副業や兼業も含めると、日本国内には1,000万人以上のフリーランスがいるといわれる中、「フリーランスで経理の仕事を探している」という方は少なくありません。
従来はフリーランスといえば、エンジニアやデザイナー、ライターといったイメージでしたが、昨今では経理のような事務の需要も高まっています。
社内で人材を確保するのが難しくなっていること、コストの最適化を図り、経理の外注が増えているからです。そんなフリーランス経理について、本記事では求められるスキルやレベル、メリット・デメリット、おすすめ求人情報などを紹介します。
フリーランス(業務委託)でも経理になれる
そもそも「フリーランス」とは、雇用関係を持たずに独立した個人で業務を請け負う人のこと。大抵はクライアントと業務委託契約を結びます。フリーランスの経理も同様で、特定の会社の経理部に属さず、外部人材として業務を担当します。
フリーランス協会の調査によると、事務・バックオフィス系を主な収入源としているフリーランスの割合は、全体の4.85%。経理に限定すると少なくはなりますが、フリーランス経理は存在するわけです。
ちなみに、フリーランスで経理職に就く主な経路は、過去に雇用されていた会社やその取引先、人脈(知り合い)、マッチングサービスなどがあります。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 /フリーランス白書 2024
フリーランス経理の年収
フリーランスの年収は、200~400万円未満が26.8%・400~600万円未満が15.8%となっており、この区間が多数を占めます。
ただ、これは全職種の結果であり、まだ活用の少ないフリーランス経理に限ると、年収相場は下がると思われます。圧倒的なスキルや経験があれば別ですが、大半の方は会社員ほど稼げていないのです。
しかしながら「家事や育児と兼業でやるなら十分」のように、プラスに考える方もいらっしゃるでしょう。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 /フリーランス白書 2024
企業がフリーランス経理に求めるスキル・資格
企業がフリーランスへ期待するものとして、専⾨的なスキルや問題解決能力などがあります。それでは、フリーランス経理にとって、クライアントの要求を満たすスキルとレベルはどのくらいなのでしょうか。
参考:経済産業省/「雇用関係によらない働き方」 に関する研究会概要
経理スキル:日商簿記2級以上
経理スキルの目安になるのが日商簿記。国内で最もメジャーな経理の資格で、企業では一般的に2級以上が求められます。能力の客観的な証明になるため取得しておくべきでしょう。
ほかの資格だと、給与計算やBATICなどもおすすめです。
実務経験:3年以上
資格を持っているだけでは不十分で、実務経験も必要です。
記帳や請求書処理、経費精算といった日次・月次業務だけでなく、年末調整や決算のような年次業務までこなせなければなりません。経理の一通りの業務を習得できる年数が、最低3年ほどというわけですね。
イレギュラー発生時にも、経験があれば柔軟な対応ができます。
ITリテラシー
クライアントの重要情報を扱うことになるため、ITリテラシーは身につけておきましょう。
特にセキュリティ対策は重要です。データが外部に漏れたり、社内システムを不正に操作されたりといったことのないよう、細心の注意を払わなければなりません。
<対策の例>
・重要なデータやWebページにパスワードを設定する
・Web会議用のURLは公開しない
・データをプライベートなストレージに保存しない
・OSや各種ソフトウェアを最新の状態に保つ
・セキュリティの甘い公共Wi-Fiを使わない
・データの取扱についてのルールをクライアントと共有する
提案力・問題解決力
クライアントに対して提案や問題解決ができる能力も問われます。
<例>
・経理の目から見た新規事業への意見
・業務効率化のアイデア提案
・ムダな経費削減のアイデア提案
・キャッシュフローの可視化
税務相談などは税理士法違反になるため不可能ですが、経理目線でクライアントのビジネスをより成長させられる点があれば、どんどん伝えましょう。もちろん、そのための信頼関係構築も欠かせません。
営業力
会社の看板がないフリーランスは、案件を自力で獲得しなければなりません。営業力は必須で、スキルがあっても稼げない人はここに問題を抱えがちです。
クライアントのいる場所を探すのはもちろん、相手が経理に求めることを把握し、それに合った提案をする。人脈、エージェント、経理代行など、どの手段で案件を獲得するにせよ必要な力です。
フリーランス経理として働くメリット・デメリット
前章では、フリーランスに求められるスキルや資格について触れてきましたが、実務経験があそのる人や専門分野を勉強してきた人にとって大きな壁にはならないでしょう。
その一方、フリーランスとして働くには、後で戸惑うことがないようにメリットとデメリットを押さえておく必要もあります。
メリット4つ
フリーランスで経理業務を担うメリットは、大きく4つあります。
- ライフスタイルに合わせて働きやすい
- 自分の専門性を活かして働ける
- 仕事量を調節しやすい
- 価格交渉を行い、合理的な金額で仕事を請け負える
まず、オンライン業務で対応できるフリーランスの場合、出社せずに働けるので、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。例えば、子育てや介護中の人でも、自宅にいながら自分の専門を活かして仕事ができます。
また、フリーランスは業務ごとに請け負う契約が多いため、多忙なときは仕事量を減らすなど、調節もしやすくなります。更に、専門性が高い人ほど企業に求められているため、価格交渉して収入をアップすることも可能です。
デメリット2つ
フリーランス経理のデメリットは2つあります。
- 収入が安定しない
- 福利厚生がない
フリーランスとして避けられない部分として、企業に依頼されなければ仕事がなく、収入が安定しないことが挙げられます。また、フリーランスは企業に所属していないため、社員が使える福利厚生もありません。
しかし、時間や場所に融通をきかせて、柔軟に働けるフリーランスのメリットは大きいものです。フリーランス向けの福利厚生サービスや保険もあるので、気になる人は調べてみるとよいでしょう。
また、登録しておくことで定期的にお仕事ができる経理代行サービスもあります。続いて、フリーランス経理が案件を獲得する方法を見てみましょう。
フリーランスで経理になるおすすめの求人情報
フリーランス経理が案件を獲得するにはどうすれば良いのか?一例として、経理代行サービスを提供している企業の求人情報を紹介します。
フジ子さん
本ブログを運営する「フジ子さん」でも、クライアントの経理業務を行っていただける方を募集中です。
お仕事は完全在宅。研修が充実しているため、在宅勤務が初めての方や、前職から時間が経っている方でも安心です。また、チームを組んで案件にあたるので、お互いにフォローし合えます。
フジ子さんでは秘書や総務といったバックオフィス業務全般を代行しており、経理以外の幅広いスキルや経験を活かした働き方もできますよ。
興味のある方は以下のサイトをご覧ください。
メリービズ
経理代行の「メリービズ」では、全国のリモートワーカーを募集しています。
「家庭の仕事と兼業で働きたい」「副業フリーランスでやっていきたい」という方におすすめ。チームで業務を進めるので、リモートワークが初めてでも問題ありません。自分のライフスタイルに合わせて働けるのが魅力です。
Waris
「Waris」はフリーランス向けの求人・案件紹介サービスです。「女性フリーランスのためのマッチングサイト」と銘打たれていますが、男性も応募できますよ。
専任の担当者によるサポートやフリーランス向けの福利厚生が整っており、自分の望む働き方がしやすいのがポイント。クライアントは中小やベンチャーが中心です。人員の少ない企業が多いため、イレギュラーへの対応力なども試されます。
まとめ
今回はフリーランス経理について、収入や求められるスキル、求人情報などを紹介しました。
結局のところ、やっていけるかは完全にあなた次第。相応の能力なしには、わざわざフリーランスを企業が選ぶ理由はありません。自由な働き方というメリットばかりが目立つフリーランスですが、まずはこの点を念頭にきましょう。
はじめのうちは、サポートが充実した上記のような求人に応募するのがおすすめです。ぜひ参考にしてください。