正社員を雇う費用!社員一人にかかる費用ってどれくらい?

  • 会社が軌道に乗ってきたので、社員を増やしたい。
  • しかしひとを一人雇うのにどのくらいの費用がかかるのかわからない。
  • 正社員を雇う以外に人手不足を解消できる方法はないだろうか…。

こういったことを考えたことはありませんか?

会社を存続し、大きくしていくうえで、どうしても避けて通れないのが社員の増員です。
自分で作った会社にひとを雇い入れることに対し、会社が成長したと喜びを感じる方は多いでしょう。

しかし一方で、ひとを雇い入れることに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

実際にどんなひとを雇い入れるかは、面接などでそのひととの相性や実績を見ることが出来ますが、誰を雇い入れたとしてもかかってしまうのはけっこうな費用。

一説では、一人分のお給料の1.5倍から3倍も費用がかかってしまうという話もあります。

本記事では、本当にそれほどの費用がかかるのか、またなぜそんなにも費用がかかるのか、費用を抑える方法はないのか。

また、そんなに費用はかけられない、しかしそれでも増員は必要という場合に、正社員を雇う以外の方法はどんなものがあるのかを解説していきます。

正社員を雇う前にご一読いただき、参考にしていただけると幸いです。

正社員を雇う費用の内訳


まず、正社員を雇うときの費用について説明いたします。大きく分けると以下のようになります。

初期費用(イニシャルコスト)

採用費

おもに求人雑誌や求人サイトへの掲載費用です。掲載する雑誌やサイトによっては、成功報酬を払わなければならない場合もあります。

教育費

新人さんを一人前にするための研修費です。研修に使う場所代や、資料代、場合によっては講師代がかかります。

準備費

新人さん用のデスクやパソコン、電話機、制服、名札など会社が新しく用意する備品にかかる費用です。

維持費用(ランニングコスト)

毎月の基本給

説明するまでもなく、毎月社員に支払うお金です。この基本給に、下記の費用をプラスしたり保険料を引いたりした金額を払っていく形になります。

残業代

社員が残業した場合、残業代を支払わなければなりません。残業代の割増率は状況によっていくつかありますが、例えば労働時間が8時間を超えた場合は基本給を時給換算して、その時給に25%増しで支払うことになります。

福利厚生費

住宅手当や交通費など、基本給以外に支払うお金です。ほかにも医療費など、「従業員の生活向上や労働環境改善のため」であれば適用になります。

社会保険料

「労災保険」「雇用保険」「厚生年金」「健康保険」の4つをまとめて社会保険といいます。それぞれの保険料は労働者と事業者とで分担して負担することになっています。また、これ以外にも「介護保険」がありますが、こちらは40歳になってからの加入になります。

月収20万円の正社員を雇う費用

ひとを雇い入れるときに必要なイニシャルコストに加え、毎月発生するランニングコストはけっこうな金額になります。トータルでいくらになるのでしょうか。

上記のランニングコスト以外にも、ボーナスや退職金の積み立ても必要ですし、水道光熱費や、営業用の車がある場合はその維持費もかかってきます。

社員が残業すれば、残業代も支払わなくてはなりませんし、社員旅行があるならその積み立ても必要です。ペンや紙、プリンターのインクなどの細かい備品や消耗品も、社員が増えればその分必要になってきます。

例として、月収20万円(基本給18万円、交通費1万円、住宅手当1万円)のひとを東京で一人雇い入れた場合、一年間にいくら必要になるのか計算をしてみましょう。職種は小売業とします。

社員への総支給額

まず、毎月のお給料が
20万円×12ヶ月=240万円
ボーナスが年に2回、2ヶ月分ずつ合計4ヶ月分だとして
20万円×4ヶ月=80万円
トータルで320万円となります。

社会保険料の支払い

社会保険料には健康保険料と厚生年金保険料があります。保険料は会社と社員の折半になっており、それぞれ計算が必要になります。以下は2019年度の場合で計算しています。

健康保険料

月収20万円の場合の折半額は9,900円になります。
9,900×12ヶ月で118,800円となります。

厚生年金保険料

月収20万円の場合の折半額は18,300円になります。
18,300×12ヶ月で219,600円になります。

つまり、社会保険料は合計で338,400円となります。

労働保険料の支払い

労働保険には労災保険と雇用保険がありますので、それぞれ計算します。こちらは毎月ではなく年度当初に支払い、翌年度の当初に確定申告の上で精算することになっています。

労災保険料

労働保険料の計算方法は、賃金総額×労災保険料率となっています。業種によって率が変わりますが、モデルケースでは小売業にしていますので、計算式は
320万円×3.5/1,000で11,200円となります。

雇用保険料

雇用保険も事業の種類によって異なりますが、モデルケースでは「一般の事業」に該当しますので、事業者負担率は6/1,000になります。計算式は
320万円×6/1,000で19,200円となります。

つまり、労働保険料は合計で30,400となります。

トータルの負担額

今回のモデルケースの場合、最低でも
320万円+338,400円+30,400円で3,568,800が年間に必要となります。
最低でも、と書いたのは、これ以外にも退職金の積み立てや残業代、必要な備品にも経費がかかるからです。

正社員を雇う際の費用を抑える方法

給与の見直しをする

毎年決まった額の昇給をするよりも、能力や実績に応じて昇給していくほうが適切なお給料を払えますし、がんばった分だけ認められると思うと社員のモチベーションも上がります。

残業時間を管理する

社員が残業すると残業手当を支払わなければなりません。この残業代が無くなるだけでも、会社にとって大きな負担減となります。ただ漫然と残業するのをよしとせず、就業時間内に仕事が終わるように指導・調整していくことが大切です。
残業代は割増で支払わなければなりません。割増率は以下の表を参考にしてください。なお、下記の割増率は基本給を時給に直した額にかけていくことになります。

労働の種類 割増率
時間外労働(法定労働時間を超えた場合) 25%割増
時間外労働(1ヶ月60時間を超えた場合) 50%割増
※適用猶予の場合有
※代替休暇取得の場合は25%の割増無
深夜労働 25%割増
(午後10時から午前5時までに労働した場合)
休日労働(法定休日に労働した場合) 35%割増
時間外労働(法定労働時間を超えた場合)+深夜労働 50%割増
時間外労働(1ヶ月60時間を超えた場合)+深夜労働 75%割増
休日労働+深夜労働 60%割増

コスト意識を高める

多くの会社では、会社全体の経費を把握しているのは、代表を除くと経理課の社員しかいないのではないでしょうか。
そこを、ほかの社員にも情報を共有することで一人一人にコスト意識を持ってもらうのです。ここにいくらかかっている、これをするにはいくらかかる、という意識があれば、無駄遣いが少しでも減っていくはずです。

正社員を雇う費用を抑えること以外でおすすめの方法

人手不足は解消したいけれど、正社員を雇う経済的余裕がない、という場合の解決策をいくつか紹介します。

オンラインアシスタントを使う


オンラインアシスタントとは、その名の通りオンラインで自社のアシスタントをしてくれるサービスです。

経理業務、総務業務、webデザインなど、オンラインで出来る仕事はほぼすべて任せることが出来ますし、ごく限られた地域になりますが、サービスを提供している企業によっては、出社もしてくれます。

派遣社員と同じく社会保険はサービスを提供する会社が加入しますので、社会保険料もかかりません。

また、オンラインアシスタントは最初から高いスキルを持ったワーカーさんに頼むことが出来るので、初期費用にあたる研修費用もかかりません。

自社に出勤するわけではないので、新しくデスクやパソコン、制服や名札なども用意する必要がありません。

バックオフィス作業を任せたい、しかし新しく正社員を雇う余裕がないという場合は、オンラインアシスタントを検討することをお勧めします。サービスを提供する会社にもよりますが、コストはだいぶ抑えられます。

特にフジア株式会社が提供するサービス・フジ子さんは、安さと継続率に定評があります。

月6.27万円から始められ、一年以上の継続率は90%を超えています。※2023/11/1より新価格。

また、必要な時に必要な分だけ頼めるという点も、オンラインアシスタントを利用する際の大きな利点となります。

web開発やSEO対策に強かったり個人事業主向けだったりと、それぞれのオンラインアシスタントサービスに特徴がありますので、よく調べて自社に合う企業を探すことが大切です。

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フジ子さんはこちらから

オンラインアシスタントとは?料金相場やメリット、デメリット【事例プレゼント中】

助成金を活用する

厚生労働省は、事業主の方のための雇用関係助成金をたくさん提供しています。厚生労働省のホームページを確認し、各都道府県の労働局やハローワークに相談してみましょう。使える助成金がきっと見つかるはずです。

パート、アルバイトを雇う

従業員にもいくつかの種類があります。正社員、準社員、契約社員、派遣社員、バイト・パートなどです。

正社員に比べれば、バイト・パートの方がかかるコストは小さくなります。労災保険、雇用保険はバイト・パートでも条件によって適用されることが多いですが、厚生年金・健康保険の場合は「常時的な使用関係」にない場合、加入義務はありません。

「常時的な使用関係」というのは、以下の両方の条件に当てはまった場合です。

  • 1日もしくは1週間の労働時間が正社員の4分の3以上である
  • 1ヶ月の労働日数が正社員の4分の3以上である

つまり、これ以下の労働時間・日数のバイト・パートならば、正社員に比べて社会保険料分のコストを大幅に削減できるということです。

アルバイトを雇う費用を項目別に解説!労働力を補う他の方法は?

派遣社員を雇う

派遣会社を通して社員を雇うことで、コストの削減が出来ます。

社会保険料は派遣会社が加入して払うので、自社で払うのは時給のみになります。

派遣社員は一般的に交通費込みの時給を支払うので、時給が多少高くなったとしても、正社員を雇うよりはコストはかかりません。

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派遣社員にさせてはいけないこと

まとめ

ここまで、正社員を雇う費用と、雇えない場合の解決策を提示してまいりました。

正社員を雇うには初期費用はもちろん維持費用がかなりかかるということがご理解いただけたと思います。

人手不足は解消したい、しかし金銭的にも時間的にも余裕がないという場合は、助成金を利用したりオンラインアシスタントを利用したりして、上手にコストを削減していきましょう。