昨今、人手不足や働き方改革によって、バックオフィス業務の効率化が求められています。
効率化のための一つの方法が「自動化」です。
バックオフィス業務を自動化することで、ヒューマンエラー防止、コスト削減、他の業務に専念できるなどメリットはたくさんあります。
- バックオフィス業務を自動化したいけど、どうやって導入したらよいか分からない
- 自動化システムを導入したいけど、効果が出ず、コストが無駄になったら困る
上記のようなお悩みをお持ちの方へ、バックオフィス業務を自動化する方法や、効率化の課題、成功のポイントについて解説します。
目次
バックオフィス業務とは
バックオフィス業務とは、社内向けの業務のことです。
部署でいうと、人事・労務、経理、総務などの業務がバックオフィス業務に当てはまります。
具体的な業務内容は、人事評価、労務手続き、会計処理、給与計算などです。
バックオフィス業務は定期的に繰り返し行う業務も多く、その中には自動化ができる業務もあります。
下記のような業務は便利なツールもあり、自動化がしやすい業務です。
■人事・労務
- 人事評価
- 採用管理
■経理
- 経費精算
- 帳票処理
- 請求書の作成・管理
- 勤怠管理
- 給与管理
■総務
- 問い合わせ対応
- 備品管理
バックオフィスについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
ぜひ、ご覧ください。
【関連記事】
バックオフィスとは何?業務一覧や重要性、業務改善方法などを解説
バックオフィスが抱えやすい問題点
バックオフィスが抱えやすい問題点について解説します。
人手不足の問題が起こりやすい
バックオフィスの業務は人手不足が起こりやすい傾向にあります。主な理由としては、以下の通りです。
- 直接的な利益が出ない業務のため、予算や人員が配分されない
- 小規模な企業の場合、通常業務とバックオフィス業務を兼任することがある
- 繁忙期と閑散期の業務量に差があるため雇いにくい
- 働き方改革により残業が難しくなった
近年影響が大きいのが、働き方改革によって、長時間労働が難しくなったことです。働き方改革によって労働基準法が改正されたことで、残業時間の上限は、原則月45時間、年間で360時間以内に制限されました。1日でいうと2時間程度の残業しかできません。
繫忙期などで1日2時間程度の残業では足りない場合、人材を増やすことを検討する必要があります。
業務の属人化が進みやすい
バックオフィスが抱えやすい問題点の一つは、業務の属人化が進みやすいことです。属人化とはある業務において、特定の担当者しか対応できない状態のことです。
属人化が進んでしまうと、担当者の突発的な休暇や退職に対応できず、作業漏れや書類の保存場所が分からないなど、業務に影響がでてしまいます。
また、経理の担当者が少数の場合、書類の改ざんなどの不正が行われるリスクが上がることも考えなければいけません。属人化が起こる原因は、マニュアル整備や人材育成の時間が取れないことが考えられます。1つの業務につき、最低でも2人以上は対応できるような準備が必要です。
しかし、人手不足の問題や業務の膨大さから、十分な時間を割けず、体制を整えるのは簡単ではありません。
時間がかかる業務が多い
時間がかかる業務が多いことも、バックオフィスが抱えやすい問題点の一つです。書類を紙で管理している企業も多く、アナログ作業が発生してしまうことが時間がかかる大きな原因です。
書類を紙で管理する場合は、修正が発生したら再印刷、管理する場所の確保、書類を探す際に時間がかかるなど問題点がいくつもあります。
また、バックオフィス業務が部門ごとに分かれていない場合、経費精算や問い合わせ対応など、業務の範囲が広くなる傾向にあります。具体的には問い合わせ対応に追われ、経費精算業務が進まないなどの問題が起こります。
バックオフィスを自動化するメリット
バックオフィスで抱える問題点を解決する方法として、効果的なのがバックオフィスの自動化です。ここでは、自動化するメリットについて解説します。
ヒューマンエラーや不正を防止できる
バックオフィスを自動化することで、ヒューマンエラーや不正を防止できます。バックオフィス業務は、繰り返しの作業やデータ入力などミスが起こりやすい業務が多くあります。
どんなに経験や知識を持った人でも、手作業で行う業務はヒューマンエラーが起こってしまう可能性は0ではありません。
ヒューマンエラーを防ぐ対策として、業務を自動化することが有効な手段です。
また、業務を自動化することによって、不正も防止できます。システム導入などで書類にアクセス制限をつけたり、編集制限をつけたりすることで書類の改ざんリスクも減らせるでしょう。
生産性が上がる
バックオフィスを自動化するメリットとして、生産性が上がることも挙げられます。繰り返し行う業務や規則性がある業務を自動化することで、他の業務に時間を使うことが可能です。
サッポロビール株式会社はRPAを導入することによって、下記の作業の自動化に成功しました。
導入前はPOSデータのダウンロード作業に、1日5~7時間程度かかっていました。導入後はダウンロード作業が全て自動で行われるため、1日5~7時間程度の時間が削減できました。
参考:RPA導入事例 サッポロビール株式会社様-ユーザックシステム
成功事例のように、業務の自動化で生まれた時間を別の作業に使えるため、生産性が上がります。
コスト削減につながる
バックオフィスを自動化するメリットとして、コストの削減も挙げられます。人が作業していた定例業務や繰り返し行う作業などを自動化することで、人件費の削減が見込めます。
1日1時間の定例業務を自動化すると、月に20~23時間ほど削減できます。人件費が時給1,000円と仮定すると、年間で240,000~276,000円のコスト削減になります。
自動化のシステムを導入する際は、システム導入の費用と削減できるコストを計算しておくことが重要です。
人件費の削減方法については、下記の記事でも詳しく解説しています。
ぜひ、ご覧ください。
【関連記事】
人件費削減に効果的な方法とは?人手不足を避けつつ安全にコスト削減を!
コア業務に集中できる
バックオフィスを自動化するメリットとして、コア業務に集中できることも挙げられます。
コア業務とは収益や業績の向上などの利益に直結する業務のことです。企画、商談、販売、顧客対応などがコア業務にあたります。
また、直接的な利益を生み出さない業務はノンコア業務と呼ばれます。ノンコア業務は経理事務、書類作成、勤怠管理などバックオフィス業務に該当するものも多いです。
ノンコア業務を自動化することによって、コア業務にリソースを割くことが可能です。中小企業の場合、営業担当者がコア業務とバックオフィスを兼任することもあるため、バックオフィスの手作業する業務が削減できれば、大幅な負担の減少が期待できます。
なぜバックオフィスの自動化は進めにくいのか
バックオフィスの重要性は認識しているがなかなか自動化に取り組めない、取り組んだが思うような成果が出ないなど困るケースがあります。そこで、なぜバックオフィスの自動化は進めにくいのか解説します。
複雑な業務は自動化しにくい
バックオフィスの自動化が進めにくい原因として、複雑な業務は自動化しにくいことが挙げられます。
反復作業や定期的に行う作業は自動化がしやすいですが、業務フローが複雑な業務や、状況に応じた対応が必要な業務は自動化が難しいです。
複雑な業務を自動化しようとすると、複雑なシステムを開発する必要があり、余計にコストがかかってしまいます。
やり方を変えることに不安がある
バックオフィスの自動化が進めにくい原因として、やり方を変えることに不安があることも挙げられます。
特にパソコン業務に慣れていない人は、操作に不安を感じることも考えられます。
自動化を進める際には、操作マニュアルの作成や説明会を開くなどの事前準備をしっかり行うことが大切です。
従業員の主体的な関わりが必要になる
バックオフィスの自動化が進めにくい原因として、従業員の主体的な関わりが必要なことも挙げられます。
自動化システムは従業員に主体的に使用してもらわなければ、効率化につながりません。しかし、ただ導入するだけでは従業員が使いこなせず、コストが無駄になってしまうケースもあります。
自動化にする目的と自動化にする範囲を伝え、最大限に活用できるように準備しましょう。
バックオフィス業務の自動化方法の具体例
バックオフィス業務の自動化方法の具体例について解説します。
RPAやOCRの活用
バックオフィス業務の自動化方法の具体例として、RPAやOCRの活用があります。RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、ロボットに業務を自動化させることです。
RPAは人が行うマウス操作やキーボード入力などの操作を記録させることで、同じ操作を正確に実行できます。具体的には、転記作業や請求書の作成、価格調査など様々な業務を自動化させることが可能です。
OCRは「Optical Character Reader(またはRecognition)」の略称で、画像データの文字を認識し、文字データへ変換する技術のことです。
紙の書類をデータ化することで、保管場所が必要なくなったり、すぐに必要な書類を探し出せたりといったメリットがあります。また、データの再利用ができるため、書類作成の時間短縮にもなります。
クラウドサービスの活用
バックオフィス業務の自動化方法の具体例として、クラウドサービスの活用があります。クラウドサービスはアプリケーションやソフトウェアを、インターネット上でいつでも利用できるサービスです。
クラウドサービスを活用すれば、時間や場所の制約を受けずにデータへアクセスし、オンライン上で事務作業ができます。
また、クラウドサービスではデータがサーバー上で一元管理されています。そのため、複数人での同時利用や最新データの確認などもできるうえ、インターネットにつながる環境であれば、どこでも作業することが可能です。
APIツールの導入
APIとは「Application Programming Interface」の略称で、ソフトウェアやプログラムを連携させる仕組みです。各業務によって別々のソフトウェアを使用することは多々ありますが、その際にAPIが役に立ちます。
例えば、勤怠管理と給与計算のソフトが違う場合、勤怠管理表をダウンロードして給与計算ソフトへ手入力する作業が発生します。このソフトウェア間でデータを転記する作業をAPI連携することで、自動化が可能です。
社内で利用しているシステムが他のツールとAPI連携できないか、相談してみましょう。
アウトソーシング
アウトソーシングとは、社内の業務を一部外部に発注することです。経理処理やコールセンター業務、採用管理など、アウトソーシングで対応できるバックオフィス業務も多くあります。
アウトソーシングでは専門知識を持ったスタッフが用意されているため、安心して業務を任せることができます。社内にバックオフィス業務を行う十分なリソースがない場合にアウトソーシングは有効な手段です。
アウトソーシングについては、下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
関連記事:アウトソーシングとは?メリット・デメリットや契約先の選び方【わかりやすく解説】
バックオフィス業務を自動化・効率化させるためのポイント
バックオフィス業務を自動化・効率化させるためのポイントについて解説します。
目的・予算にあったツールを選ぶ
バックオフィスを自動化する際、何を達成したいのか目的をはっきりさせておくことが重要です。例えば、書類管理には以下のような作業工程があります。
- メールで書類を受信する、または社内で書類を作成する
- 書類を各フォルダへ格納する
- 責任者に確認してもらう
- 経理などの関連ツールへアップロードする
実際に作業している従業員にヒアリングし、上記のどの部分を自動化するのか、どれぐらい作業時間を削減したいのかをはっきりさせましょう。
作業時間の削減ばかりに視点が行きがちですが、ミスをしやすい作業を自動化することも費用対効果があるといえます。
また、ツールを導入することで得られる利益を考慮して、予算を決めることも重要です。コストが高い割に、たいした改善がみられないなどの失敗がないように事前のすり合わせを行いましょう。
運用体制を整備する
自動化のシステムを導入する前に運用の責任者を決めておく、マニュアルを整備するなど、体制を整えておくことが大切です。
バックオフィス業務を自動化・効率化させる際に運用体制が整っていないと、従業員に浸透しない、使いこなせないなど問題が起こる場合があります。
本格的に運用する前には、操作説明会や操作練習ができるデモ機などを用意し、教育の機会を設けることをおすすめします。
効果測定と見直しをする
バックオフィス業務の自動化システムを導入後に、定期的に効果測定と見直しをすることも重要なポイントです。
システムを導入したことに満足して効果測定を行わないと、実は効果がほぼ出ておらず、コストだけかかっていたという状態でも気づくことができません。
想定よりも業務の効率化ができていない場合は、原因を追求し、システムや運用の見直しを行いましょう。
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- 業務を効率化したいが、何からしたらいいかわからない
- バックオフィス業務の自動化のためツールを導入したいが知識のある担当者がいない
- 月ごとに作業量が変わるので、人が雇えない
- 経理、採用、リサーチなどの業務も頼みたい
- バックオフィス業務のコストを下げたい
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経理 | 秘書/総務 | 人事 | Webサイト運用 |
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まとめ
今回はバックオフィス業務の自動化について、効率化の課題や成功のポイントについて解説しました。バックオフィスを自動化することによって、人手不足の解消やコア業務へリソースを割けるなどが期待できます。
バックオフィスの自動化の方法は様々あるので、自社にあったものを探してみてください。従業員だけではリソースが足りない、複雑な業務が多くどのように自動化を進めればいいか分からない場合は、オンラインアシスタント「フジ子さん」をおすすめします。
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