事務職とは?定義や種類、仕事内容、必要なスキルなどを解説

事務職について漠然としたイメージは持っていても、事務職の定義や各部署での仕事内容まで知らない方は多いのではないでしょうか。

簡単にいうと、事務職とは他社員のサポートをする仕事です。一口に事務職といっても、所属部署によって仕事内容は異なります。

そこで今回は、事務職に興味を持っている方に向けて、事務職の定義、種類、仕事内容、必要なスキルについて解説します。

本記事を読めば、事務職の仕事内容や必要なスキルを理解できて、事務職としての働き方を具体的にイメージできるようになりますよ。

事務職とは?

事務職とは、資料作成や備品管理、電話対応、データ入力など他社員のサポートをする仕事。

配属部署によって仕事内容はさまざまなので、一言で表現するのは難しいですが、皆をサポートする「縁の下の力持ち」のようなイメージです。

事務職の種類と仕事内容

ここでは、8種類の事務職の種類・仕事内容を紹介しますね。

一般事務

一般事務は、社内のサポートをする仕事。「事務職」=「一般事務」と解釈されることも多く、書類作成やデータ入力、電話対応などを担う職種です。

一般事務の主な仕事内容は以下の通りです。

・書類作成
・電話・メール対応
・来客対応
・データ入力
・ファイリング
・郵便物の仕分け・発送
・備品管理

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経理事務

経理事務は、会社のお金を記録・管理する仕事です。

具体的な経理事務の仕事内容は、次の通りです。

・伝票整理
・現金・物品の出納管理
・売掛金・買掛金の管理
・給与計算
・給与支払い
・仕訳入力
・請求書の発行
・社会保険料の納付
・経費処理
・月次・年次決算

また、経理事務を目指すのであれば、簿記の資格を身につけるのがおすすめです。応募条件として挙げている企業が多いため、取得できれば就職に有利になります。

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人事・労務事務

人事・労務事務は、書類作成などの事務作業を通して、採用や情報管理をサポートする仕事です。

具体的な仕事内容は、以下の通りです。

・入社・退社手続き
・給与計算
・給与支払い
・勤怠情報管理
・個人情報管理

会社によって、給与計算・給与支払いなどの業務は、経理が担うこともあります。また、人事労務を兼任している会社と分かれている会社があります。

人事と労務の違いについて具体的に知りたい方は、以下の関連記事を読んでみてください。

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総務事務

総務事務を一言で表すと、社員が快適に働くためのサポートをする仕事です。

代表的な仕事内容は次の通りです。

・備品の管理・発注
・会社の設備管理
・株主総会の企画・運営
・社内イベントの企画・運営
・トラブル対応

会社の利益に直結するわけではありませんが、社員が快適に働くために欠かせない業務を担っています。

営業事務

営業事務は、簡単にいうと営業のサポートをする仕事です。社内業務と社外業務に分かれており、社内業務は書類作成やデータ入力、社外業務は顧客からの電話対応・来客対応を行います。

営業事務の仕事内容は以下の通りです。

・請求書などの書類作成
・ファイリング
・顧客情報管理
・在庫管理
・電話・メール対応
・来客対応

顧客や営業マンと接する機会が多いので、営業事務にはコミュニケーション力が必要です。

法務事務

法務事務では、会社登記や商取引などの、法的な事柄に関する事務業務を行います。

法務事務の主な仕事内容は次の通りです。

・契約書の作成・管理
・社員からの法律に関する相談
・特許の管理
・顧問弁護士とのやり取り
・法改正時の業務見直し

代表的な業務は契約書管理で「法的に問題ないか」「不備はないか」という観点から契約書を管理します。

専門的な業務を行うため、法律の知識は必須です。ビジネス実務法務検定や社会保険労務士などの資格を持っていれば優遇されるでしょう。

貿易事務

貿易事務は、貿易事業に取り組む企業の事務職を指します。他の事務職と異なるのは、他職種のサポートではなく最前線で業務に取り組んでいる点です。

具体的な貿易事務の仕事内容は次の通りです。

・貿易書類の作成(インボイス、パッキングリスト、船荷証券、信用状など)
・輸送手段の手配
・通関手配(税関に輸出入の申告をして許可をとること)
・納品管理
・電話・メール対応

貿易事務の場合、書類の多くが英語で書かれているため、英語力が必須です。

医療事務

医療事務の仕事は、患者対応や診療報酬請求です。患者対応は診察券を発行したり、保険証の提示を要求したりなど。また、患者は医療費の一部を負担し、残りは健康保険組合が支払うので、残額を保険者に請求するための明細を作る業務も担います。

医療事務の仕事内容は次の通りです。

・受付業務
・会計業務
・患者対応
・診療報酬請求業務

未経験でも医療事務に就けますが、数字を扱うことが多いため、几帳面で数字に強い人材が求められます。

事務職の重要性

アシスタント的な業務を行うことが多い事務職ですが、会社に欠かせない存在でもあります。

例えば、営業がたくさん契約をとっても、営業事務が在庫管理をしなければ、品切れで顧客に商品が届かないかもしれません。また、経理事務が給与計算・支払いをしないと、社員に給料が支払われませんよね。

このように、時には専門的な知識を求められながらも会社を陰から支えるのが、事務職という仕事です。

事務に求められる能力・スキル

次に、事務職全般に必要な能力・スキルを4つ紹介します。紹介するスキルを身につければ、就職で有利になること間違いなしです。

PCスキル

事務業務はパソコンを使って行われることがほとんどです。そのため、最低限のPCスキルは身につけておいた方が良いでしょう。

頻繁に利用される「Excel」「Word」「PowerPoint」などのソフトは、使えるようにするべきです。

Excelの場合、基本的な関数を使えたり表を作れたりすればOKです。Wordの場合は書類作成、画像・表の挿入ができるスキル、PowerPointの場合は見やすいスライド資料を作れるスキルが身についていれば大丈夫です。

また、作業スピードも求められるので、ブラインドタッチを身につけると役立ちます。

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コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルとは、他者と円滑に意思疎通するための能力のことで、事務職にはコミュニケーションスキルが必須です。

なぜなら、社内・社外問わず人と接する機会が多いから。特に営業事務は営業部の人と連携して業務を行いますし、顧客対応も多いです。

また、他社員のサポートをすることが多いので、気遣いをもって業務に取り組む姿勢も重要です。

作業の速さと正確さ

作業の速さ・正確さも事務職に求められるスキルの1つ。

書類作成やデータ入力など多くの業務を任せられるので、迅速に作業を進める必要があります。また、スピードが早くても間違いだらけでは意味がありません。特に請求書などの金銭を扱う業務では、高い正確性が求められます。

地味な作業を苦にしないこと

事務職に就く場合、地味な作業を苦にしないことが必要です。

事務職は基本的に他社員をサポートする仕事。最前線で派手な仕事をすることはなく、書類作成やデータ入力などの地道な業務を行います。

「もっと目立つ仕事がしたい」と思うかもしれませんが、事務職があってこそ会社がまわっていることを忘れないでくださいね。

まとめ

今回は事務の定義、種類、仕事内容、必要なスキルについて解説しました。

事務職は他社員のサポートをする「縁の下の力持ち」。書類作成やデータ入力などの地道な作業が多いですが、支えてくれる事務職がいてこそ会社は利益をあげられます。

事務職はあらゆる職種に存在する、会社に不可欠な存在です。今回紹介した事務職の仕事内容や必要なスキルを把握した上で就職活動に望めば、きっとあなたにピッタリの事務職に出会えるでしょう。