固定費とは?含まれるものや算出方法、変動費との違いなどをわかりやすく解説!

会社経営では、何にどれだけ費用がかかったかを整理し、それは妥当であるかを見極めなければいけません。費用は「固定費」と「変動費」に大きく分類されるのですが、たとえば人件費は、固定費の場合も変動費の場合もあるというように、明確な分類が難しいケースも多々あります。

しかし、ここを曖昧にしては正確な分析ができません。たとえばコスト削減の際に、固定費を変動費化して資金繰りの改善を目指そうにも、そもそも自社の固定費はどれかわかっていないと、手の打ちようがないわけです。

そこで本記事では、固定費に含まれるものや算出方法、具体例をあげ、変動費との違いについて解説していきます。費用への理解を深め会社の現状を把握するうえで、ぜひ参考にしてください。

固定費とは?

固定費とは、売上の増減に関係なく常に一定にかかる費用のことです。固定費が高く売上を上回ると赤字(マイナス)になります。このように固定費は、売上がゼロであっても一定額の費用を支払わなければいけないため、定期的に見直し、できる限り削減しておきたいコストです。

そのためには、どの費用が固定費に含まれるかを把握しておく必要があります。具体的にどういうものかを見ていきましょう。

【固定費に該当する具体的な費用】

・人件費
・地代家賃
・水道光熱費
・接待交際費
・リース料
・広告宣伝費
・減価償却費
など。

地代家賃は、操業をしていなくても事務所の費用として必ず発生します。また、従業員を雇っていれば人件費も必ず発生する費用です。そして設備を使用していなくても、減価償却費はかかります。このように、売上にかかわらず固定でかかる費用を固定費と分類します。

また、現在の固定費が適正かどうか判断するのに便利な指標が「固定費率」です。固定比率の計算式は以下を参考にしてください。

【固定比率の計算式】固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100 (%)

固定比率は、賃借対照表の数字を用いて計算します。比率は100%以下が望ましく、100%を超える場合は、安全性に少し問題があるとされます。

数値が高いほど危険性があることになりますが、関連する指標や固定負債の金額を見なければ一概に判断することはできません。

固定費と変動費の違い

会社経営では、必要な経費を「固定費」と「変動費」の2つに分けてそれぞれのバランスを分析することが大切です。そのためには、費用がどの区分に含まれるかを把握しておく必要があります。

では次に、変動費とは具体的にどういうものかを見ていきましょう。
固定費との違いについても解説します。

変動費とは?

変動費とは、売上と連動して変動する費用のことです。生産量や販売量に比例して増減するため、売上が増えると変動費も増額し、売上が下がると減少します。

【変動費に該当する具体的な費用】

・原材料費
・仕入原価
・販売手数料
・消耗品費
・支払手数料
・荷造発送料
・交際費
・雑費
 など。

たとえば、500個の製品を製造する場合、500個分の原材料が必要です。このように、売上に比例して金額が変動する費用が変動費とされます。

固定費と変動費の違い

固定費と変動費の違いを表で確認してみましょう。

費用の種類 費用の内容 具体例
固定費 売上にかかわらず一定 人件費、地代家賃、水道光熱費、接待交際費など
変動費 売上に比例して変動 原材料費、仕入原価、販売手数料、消耗品費など

表のように、固定費は売上の増減に関係なくかかる費用で、変動費は売上に比例して変動する費用です。

固定費の算出方法と固変分解

固定費の算出方法は、固定費に含まれる費用を合計するだけです。しかし、何が固定費なのか明確にしなければ、算出することができませんよね。

そこで、固定費と変動費を分類する際に使うのが、固変分解です。

固変分解とは?

固変分解とは、「固定費と変動費の振り分け」のことです。各費用が、売上に連動して増減する変動費なのか、連動せず一定の固定費なのかを振り分ける作業を言います。

固変分解の方法は、「勘定科目法(個別費目法)」と「回帰分析法(最小二乗法)」があります。

勘定科目法

勘定科目法は、実務でよく使われ最も簡単な費用分解のこと。損益計算書や製造原価明細書に記載されている科目を、変動費と固定費に振り分ける方法です。個別費用法とも呼ばれています。

費用は中小企業庁から発行されている「中小企業の原価指標」を参考に分類していきます。手間はかかりますが直感的に分類するため、簡便な方法です。多少不正確でも良い場合に適しています。

固定費なのか変動費なのか区別がつかない場合は、より比重が高い方に振り分けます。どうしても不明な費用は、とりあえず固定費に算入しておくと良いでしょう。

回帰分析法

回帰分析法とは、Excelを使用して計算する方法です。

グラフの「縦軸に総費用」「横軸に売上高」をとり、毎月の売上と総費用をプロットしていきます。1年分、計12個の点が取れたら、それぞれの月の点を近似曲線で結ぶと、変動費率と固定費が計算できます。

公式は、「y=ax+b」です。aが変動費、bが固定費となります。手作業での計算は大変なため、一般的にExcelを用いて計算します。

固定費に含まれるもの・種類の例

ここで、固定費に含まれるもの・種類を業種別に紹介します。業種によって固定費に含まれるものが変わるため、下記を参考にしてください。

製造業

固定費 直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員(管理部門)・販売員給料手当、支払利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費
変動費 直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、当期製品知仕入原価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸高、酒税。

参考:中小企業庁編平成15年度調査 「中小企業の原価指標」

卸・小売業

固定費 販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、車両修理費(卸売業の場合50%)販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その他管理費。
変動費 売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%)、保険料(卸売業の場合のみ50%)、注:小売業の車両燃料費、車両修理費、保険料は全て固定費。

参考:中小企業庁編平成15年度調査 「中小企業の原価指標」

建設業

固定費 労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、通信交通費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理費。
変動費 材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価のみ)運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価。

参考:中小企業庁編平成15年度調査 「中小企業の原価指標」

人件費は固定費なのか?

人件費は、一般的に固定費として分類されます。ただし、必ずしも固定費とはならない人件費もあります。

たとえば、残業手当や繁忙期だけ採用する派遣社員・アルバイト・パートの給料などです。これらは、変動費として捉えることもできます。

人件費は固定費の中でも多くの割合を占めていますので、削減できれば製造原価の削減や利益向上につなげることが可能です。

コスト削減は固定費の見直しから!

経営上重要になるコスト削減において、固定費の見直しは変動費のそれよりも優先的にコストカットしたい費用です。固定費は売上の増減にかかわらず一定でかかる費用ですから、固定費を抑えれば抑えるほど、利益を確保できます。

とくに、人件費は固定費の中でも多くの割合を占めていますので、削減できれば製造原価の削減や利益向上につながるでしょう。

ここからは固定費の見直しに有効な手段をいくつか紹介します。

アウトソーシングする

多くの企業では正社員や派遣社員といった雇用形態で従業員を抱えていますが、時間外労働の抑制ができず、残業代などがかさんでしまうケースが少なくありません。そこでおすすめなのが、アウトソーシングを活用することです。

たとえばこのブログを運営している「フジ子さん」のようなオンラインアシスタントを活用すれば、必要な業務だけ必要な時に依頼できますので、人件費を変動費化できます。繁忙期だけ、経理、人事、総務、WEB運用など幅広い業務を高いスキルの人材に委託可能です。

フジ子さん」は業界水準の半額程度というリーズナブルさに加え、クライアントの1年以上継続率が90%以上という業務品質を誇ります。

月30時間稼働だと6.9万円/月、50時間稼働だと9.9万円/月と、自社で社員を雇い教育していくよりも大幅に費用を抑えられるでしょう(80〜160時間稼働のプランもあり)。

また、前月10日までなら翌月の料金プランを変更できるので、固定費を変動費化し、支出を流動的にしてコスト削減を狙えます。

対応業務は経理・秘書・人事といったバックオフィス業務からWEBサイト運用までさまざま。
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ペーパーレス化

働き方改革が進められる中、多くの企業で課題となっているペーパーレス化も人件費の削減に有効です。

ペーパーレス化とは業務効率化のひとつで、紙ベースで進行する業務をシステム化する取り組みをさします。

今まで紙ベースで行っていた業務をペーパーレスにすることで、印刷費やコピー用紙代などの消耗品費を減らすことができます。さらに書類保管にかかるスペースが必要なくなることで、オフィスの省スペース化が可能になり、固定費の削減に大きな効果を発揮する施策です。

会議資料をPDFファイルなどのデータで確認すれば、コピーや資料作成する手間が省け業務効率化を実現できます。

テレワーク化

近年、新型コロナウイルスの影響や働き方改革の一環で、さまざまな企業がテレワークを導入しています。テレワークは、ICTを活用することでオフィスに出社する必要がなくなり、通勤手当や旅費交通費などの移動費用と時間を減らすことができます。

もちろん、「現場でなければ進まない」という業務もあるはずですが、ビジネスチャットやオンライン会議などのツールを活用すれば、オフィスで集まって仕事をする必要のない企業も多いでしょう。

出社する人が減れば、より安価な場所にオフィスを移転したり、広さを縮小したりすることが可能になります。地代家賃の負担が大きい企業も多いはずですから、テレワーク化で大きな固定費削減を見込めるでしょう。

まとめ

本記事では、固定費に含まれるものや算出方法、具体例をあげ、変動費との違いについて解説しました。

会社経営では、固定費・変動費を正しく理解しバランスよく分析しなければいけません。

とくに、売上がゼロでもマイナスでもかかる固定費は定期的に見直が必要です。たとえば、この記事で紹介したように、ノンコア業務をアウトソーシングして、人件費を変動費扱いにすること。業務量に応じて依頼量を調整できるため、コスト削減を実現しやすくなります。

また、ペーパーレス化やテレワークなどを導入して業務効率化を図りつつ、人件費や地代家賃などの大きな固定費を削減しましょう。