在宅勤務に必要なものは何?快適に働ける環境を整えよう

働き方改革やコロナ禍の影響で、在宅勤務を導入する企業が増えています。求人でも「在宅OK」といった表記を見かける機会が多くなりました。

在宅勤務では、自宅の環境づくりが作業効率を左右する重要なポイントです。オフィスとは異なり、自分に合った快適な作業空間を整えることが、生産性向上につながります。

本記事では、快適に在宅ワークを進めるために役立つアイテムや工夫をご紹介します。

【必須】在宅勤務に最低限必要なもの

PC

在宅勤務を快適に行うためには、あらかじめ必要な機器やツールの準備が不可欠です。まずは、最低限必要なものを以下にピックアップします。

  • ネット環境
  • パソコン
  • マウス・キーボード
  • WEBカメラ・ヘッドセット
  • 業務に使うソフトウェア

すでに持っている方も多いと思いますが、これらのアイテムは必ず揃えておきましょう。

ネット環境

社内外の人との連絡、社内システムやクラウドストレージへアクセスするために、安定したネット環境は必要不可欠です。

インターネットに接続する方法として、主に有線LAN無線LANの2つがあります。それぞれの特徴を以下にまとめます。

有線LAN無線LAN
接続方法LANケーブルで接続電波を利用してワイヤレスで接続
通信速度一般的に高速で安定している有線LANより遅くなる場合があり、環境に左右されやすい
安定性外部干渉を受けにくく、非常に安定している電波状況(距離、障害物、電波干渉)により不安定になることがある
セキュリティ物理的な接続が必要なため、外部からの不正アクセスリスクが低い電波の傍受や不正アクセスのリスクがあるため、適切な対策が必要
利便性配線範囲内でのみ利用可電波が届く範囲であればどこでも接続可能なため、レイアウトの自由度が高い

安定性やセキュリティを重視する場合は有線LAN、利便性や柔軟性を重視する場合は無線LANを選択するとよいでしょう。業務内容や環境に応じて、有線LANと無線LANを使い分けることもよいかもしれません。

パソコン

業務をスムーズに進めるうえで、作業用のパソコンは欠かせない存在です。パソコンにはデスクトップタイプとノートタイプがあり、それぞれの特性を理解して選ぶことが大切です。

デスクトップパソコンノートパソコン
携帯性持ち運びが難しく、設置場所が固定される軽量で持ち運びが可能、場所を選ばず使用可能
性能高性能なパーツを搭載しやすく、処理能力が高い省電力設計で性能はやや制限されることが多い
設置スペース大きめのスペースが必要コンパクトで省スペース
寿命一般的に長いデスクトップに比べるとやや短い傾向
利便性キーボードやマウス、ディスプレイは別途必要ディスプレイやキーボードが一体で初期費用が抑えられる

最低限のPCスペック目安

  • CPU:Intel Core i3かAMD Ryzen3以上
  • メモリ:8G以上
  • ストレージ:できればSSD、256GB以上(クラウドを使うなら少なくてもOK)

Web会議やデータ処理、書類作成などをストレスなくこなすなら、上記のスペックは満たしておきたいところです。

また、長時間の在宅勤務を快適に続けるためには、ブルーライトを抑制し、画面のちらつきを防ぐフリッカーフリー機能を備えたディスプレイを選ぶことをおすすめします。

マウス・キーボード

マウスやキーボードには、用途や作業スタイルにあわせてさまざまな種類があります。どちらも接続方式としては、有線タイプと無線タイプの2種類があり、それぞれにメリットがあります。

<有線タイプ>

パソコンと直接ケーブルでつながるため、通信が安定しており、遅延がほとんどありません。細かい操作が求められる作業に適しており、電池切れの心配もありません。

<無線タイプ>

ケーブルが不要でデスク周りがすっきりし、自由に動かせる利便性があります。Bluetoothや2.4GHzの専用レシーバーを使った接続が一般的で、場所を選ばず快適に使えますが、電池の管理が必要です。

また、数字入力が多い方には、テンキー付きのキーボードがおすすめです。テンキーがあることで、数字や計算記号を素早く入力でき、作業効率が大幅に向上します。

マウスも形状やセンサーの性能、ボタンの数などさまざまな種類があるため、用途に応じて選ぶことが重要です。例えば、細かい作業には高精度なセンサー搭載モデル、ショートカット操作が多い場合は複数ボタン付きのモデルが便利です。

WEBカメラ・ヘッドセット

在宅勤務中の会議は、一般的にWEB会議で行われます。WEB会議では自分の姿を映すカメラが必要となるため、WEBカメラは準備しておきたいアイテムの一つです。

パソコンにカメラが付いていない場合や、内蔵カメラの画質に不満がある場合は、外付けWEBカメラを用意しましょう。特に、モニターにクリップで固定できるタイプのカメラは、設置が簡単でスペースも取りません。

マイクが内蔵されたWEBカメラなら、別途マイクを購入する必要がありませんが、音を出しづらい環境ではヘッドセットの使用をおすすめします。

ヘッドセットを利用することで、よりクリアな音質で会話ができ、周囲に音声が漏れる心配もありません。会議の内容が漏れることを防ぐためにも、WEB会議を行う際はヘッドセットを使って音声を出力するようにしましょう。

業務に使うソフトウェア

業務で利用するOfficeソフトやチャットツール、会計ツールなどのソフトウェアは、事前に導入しておくことが重要です。最近では多くのツールがクラウド上で提供されており、パソコンにインストールする手間がないため、在宅勤務でもスムーズに利用できます。

クラウド型ソフトなら、インターネット環境があれば自宅や外出先でも同じ環境で作業でき、複数拠点での業務やチームでの情報共有にも便利です。

【効率アップ】在宅勤務に必要なもの

次に、必須ではないものの、あると業務効率がアップするものをご紹介します。

作業しやすいデスク

作業しやすいデスクがあると作業効率がアップします。代表的な2タイプを比較表にしました。

タイプ特徴メリットデメリット
昇降式天板の高さを調整可能電動・手動・ガス圧式など座り・立ち作業を切替えできる 自分に合った高さで作業しやすい種類によっては価格が高め電動の場合は設置場所に電源が必要
L字型天板がL字型部屋の角やスペースを有効活用できる作業スペースが広い複数台モニターや書類の配置に最適設置場所を選ぶサイズが大きく移動が大変

一般的なデスクを選ぶ場合は、以下を参考にしてみてください。

<横幅>

100〜120cmが目安。書類を多く広げる場合は大きめがおすすめです。部屋に空きスペースが少なく、横幅をあまり取れないのであれば、L字型デスクや連結天板を使う手もあります。

<奥行>

PCとの距離が近すぎると、モニター全体を一目で確認できない、すぐ目が疲れてしまうといった困り事が発生します。70cmを目安に、自分に合った距離感を探してみてください。

<高さ>

現代日本人の体格に配慮して、一般的なデスクは72cmを基準に作られています。ただ、これはあくまで基準であって、もちろん人によって最適な高さは変わります。店舗へ実物を見に行くか、高さ調整タイプの製品を選ぶかして問題を解決しましょう。

長時間座っても疲れにくいチェア

チェアで最も重要なのは疲れにくさです。せっかくデザインが良くても、座りにくいと仕事に支障をきたします。長時間座り続けると、腰を痛めてしまうかもしれません。

できる限り、チェアは実物に触れるのをおすすめします。背もたれの高さ、座面の柔らかさ、素材の風通しなど、ネットショップの写真や文章では分からない情報が多いからです。これらは個人の好みにもよるため尚更です。

長い時間体を預けることになるチェアには、特にこだわりましょう。

作業領域を広げられるPCモニター

大きめのモニターを用意すると、画面上の作業領域が広がるため、作業スピードが大幅にアップします。小さな画面のように目を凝らして見る必要がなく、疲れにくいのもポイントです。

<大きさ>

在宅勤務では23.8〜27インチが一般的。大きすぎると視線移動が多くなり、それはそれで疲れます。

<解像度>

画像や動画を頻繁に編集しないのであれば、フルHDで十分です。

<パネルの種類>

発色に優れ、目に優しいIPS方式がおすすめ。また、光沢はなくても問題ありません。

上記に加えて、高さ調整やモニターアーム取り付けができる製品なら、自分の目線の高さに合わせた位置で使えて便利です。

ノートパソコンスタンド

ノートパソコンは画面とキーボードが一体化しているため、操作中どうしても視線が下がり、姿勢が崩れやすくなります。その結果、背中が丸まり、肩こりや腰痛の原因となることも少なくありません。

スタンドを使えば、ディスプレイの位置を適正に保てるため、自然な姿勢が維持しやすくなり、操作時の身体への負担が減ります。さらに、スタンドはパソコンの角度調整もできるため、キーボード入力がしやすくなり、肘や手首にかかる負担も軽減するでしょう。加えて、ノートパソコンとデスクの間に空間ができることで放熱性が向上し、熱による不調も防止できます。

モニターアーム

モニターアームは、ディスプレイの高さや角度、位置を自由に調節できるアイテムです。アームを使うことで、モニターの設置場所を自分の作業姿勢やデスク環境にあわせて細かく調整できるため、首や背中、腰の負担が軽減され、長時間の作業でも快適な姿勢を維持しやすくなります。

また、デスク上のスペースが広がるのも大きなメリットです。モニターのスタンドが不要になり、机の上がすっきりするため、書類や周辺機器を置く場所を確保できます。ケーブル類もアーム本体に沿わせることができ、デスク周りの整理にも役立ちます。

ブルーライトカット眼鏡

在宅勤務のようにパソコンを長時間使用するときは、ブルーライトカット眼鏡の着用がおすすめです。ブルーライトカット眼鏡は、画面から発せられる強い光をカットし、眩しさやチラつきを軽減して目の負担を減らします。これにより、目の疲れや肩こり、頭痛の予防に役立つとされています。

【あると便利】在宅勤務に必要なもの

次に、あると便利な在宅勤務用アイテムをご紹介します。

タブレット端末

外出先や自宅のソファなどでちょっとした作業をする際には、タブレット端末があると便利です。ノートPCをバッグからわざわざ取り出したり、PCのある部屋へ移動したりする手間を省けます。在宅勤務中のサブPC代わりにもなります。

とはいえ、それなりの値段がしますし、スマホで代用できないこともないので、無理に買う必要はありません。

モバイルWi-Fi

モバイルWi-Fiは、外出先で作業を行う際に非常に便利なアイテムです。無料Wi-Fiが利用できる場所もありますが、時間に制限があることや、セキュリティ面で不安が残る場合があります。

モバイルWi-Fiがあれば、通信環境を気にせずどこでもインターネットに接続できるため、メールの送信やオンラインでの資料閲覧などがスムーズに行えます。

また、工事不要ですぐに利用を開始でき、引っ越しの際にも手間がかかりません。ただし、利用場所によっては通信速度の低下や利用制限が発生することがあるので注意が必要です。

モバイルバッテリー

電源が使える場所ではノートパソコンのバッテリーを気にせず作業できますが、アダプターを忘れることや、電源が確保できない場合もあります。

そんな時に便利なのがモバイルバッテリーです。長時間の使用には不向きですが、短時間の作業や急なバッテリー切れに対応できて安心です。ただし、ノートパソコンに対応していないタイプもあるため、事前の確認が必要です。

プリンターとスキャナ

在宅で紙の書類を多く扱う場合、プリンターやスキャナーの導入があると作業効率が大きく向上します。代用手段には、コンビニのネットプリントやスマホのスキャンアプリがあります。必要な時に必要なだけ使えるので、紙よりもデータ中心の場合はこれらでもOKでしょう。

ただし、

  • コンビニのコピー機にUSBメモリや印刷した紙を忘れる
  • スマホに残ったスキャンデータが誰でも見れる状態になっている

といったミスには気をつけてください。

在宅勤務ではセキュリティ対策も必要

社内の重要情報を自宅で扱うわけですから、個人のセキュリティ対策も必須です。

情報が外部へ漏れたり、作業用PCを知らない誰かに操作されたりといったことが起こると、会社もあなたも大きな被害を受けます。最悪の場合、訴訟に発展する可能性も考えられます。

自宅でできる対策例は以下の通りです。

  • 重要なデータやWebページにパスワードを設定する
  • Web会議用のURLは公開しない
  • データをプライベートなストレージに保存しない
  • OSや各種ソフトウェアを最新の状態に保つ
  • セキュリティの甘い公共Wi-Fiを使わない
  • VPNを利用する
  • データの取扱ルールを社内で策定し遵守する

可能な限りセキュリティリスクは低く抑えましょう。

在宅勤務に必要なスキル

オフィスとは異なる環境下で仕事をするためには、特有のスキルが求められます。パソコンを使った業務の基本操作やオンラインコミュニケーションの工夫はもちろん、自己管理力や時間の使い方も重要です。

コミュニケーションスキル

在宅勤務では、同じ空間で顔を合わせることがないため、コミュニケーションスキルの重要性がより高まります。業務を円滑に進めるためには、仕事の進捗や疑問点を共有し、相手の意図を正確に理解する力が求められます。

対面時以上に意識的なコミュニケーションが不可欠です。業務効率やチームワークの向上のためにも、積極的にスキルを磨きましょう。

在宅勤務では、同じ空間で顔を合わせることがないため、ちょっとした確認や相談も対面のようにはいきません。テキスト中心のやりとりが多く、相手の感情や意図が伝わりにくくなるだけでなく、情報の行き違いによって作業の遅れやミスが生じることもあります。

だからこそ、対面時以上に意識的なコミュニケーションが不可欠です。仕事の進捗や疑問点はこまめに共有し、伝える内容や言葉選びにも配慮するなど、積極的にスキルを磨きましょう。

自己管理能力

自己管理能力やタスク管理スキルも非常に重要です。

オフィスと違い、自宅では上司や同僚の目が届きにくいため、自分自身でスケジュールを立て、やるべき業務を計画的に進める力が求められます。作業リストやタスク管理ツールを活用して、担当業務を明確にし、進捗を可視化することで、効率的に仕事を進めることが可能です。

また、仕事とプライベートの境界をはっきりさせて、メリハリのある働き方を意識することも大切です。例えば、仕事をするスペースや時間を決めておくことで、集中して仕事に取り組みやすくなり、オン・オフの切り替えもスムーズになります。

こうした工夫が、在宅勤務でも生産性とプライベートの充実を両立させるポイントです。

準備OK!快適に働ける環境が整ったら

快適に働ける在宅環境が整ったら、いよいよ本格的に在宅勤務をスタートできます。

在宅勤務の仕事を探している方は、クラウドソーシングや求人サイト、在宅勤務専門のサービスを利用することで、自宅でできる多様な業種や職種から自分に合う仕事を見つけることが可能です。

理想的な在宅ワークを実現するために、是非以下の記事も参考にしてみてはいかがでしょうか。


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オンライン研修などの充実した制度もございますので、快適に在宅勤務を続けられます。働き方の柔軟さとチームとのつながりも大切にしているため、自分らしい新しい働き方にチャレンジしたい方に最適です。

まとめ

今回は、在宅勤務を快適に行うために必要なアイテムをご紹介しました。まずはご自身にあった基本的なアイテムを揃えるところから始めてみてください。その上で、実際に仕事を進める中で「もっと快適に働けそう」「これがあったら便利」と感じるものがあれば、徐々に追加していくのがおすすめです。

在宅勤務の環境づくりは一度で完璧にする必要はありません。自分の働きやすさにあわせて柔軟に整えていきましょう。