自社の情報を発信するプレスリリースは、メディアで取り上げてもらうことでその効果を発揮します。しかし、メディア担当者のもとには多くの企業からプレスリリースが集まり、自社の情報を取り上げてもらうのは簡単ではありません。
効果的なタイトルや書き方を工夫して、興味を引くのがポイントです。本記事では、プレスリリースの書き方のコツ、タイトルや構成の作り方をご紹介していきます。ぜひご活用ください。
プレスリリースを書く上で意識すべきこと
プレスリリースを書く最大の目的はメディアで取り上げてもらうことです。しかし、毎日多くのプレスリリースが集まるため、すべてに目を通してもらえるとは限りません。
では、どうすればテレビや雑誌などで話題にしてもらえるのか。プレスリリースを書く上で意識すべきことを解説していきます。
ニュースバリューを明確にする
「このプレスリリースを記事にしたい」と思わせるよう、ニュースバリューを明確にしましょう。
ニュースバリューとは、報道する価値があるものということ。「競合他社がすでに発売しているものと類似した商品」と「業界初の機能を搭載した商品」なら、後者の方をもっと知りたいと感じませんか?
・重要である
・斬新である
・社会的に意義がある
・独自性がある
・意外性がある
・影響力が強い
プレスリリースでは上記のような「価値」を読み手に伝わるように書かなくてはいけません。自社の伝えたい思いだけを書き綴るのではなく、ユーザーや消費者が得られる価値を明確にしましょう。
一読して内容を理解してもらえるようにする
数あるプレスリリースの中からピックアップしてもらうには、一読して内容を理解してもらわなければいけません。5W1Hで内容を組み立てていくと情報が整理されるので活用しましょう。
・Who(誰が)
・What(何を)
・When(いつ)
・Where(どこで)
・Why(なぜ)
・How(どのように)
伝えるべき内容を5W1Hに当てはめてから文章を書くと、読み手に過不足なく分かりやすく伝えられます。
この時、プレスリリースを読んでもらいたいターゲットを明確にしておくことも重要です。文章全体に統一感が出て読みやすくなります。
配信時間は平日の午前中がおすすめ
プレスリリースは平日の午前中に配信すると、より記者の目に留まりやすくなります。
毎日多くのプレスリリースを受取っているメディアの多忙な時間帯を避けて、業務が落ち着くと考えられる朝10〜11時頃に送信しましょう。
プレスリリースで効果を出すコツ┃まずは基本の構成を覚えよう
プレスリリースには基本の構成があります。
・タイトル
・リード文
・本文
・画像
・問い合わせ先
上記の5つの要素を基本に、各パートに文章を挿入していきます。
タイトル
メディアに取り上げてもらえるかどうかを左右する最も重要な部分がタイトルです。事実を簡潔かつ心に刺さるようコンパクトにまとめてタイトルにしなければいけません。
リード文
タイトルの次に読まれるリード文は、プレスリリース全体の内容が一読で把握できるよう分かりやすく書きます。ここで興味を引けなかったら本文まで読み進んでもらえる可能性は低くなってしまいます。
本文
本文では、読み手をイメージして伝えたいことを書いていきましょう。商品やサービスの特徴を羅列するだけではいけません。
・その商品やサービスが生まれた背景に何があるのか?
・利用したらユーザーや消費者にどのようなメリットがあるのか?
・社会的にどのような意義があるのか?
など、利用あるいは購入したときを想像できる内容にしましょう。
画像
画像を使用すれば、文章だけでは伝えきれない情報を視覚に訴えられます。記事内だけでなく、SNSでシェアされる時にも画像があった方が効果的です。画像は積極的に使いましょう。
問い合わせ先
企業の問い合わせ先は必ず記載しておきましょう。担当部署直通の電話番号、担当者名を明記し、メディアからの連絡にスピーディーに対応できるようにしてください。
プレスリリースで効果を出すコツ┃関係者に読んでもらうには?
メディア関係者に読んでもらうプレスリリースを書くにはコツがあります。多くの広報担当者が、自社のプレスリリースを取り上げてもらえるよう工夫しています。そんな中、ピックアップしてもらうのであれば、最低限これからご紹介するコツはおさえておきましょう。
全体:結局何を伝えたいのかを明確に
何を伝えたいのかを明確にしてプレスリリースを書いていきましょう。事実を羅列しているだけでは読み手の心には残りにくいです。
全体:専門用語は使わない
読み手をイメージして書けば自ずと専門用語を避けられるはずです。分かりやすく伝えることを意識して書きましょう。
全体:数字を使って具体性をもたせる
商品やサービスの特徴を表現するのに、適宜数字を使って具体性をもたせましょう。
「あっという間に完成」⇨「たった5分で完成」
「軽量モデル」⇨「30グラムの軽量モデル」
このように、数字を使うとイメージしやすくなります。
タイトル:30字前後で分かりやすく
タイトルは長すぎても短すぎてもいけません。伝えたい事実を分かりやすく30字前後で書きましょう。
タイトル:ニュースバリューのあるキーワードを先頭に
メディア関係者の目に入る最初の部分に、ニュースバリューのあるキーワードを入れて興味を引きましょう。そのためには、先ほど申し上げた通りニュースバリューを明確にしなければいけません。ニュースバリューが曖昧だと、ただ特徴を紹介しただけのタイトルになってしまいます。
本文:一文を長くしすぎない
一文が長くなると、読みづらいだけでなく伝えたいことが薄まってしまいます。一つ一つの文章をシンプルにするよう心がけましょう。
本文:形容詞をなるべく避け、具体的な言い回しに
大きい、小さい、軽い、新しいなどの形容詞を避けて、具体的に表現しましょう。前述した数字を使って具体性をもたせることも一つです。「新しい」なら「業界初」「国内初」というように、どの程度新しいのかを具体的に示すと、より読み手にインパクトを与えられます。
本文:同じ表現や語尾、助詞の連続を避ける
冗長な文章にならないよう、言い回しを変える、体言止めを使うなど工夫をしましょう。「小さくて軽くて」「オシャレで便利で簡単操作で」といった助詞の連続にも注意してください。
本文:ポイントの羅列には箇条書きを使う
商品やサービスの特徴・メリットなど、ポイントを羅列する場合は箇条書きを使いましょう。
「500グラムの軽くて小さいパソコンです。持ち運びに便利で、フル充電で連続15時間使用できます。読み込み速度が早いのでストレスなく使用できるでしょう。」
・500グラムの軽量小型
・フル充電で連続15時間使用可能
・読み込みが速い
このように、文章にするより箇条書きで羅列した方がポイントをダイレクトに伝えられます。適宜取り入れましょう。
画像:白黒でも見やすいものを使う
画像を使用する際は見やすいものを使いましょう。白黒でもかまいません。メディアの記事内やSNSでシェアされていくことをイメージして選定してください。
まとめ
本記事では、プレスリリースの書き方のコツについて解説してきました。すべてに共通するのが「読み手の立場になること」です。
企業側の発信手段であるプレスリリースですが、発信することに重きを置いてしまうと読み手の興味を引く内容にはなりません。読んでもらうこと、伝わることをイメージして書き上げましょう。
今回ご紹介したコツや基本の構成をぜひご参考にしてください。