広報手段の一つとしてメジャーなプレスリリース。メディアに取り上げられると、大きな宣伝効果を得られます。
だからこそ、いろいろな企業や団体がプレスリリースを日々発信しているわけですが、すべてがメディアの目に留まるわけではなく。ほとんどは埋もれてしまうのが現実です。
ただ、取り上げられる確率を大幅に高めることは可能です。しかも、プレスリリースは効果的な型が決まっており、コツを押さえれば誰にでも書けます。
本記事ではプレスリリースの書き方について、基本の構成やコツなどを解説していきます。
プレスリリースの書き方┃ニュース性が何より大事!!
プレスリリースの書き方を見ていく前に、1つあらためて確認しておきましょう。
それは「プレスリリースではニュース性が何より大事」ということ。ニュース番組で扱われるのは、新しい・珍しい・意外な・時事性のある、人々の目を引く情報ですよね。ありふれた代わり映えしない情報だと、メディアにはスルーされてしまいます。
今から作るプレスリリースのニュース性はどこにあるか?必ず具体的にしておいてください。
プレスリリースの書き方~基本の構成~
では次に、プレスリリースの基本の構成を上から順に解説します。効果の出やすい型があり、そのまま使うのがおすすめです。
①タイトル(最重要!)
プレスリリースで最も重要なのがタイトル。最初に担当者の目に入る部分であり、ここが魅力的でないとまず読まれません。
タイトルのポイントには、以下のようなものがあります。
30文字程度におさめる
長過ぎるタイトルは読みにくく、日々大量のプレスリリースを見る担当者に一瞬で弾かれてしまいます。30文字程度におさめましょう。
どうしても長くなってしまう場合は、文章を分割し、サブタイトルにできないか考えてみてください。サブタイトルも30文字ぐらいが目安です。
ニュース性のあるキーワードを盛り込む
プレスリリースはニュース性ありき。そして、タイトルは最初に読まれる部分ですから、ここにニュース性のあるキーワードを盛り込みましょう。
例としては、
・新しさ:一歩先の、先進の、◯◯初
・珍しさ:国内唯一、世界に◯◯しかない希少な、ご当地◯◯
・意外さ:羽のない扇風機、◯◯不要
・時事性:◯◯シーズン、◯◯時代
などなど。日頃から言葉の引き出しを増やしておきましょう。
形容詞・形容動詞は使わない
形容詞・形容動詞は使わないようにしましょう。個人の主観が多分に入った表現であり、読み手によって解釈が変わりやすいからです。
もし何か形容したいのであれば、数字を使うなどして具体化してください。
誇張した表現を使わない
誇張した表現を使うのもNGです。
プレスリリースでは、あくまで事実をそのまま伝えましょう。誇張すると現実との乖離が生じ、ステークホルダーから不信感を持たれかねません。
②リード文(全体の要約)
タイトルの次に来るのがリード文です。
リード文の全体像は、本文の内容を端的に要約したものにしましょう。これは何のお知らせで、何のためにあって、だから何なのか?軽く見ただけで本文の要点が分かるようにするのが肝要です。
文字数は、多くとも400字。余計な言葉を入れるスペースはありません。何度も推敲して完成させましょう。
③本文
プレスリリースの核にあたる本文。大まかな流れは以下のとおり。
1:誰が、誰に、何をするのか?
↓
2:なぜするのか?
↓
3:特筆すべきポイントは何か?
↓
4:これからどうするのか?
美辞麗句などはなしに、事実をそのまま伝えましょう。ただし、堅苦しくする必要はありません。読みやすいよう砕けた表現を使うのはOKです。
加えて、このようなことも意識してみてください。
・内容の信頼性を上げるためにデータや数字を出す
・拾い読みしやすくするために、内容を章や項目に分け、小見出しを付ける
・ポイントをつかみやすくするために、箇条書きを使う
本文でも「分かりやすさ」が重要です。メディアの目線に立って、彼らが理解しやすく興味を持てる内容を考えましょう。
④写真
プレスリリースの内容をイメージしやすくするために、画像は必ず使いましょう。商品の写真、イベントの様子、グラフなどですね。
画像を置く場所は、見出しやリード文の下、本文中、本文の左側などさまざま。内容の補完として最適なのはどこか、いくつか作って比べてみてください。
⑤問い合わせ先
最後に、取材や質問の窓口用に問い合わせ先を記します。
・会社名
・所在地
・担当者氏名
・電話番号
・FAX番号
・メールアドレス
・自社サイトのURL
何をしている会社なのか軽く書いておくのも良いですね。
プレスリリースの書き方~メディアに取り上げられるコツ~
基本の構成を押さえた上で、ここからはメディアに取り上げられるコツを解説していきます。
テーマは1つに絞る
プレスリリースを書く際、テーマは1つに絞りましょう。
商品Aのことを言っていたのに急に商品Bも紹介しだすと、話が脱線してしまい、結局何を伝えたいのか分からなくなってしまいます。
このプレスリリースでは何を伝えるのか?テーマを明確にした上で、その情報だけを記すようにしてください。
結論を先に書く
2つめのコツは、文の最初に結論を持ってくること。
要点をはじめに伝えることで、全体像を理解してもらいやすくなります。また、メディアは毎日たくさんのプレスリリースを見ますから、1通1通の起承転結を待つ余裕はありません。
専門用語は使わない
専門用語は使わないようにしましょう。
メディアはあくまで報道のプロ。他業界に精通しているとは限りません。そこで難解な専門用語を使われると、担当者は何が何だか理解できず、具体的なイメージもつかめなくなります。
よって専門用語は、一般の人にも通じる平易な言葉で書くようにしてください。どうしても使わざるを得ない場合、簡潔な注釈を添えましょう。
冗長な表現は使わない
冗長な表現も使ってはいけません。回りくどく、読みにくい文章になってしまいます。
以下はよく見られる冗長表現の例です。
・体験することができる→体験できる
・重要な意味を持つものです→重要な意味を持ちます
ほかには、すでに解説した内容を繰り返すのも。
書いている最中は気付かなくとも、見直すとムダが見つかることはよくあります。なくて良い表現に注意しながら推敲を重ねてください。
メディアの目線に立つ
作成時には、プレスリリースの受け取り手であるメディアの目線に立ちましょう。
自社が伝えたいことを一方的に書くのでなく、メディアが伝えたくなることを書くのです。
・報道的価値はあるか
・報道用の資料として使いやすいか
これらを心がけて作成してください。
まとめ
今回はプレスリリースの書き方について、基本の構成とコツを解説してきました。
最初は思い通りに作れないかもしれませんが、型を押さえれば誰でもできるので、コツコツ経験を積みましょう。他社のプレスリリースも参考にしてみてください。
本記事が参考になれば幸いです。