「雑務」とは?やる意味と雑務ばかりの時の対処法

雑務、と言うとどういったイメージを思い浮かべますか?
多くの方は

「自分じゃなくても誰にでもできることじゃないの?」
「小さな仕事でつまんない」
「とりあえず新人にやらせておこう」
「雑務をするために会社に入ったわけじゃないのに」
「なんで自分ばっかり頼まれるんだろう」

と思っているかもしれません。

一方で

「雑務、大好き!」
「どう片付けていくのか考えるのが楽しい」
「自分は雑務のプロだ」
「雑務とは、会社の支柱!」

という方もいるでしょう。

国語辞典では、雑務とは「こまごまとしたいろいろの用務」とあります。
これではちょっとざっくりしていますね。

本記事では、ビジネスにおける雑務とはなにか、その重要性や意味を解説していきます。部下として、また上司としての立場から雑務をどう考えるべきか、どう取り組んでいくべきかという点もあわせてチェックしていきましょう。
雑務という立派な仕事について正しい知識を持ち、ぜひ会社で役に立ててください。

雑務とは?意味、定義について

まずは、ビジネスにおける雑務とはなにかということを解説していきます。

雑務とは先ほどもご紹介してましたが、「こまごまとしたいろいろの用務」のことです。

会社によって多少の差異はありますが、

掃除(ゴミ捨て)
買い出し
書類管理(ファイリングやコピー業務、不要書類のシュレッダー)
会議室の準備
来客対応・お茶出し
消耗品の補充
etc

などが挙げられます。

どれも一つ一つは小さい仕事で、直接会社の売り上げとは関係なさそうに見えるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
例えば、
「この書類を選別して、ファイリングして、不要なものはシュレッダーにかけておいて」
と莫大な量の書類をポンと渡されたとします。
人によっては「押し付けられた…! なんで自分が?」と思うかもしれません。しかし、これをいかに手早く、しかも美しく片付けるかによって、営業さんが次におこなうパフォーマンスの精度が変わってきます。
『必要な時に必要な書類をぱっととり出せるように』整理整頓するのです。
すると、次にその書類が必要になったとき、営業さんはすごく仕事がやりやすくなります。こういったサポートがある状態で営業した結果が会社の利益になれば、それはファイリングした人のおかげでもあるのです。つまり、会社の売り上げに貢献していることになります。
同時に、不要な書類をシュレッダーにかけるのも大切なことです。そこに記載されている個人情報や機密事項が出回ってしまったら、会社の信用問題に関わります。一度失った信用を再び取り戻すのは容易なことではありません。最悪の場合、会社の存続にも関わることになってしまいます
掃除や植物への水やりも同じです。誰も、枯れた植物がそのままになっていたり、ゴミや郵便物が溜まっていたりするオフィスで仕事をしたくはありませんよね。
清潔で空気もおいしく、植物も生き生きしているようなオフィスだと、そうではないオフィスに比べてやる気が起きると思いませんか?
郵便物を溜めておくと大切なお知らせを取りこぼす危険がありますし、消耗品の補充も、なくてはならないものです。会社全体のモチベーションを保ち、スムーズに仕事をするために、『ボールペン一つ』『消しゴム一つ』であっても切らしてはならないのです。
一つ一つは小さなことかもしれませんが、雑務をするひとがいなくなったら、きっと会社は立ち行かなくなってしまいます。
雑務とは、まさに縁の下の力持ちということですね。

雑務に関わる2タイプの担当者

雑務をしている方には、大きく分けて2タイプいます。
一つは、「雑務は任せて! どんどん自分に仕事をまわしてください!」というタイプ。
もう一つは、「自分は雑務をするために会社に入ったんじゃないのに…」というタイプ。
全体的には、後者のほうが多いかもしれませんね。新人さんには特に多いでしょう。そう考えるのも無理はありません。雑務をするためだけに会社に入る人はそうはいません。
雑務は確かに、一見すると誰にでもできるような仕事が多いです。自分にしかできない、会社の売り上げに直接貢献できる仕事がやりたいという気持ちはよくわかります。
しかし「誰でもできる仕事」だからと言って、「誰がやっても同じ結果」になるわけではありません。前者と後者では、仕事の丁寧さが違い、結果も違ってくるのです。
丁寧に仕事をする人には、後々重要な仕事を任されるようになります。雑務に取り組む姿勢は、そのまま重要な仕事に取り組む姿勢につながっているからです。

しかし、そもそもなぜ、雑務を振られるのでしょうか。

雑務を振る立場の上司

まずは上司の立場として考えてみましょう。
上司としては、コア業務に集中するために面倒な事務作業を一気にまとめて依頼してしまいたいという気持ちがあります。
同時に、部下に早く仕事を覚えてもらい、早く戦力になって欲しいという思いもあるでしょう。そのために、どういった業務があるか、どういった流れで売り上げにつながるかを知ってもらう必要があります。
雑務は、いろんな部署からさまざまなことを頼まれます。
そうすると、雑務をこなしているうちにだんだんと業務の流れが理解できます。どの部署がどういう仕事をしているのか、どことどこがどう関わっているのかも理解できます。結果的に、会社全体の流れが把握できるようになります。これはとても大切なことです。
また、新人のうちは、当然ながら会社への貢献度がとても低いです。そんな新人にとって会社に貢献できる仕事が、誰でもできる雑務なのです。その雑務に真剣に取り組んでいるかどうかで、その新人の質を見極められます。

上司としては、どんな雑務にも真剣に取り組んでいる部下に好感を抱くものです。

雑務を振られる立場の部下

では、部下の立場ではどうでしょう。
上司から雑務を頼まれると、
「押し付けられた」
「なんで自分ばかり」
「こんなことをするために会社に入ったわけじゃないのに」
と思うかもしれません。

そんな風に思うのも仕方がないでしょう。仕事に対するやる気があればあるほど納得できないものですよね。また、一気に依頼されたらどこから着手していいのかわからないし、優先順位やルールを明確にしてから依頼してほしいとも思うでしょう。
ただ、少し考えてみませんか?
上司だって、仕事のまったくできない部下に雑務を押し付けたりはしません。雑務を押し付けた結果、業務の流れに支障が出るようなら、次からは雑務すら頼まれないはずです。

つまり、次々と雑務を頼まれるということは、期待されているということになるのです。どういう順序で片付けていくかを考えるのも(もちろん確認は必要ですが)、大切な修行です。
頼まれた雑務を整然と的確にこなしていけば、次に別の仕事を担当することになった際に必ず経験が役に立ちます。

上司はどう考えて「雑務」を依頼するべきなのか

上司の立場からして、部下に雑務を依頼するはよくあることです。しかし、雑務はただ申し付ければいいというわけではありません。雑務を頼む側にも、気をつけなければならないことはあります。

必要な仕事であることを理解してもらう

雑務を頼むときに、ただ「やっておいて」と言うのではなく、「なぜ」やってもらわなければならないのかを説明することが大切です。この説明をするのとしないのとでは、その雑務に対する部下の姿勢が変わり、結果的に仕上がりが変わってきます。
「なぜ」必要なのか、「どこで」必要なのか、「いつまでに」必要なのか、きちんと説明しましょう。必要な仕事なのだとわかってもらえれば、部下も一生懸命雑務をしてくれるでしょう。

お礼を言う

雑務であっても一つの大切な仕事です。部下に依頼して、仕事が仕上がってきたときには、お礼をちゃんと言いましょう。
親しきなかにも礼儀ありと言うように、どんな小さな仕事でもお礼を伝えることはとても大切です。それがたとえゴミ捨て一つであってもです。
お礼を言うことによって部下のモチベーションも変わってきますし、次の雑務も気持ちよく引き受けてくれるようになります。
「部下なんだから雑務はやって当たり前」ではありません。ありがとうの一言が、部下のやる気を左右し、会社の空気まで良くします。
「できる」上司は、部下よりも先に挨拶をするものです。

ただ押し付けるだけでは部下は育たない

雑務をただ押し付けるだけでは、部下は育ちません。心の中で「これは部下を育てるためだから」と思っていても、それが伝わらなければ意味がないのです。
押し付けるのではなく、きちんと『依頼』しましょう。言い方一つで依頼するほうもされるほうも気持ちが変わってきます。
また、雑務は必要なときに必要な分だけ頼むようにしましょう。思い付きで「これやっておいて」「調べておいて」「作っておいて」というのはNGです。指示をもらってせっかくおこなった仕事を、やっぱりいらなかったと言われたら誰でもがっかりします。

部下がどう考えて「雑務」に取り組むべきなのか

次に、部下として雑務にどう取り組むべきかを解説していきます。

たかが雑務、されど雑務です。

自分が行う雑務のできあがりによって会社全体の仕事の質が変わってくると思うと、力の入れ方や取り組み方が変わってきますよ。

社会人の基礎を身につける

雑務に真剣に取り組んでいると、社会人としての基礎・ビジネスマナーが身につきます。
時間厳守や整理整頓、来客応対時の姿勢などです。
「〇時までに」片付けておいてと言われれば、それを守るのは社会人として基礎中の基礎ですし、書類をきちんと整理するのは自分のためだけではなく他の社員のためにもなります。
また、会社への来訪者に対応するとき、手際よく応接室に案内し、お茶を笑顔でスムーズに出すだけでも、来訪者に好印象を与えることができます。それが大切な取引先の場合、商談がうまくいくための第一歩にもなるのです。
「案内してくれた人、感じがいいね」と言われれば、実際に商談する営業さんにも感謝されますよ。

雑務を軽く考えない

雑務全体を、小さい仕事だと軽く考えないようにしましょう。それらは会社に絶対的に必要な業務です。自分なりに工夫し、どうすれば効率よく合理的に、かつ美しく片付くかを常に考えてください。
例えば、書類のコピーとファイリングを頼まれたとします。
失敗しないように無駄なくコピーし、ファイリングをしなければなりません。その時、どのような順番で閉じるか、そこにインデックスをどうつけるか、ファイルにはどのような名前をつけるかなど、考えるべきことはたくさんあります。
それらを完璧に仕上げ、誰が見てもわかりやすいファイリングをしたなら、きっと会社からの信頼を得ることができます。会社で信頼を得ることは、実はなかなか難しいことです。
それでも信頼を得られたら、それは会社において自分の居場所を確保するための大切なカギを得たことになります。

自分のためになるという認識を持つ

雑務を『つまらない、面白くない』と感じている人は多いでしょう。しかし、どんな雑務であってもそれは自分のためになります。自分の仕事じゃないと思わず、まずは引き受けてみましょう。
確かに、植物の水やりは誰にでもできます。しかし、植物は水やりをする人間に応えるものです。自分の水やりのおかげできれいな状態を保持していると思うと、ちょっと誇らしくなってきませんか?
また、いろんな部署のいろんな雑務を真剣にこなしていると、その部署の業務の流れが解るようになります。上述の通り、業務の流れが解るようになると、会社全体のことを理解できるようになります。仕事も勉強も、理解できるようになると面白く感じますよね。
いろんな部署の人と顔見知りになり、円滑な人間関係を築くことで、その後の仕事がやりやすくなります。「この人は雑務一つでもこんなに丁寧にしてくれる」と信頼されていれば、いずれ重要な仕事も任せてもらえるようになるでしょう。

まとめ

会社に入社してすぐは雑務を申し付けられることが多いでしょう。入社して、「これからばりばり働いて会社の売り上げに貢献するぞ」と思っている人は、ちょっとがっかりするかもしれません。
しかし、「自分は雑務をするために来たわけじゃない」と思わず、任された雑務をきっちり正確にこなすことは、必ずステップアップにつながり、のちの重要な仕事のベースとなります。つまり、会社の売り上げにも大きく貢献できるようになるのです。
まずはどんな仕事でもやってみましょう。
張り切って雑務を片付けて、そこにやりがいと楽しさを見出してください。そして会社からの信頼を得て、売り上げにつなげていきましょう。