備品管理とは?業務の必要性や方法・やり方、運用のコツなどを解説

ペンやハサミなどの文房具、デスクやPC、什器、作業着など、会社にはいろいろな備品がありますよね。

これらの使用状況や保管状況は、細かく把握しておかないといけません。なぜなら、ムダな出費が増えたり、会社の情報が外部へ漏れたりする恐れがあるからです。

とはいえ、備品は種類も数も多いため、効率的な管理・整理方法に悩む方は多いのではないでしょうか。

本記事ではオフィスの備品管理について、必要性や手順、コツなどを解説します。

備品管理とは?

備品管理とは、社内にある備品の状態をデータベース化して管理する業務のことです。物品管理とも呼ばれています。

総務部門が担うのが一般的で、経理部門などと連携しながら、備品に過不足のない環境を整えます。備品管理が不十分だと業務に支障をきたしかねないため、担当者にはこまめな状況把握が求められます。

どこまでが「備品」なのか?

備品管理の対象になる備品は、自社で購入・レンタルし、なおかつ自社で使用しているモノすべてです。PCやデスク、社用車から、ノートのような消耗品も含まれます。

備品管理の必要性~なぜやるべきなのか?~

そもそも、なぜ備品管理が必要なのか?必要性を詳しく見ていきましょう。

業務効率化

1つめは業務効率化です。

どの備品がどこに何個あって、今誰に使われているのか。こうした情報を把握していないと、本当に必要な人が使えず生産性はダウンしますし、紛失や情報漏えいといったリスクが高まります。顧客や取引先との会議等で使うものであれば、失注につながる場合もあるでしょう。

こうした事態を回避して効率的な業務を行うのに、日ごろからの備品管理は地味ながら極めて重要です。

ムダなコストの削減

2つめはムダなコストの削減

備品の状態や数が分からないと、本来は不要なのに購入してしまう恐れがあります。ペンやトイレットペーパーのような低単価の備品もしっかり管理しないと、小さな損失が積もり積もって大きな損失へ発展するかもしれません。

ムダな出費を減らすためにも、備品管理はこまめに行うべきといえます。

セキュリティ強化

3つめはセキュリティ強化です。

PCやタブレットには、会社の重要情報が保存されていますよね。こうした通信機器を管理しないと、誰かが不正に持ち出したり退職者がそのまま持ち帰ったりして、情報漏えいや競合他社へのリークといったリスクが増えてしまいます。

在宅勤務を導入している企業であれば、特に気を付けなければいけないポイントです。

備品管理のやり方・フロー

備品管理の必要性を確認した上で、ここから具体的な手順を見ていきましょう。

1:備品管理台帳を作る

はじめに、備品管理台帳を作ります。備品管理台帳とは、読んで字の如く、備品管理に必要な情報を記した書類のこと。

<備品管理台帳に記載すべき項目>
・管理番号
・物品名
・物品のカテゴリ
・数量
・保管場所
・利用状況
・状態(要修理など)
・登録日、登録者
・更新日、更新者

備品と台帳を照合するために、管理番号はシールにプリントして備品側にも貼り付けておきましょう。

台帳はエクセルや備品管理ソフトを使うのがおすすめです(詳しくは後述)。

2:備品をカテゴリ分けする

次に、備品をカテゴリ分けします。

<例>
・ペンやハサミ:文房具
・PCや複合機:IT機器
・湯呑やグラス:什器

「IT機器」の大カテゴリに続けて「PC本体」という小カテゴリを作ると、台帳で検索しやすくなります。

分類に決まりはありません。従業員にとって分かりやすいようにしましょう。

3:備品の保管場所を決める

次に、備品の保管場所を決めます。いざ使う時や棚卸しの時に「どこにあるか分からない」という事態を避けるためです。

保管用のケースや棚も導入できると、より管理しやすくなります。

4:棚卸しする

棚卸しとは、商品や材料、備品などの数量と評価額を確認すること。備品管理においては、台帳の内容と実際の状況に乖離がないかチェックします。

その際、紛失があれば行方を調べ、故障や破損があれば修理に出しましょう。

不要な備品は廃棄します。もちろん、台帳の更新も忘れずに。適切な現状把握のために、最低でも年1回は棚卸しをしてください。

6:備品使用のルールを作り、従業員に周知する

備品使用のルール作りと社員への周知も重要です

<ルールの例>
・台帳の使い方
・備品の置き場所
・備品の返却方法
・使用許可の有無
・発注フロー
・故障や破損、紛失が起きた時の対応
・ルールを守らない人への対応

備品管理は担当者だけの役割ではありません。会社全体で取り組まなければ混乱を招くので、経営者も従業員も、ポジションに関係なくルールを守りましょう。

備品管理台帳の作成方法

次に、備品管理で最も重要な備品管理台帳の作成方法を解説します。

①表計算ソフトで管理する

1つめは、エクセルやスプレッドシートなどの表計算ソフトです。

大抵の企業はすでに導入しているはずなので、今すぐ作成できますし、初期費用も抑えられます。カテゴリごとにシートを分けたり、関数やマクロで自動化したりすれば、管理の手間を大幅に削減できるでしょう。

②備品管理システムを使う

もう1つのおすすめが、備品管理システムです。備品管理に特化しているだけあって、以下のようなさまざまなメリットがあります。

・備品情報を一元管理できる
・バーコードをスキャンするだけで棚卸し完了
・ICタグを使えば備品のある場所を探せる
・マニュアルや備品画像などを添付できる
・備品の返却期限を知らせてくれる
・既存の会計システム等と連携できる

エクセルやスプレッドシートは導入が楽ですが、こうした便利機能が使えません。備品が数百点もある、事業所が複数ある、リース・レンタルの備品も管理したいといった企業であれば、備品管理システムによって効率を大幅に高められます。

<備品管理システムの例>
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効率的な備品管理のコツ・工夫

ここからは、備品管理を効率的に行うコツを紹介していきます。

備品管理の流れやルールを周知する

備品管理そのものを行うのは総務などの担当部署ですが、備品を使うのは全従業員ですから、管理に関する業務フローやルールを社内全体に周知することは非常に大切です。

口頭だけで伝えるのではなく、マニュアル化して誰でも確認できる環境を作ってくださいね。

定期的に棚卸しする

棚卸しは、必ず定期的に行いましょう。

使う際・修理の際にだけ情報を更新している企業は、案外少なくありません。これでは、台帳上の数量が実際と異なったり、修理が必要なのに放置してしまったりといったことが起こりえます。

先ほども述べましたが、年1回は実施するようにしましょう。

人手不足なら外注がおすすめ

人員が少なく、備品管理に割くリソースがない場合、外注がおすすめです。

日々の台帳管理はもちろん、ラベル作成や棚卸し、資産調査も外注可能。業務に精通した人材が業務にあたるので、新たにスタッフを雇うより費用を大幅に抑えられるのもメリットです。

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まとめ

本記事では備品管理について、必要性や手順、コツなどを解説してきました。

各備品の状況が把握できれば、業務中に探し回ったり、不必要な購入をしたりといったムダをなくせます。一気にやるのが難しい場合、使用頻度が高いもの・重要度の高いものから始めてみてください。

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