していきます。

日商簿記検定

国内で最も知名度の高い経理資格が「日商簿記検定」。日本商工会議所が実施しており、経理の知識を総合的に身に付けられます。

検定には初級・3級・2級・1級の区分があり、各級で問われる知識は以下のとおり。

・初級:簿記の用語や仕組みの初歩的な理解
・3級:経理書類や青色申告書類の作成や管理への理解
・2級:商業簿記・工業簿記への実務レベルでの理解、財務諸表の作成
・1級:より高度な経理への理解、簿記のルールに関する理論的な裏付け

一般的には2級以上が、企業から評価される基準です。経理の資格取得を目指す方は、これを当面の目標にすると良いでしょう。

日商簿記2級の合格率は15%〜40%と、試験の回によって差が大きくなっています。勉強時間は平均200時間ほど。いきなり2級は不安という方は、3級から挑戦してみるのもおすすめです。

【日商簿記検定の詳細はこちらから】

ビジネス会計検定

大阪商会議所が実施する「ビジネス会計検定」は、経理だけでなく財務・営業・経営者など、あらゆるポジションの人が会社のお金の流れを把握するための資格です。

前述の簿記検定は財務諸表を作成するための知識が問われる一方、ビジネス会計検定では財務諸表の読み取りと分析のスキルが問われます。

役員総会や株主総会で財務諸表についての説明をする場合などには、この資格を持っておくと信頼性がアップするでしょう。

ビジネス会計検定には3級~1級の区分があります。

・3級:会計用語や財務諸表に関する基礎的な理解
・2級:経営戦略や事業戦略にまつわる実務的な財務諸表分析への理解
・1級:財務諸表を総合的かつ詳細に分析し、企業の成長につながる評価や改善策を提示するためのスキル

ビジネス会計検定は、日商簿記に比べて新しい分、知名度が高くありません。ですので、まず日商簿記を優先して取得するのが良いでしょう。また、ビジネス会計検定を取得するのであれば、実務レベルの知識を要する2級以上がおすすめです。

【ビジネス会計検定の詳細はこちらから】

給与計算検定

「給与計算検定」は、内閣府認可の一般財団法人・職業技能振興会が主催しています。

読んで字の如く、給与計算業務の知識や実務力を評価する試験です。給与計算は経理における重要業務ですから、自身のスキルの証明として有用です。

給与計算検定には2級と1級の2区分があり、それぞれで求められるのは以下のような知識です。

・2級:給与計算業務に必要な基礎知識
・1級:税法や労働基準法などの法的知識、年末調整や複雑な給与体系にも対応できる知識

それぞれの平均合格率は、2級で80%、1級で50%と、比較的簡単に取得できる資格となっています。給与計算の知識の確認としても有用です。

【給与計算検定の詳細はこちらから】

FASS検定

「FASS検定」は、経理担当者を育成する目的で、経済産業省が運営している資格です。

特徴は日商簿記よりも実務に重点が置かれている点。経理・財務全般の知識が問われ、資産や資金の運用まで出題されます。

FASS検定では、取得したスコアによってE~Aまでの評価を受けます。スコア式の試験なので、不合格はありません。

ただ、一般的には日商簿記の方を重視している企業の方が多く、FASS検定の優先度は下がるのが現状です。簿記+αぐらいの位置づけで取得を目指すのが良いでしょう。

【FASS検定の詳細はこちらから】

BATIC

「BATIC(バティック)」は、東京商工会議所が主催する国際会計検定のこと。いわば英語版の日商簿記です。

国際基準の会計基準を身に付けたいのであれば、受験する価値があるといえます。

BATICの評価方法はFASS検定と同じくスコア式です。

・320~699点:英語による会計帳簿の記帳や管理ができる(日商簿記3級程度)
・700~879点:国際基準の会計について、基礎を理解している(日商簿記2級程度)
・880~1,000点:国際基準の会計について、実務レベルで理解している(日商簿記1級程度)

なお、BATICの試験はすべて英語で行われます。よって相応の英語力と、英語でも簿記のことを理解できるだけの前提知識が必要です。日商簿記とTOEIC/TOEFLで高評価を受けた上でチャレンジしましょう。

【BATICの詳細はこちらから】

まとめ

今回は経理の資格について、その必要性とおすすめを解説してきました。

経理の知識やスキルは、経理職以外の方でも有用です。どのポジションの方であれ、受験するのなら、やはり日商簿記が最優先になるでしょう。ほかの資格はこの後で構いません。

ぜひ本記事を参考に、資格の勉強をスタートしていただければと思います。