事務職では、売上のように成果を数値で示しにくいため、「どのような目標を立てればよいかわからない」「業務効率化を目標にしたいけれど、具体的な数値に落とし込めない」と悩む方も少なくありません。
業務効率化の目標は、日々の業務にかかる時間や処理件数、ミス・差し戻しの発生状況などを整理すると具体化しやすくなります。目標を明確にすれば、改善すべき業務の優先順位も判断しやすくなるでしょう。
本記事では、事務の業務効率化に役立つ目標設定の考え方や数値化のコツ、一般事務・営業事務・経理事務・総務・人事事務の職種別例文をご紹介します。目標管理シートへの落とし込み方や具体的な改善策、外注しやすい事務業務についても解説します。
事務の業務効率化に目標設定が必要な理由

事務業務の効率化を進めるには、「効率化したい」という意識だけでなく、何をどの程度改善するのかを明確にすることが重要です。目標を設定すると、改善対象や達成基準が整理され、取り組みの成果も確認しやすくなります。
ここでは、事務の業務効率化に目標設定が必要な主な理由を3つ解説します。
成果が見えにくい事務業務でも改善効果を判断しやすくなる
事務職は、営業職の売上や契約件数のように、成果をそのまま数字で表しにくい業務が多い職種です。そのため、業務改善に取り組んでも「以前より効率がよくなった」という感覚だけでは、効果を客観的に判断しにくいことがあります。
例えば、「毎月の請求書処理にかかる時間を10時間から8時間へ短縮する」「データ入力のミスを月5件から2件以下に減らす」などの目標を設ければ、改善前後の違いが明確です。
目標を具体化しておけば、取り組みの成果を把握できるだけでなく、次に改善すべき課題も見つけやすくなるでしょう。
「何となく効率化する」状態を防ぎ、取り組む業務を絞り込める
業務効率化を進めようとしても、「無駄を減らす」「作業を早くする」といった曖昧な方針だけでは、何から着手すべきか判断しにくいものです。
そこで、「書類作成にかかる時間を削減する」「申請業務の差し戻しを減らす」など、改善対象を具体的に設定します。課題が複数ある場合も、業務への影響や改善効果を比較しながら優先順位を付けられます。
限られた時間や人員を有効に使うためにも、取り組む業務をあらかじめ絞り込んでおくことが大切です。
人事評価や目標管理シートで成果を説明しやすくなる
事務職では、人事評価や目標管理シートへの記入時に、「何を目標にすればよいかわからない」と悩むケースもあります。日常業務を滞りなく進めること自体が重要な役割である一方、その成果を文章だけで具体的に示すのは簡単ではありません。
作業時間や処理件数、ミスの発生件数などを基準にすれば、達成度を客観的に示せます。例えば、「月末処理の所要時間を20%削減した」「入力ミスを月3件から1件以下に減らした」といった形です。
このように、目標設定は業務効率化の進捗を確認するだけでなく、自身の取り組みや成果を周囲へ伝える際にも役立ちます。
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事務の目標が思いつかないときは「日常業務の困りごと」から探す

事務職の目標が思いつかない場合は、日々の業務を振り返ることから始めると考えやすくなります。普段感じている不便や負担に目を向け、業務効率化につながる課題を見つけていきましょう。
時間がかかっている定型業務を洗い出す
毎日・毎週・毎月繰り返している定型業務は、目標設定の題材を見つけやすい領域です。1回あたりの作業時間は短くても、頻度が高ければ月単位・年単位では大きな工数になります。
まずは、入力・集計・書類作成・データ整理など、繰り返し発生している業務ごとの所要時間を確認します。そのうえで、手作業が多い工程や同じ操作を繰り返している箇所がないかを見直すと、改善の余地を把握しやすいでしょう。
目標へ落とし込む際は、「作業を早くする」ではなく、「月10時間かかっている集計作業を8時間まで削減する」のように、現状と目標値をセットにします。改善前後を比較できるため、達成度も判断しやすくなります。
ミス・差し戻し・二度手間が発生している業務を探す
業務効率を下げる原因は、作業時間の長さだけではありません。入力ミスや確認漏れ、申請の差し戻しなどが繰り返されていると、修正や再確認のために余分な工数が発生します。
同じミスが何度も起きている場合は、個人の注意力だけの問題と考えず、作業手順や確認方法にも目を向けることが大切です。入力ルールが統一されていない、チェック工程が曖昧、同じ情報を複数箇所へ転記しているといった状況があれば、仕組みそのものを見直す余地があります。
改善目標として設定する場合は、ミスや差し戻しの発生件数を基準にすると明確です。「月5件発生している入力ミスを2件以下に抑える」など、結果を確認できる基準を設ければ、取り組みの効果も把握できます。
属人化している業務や引き継ぎに時間がかかる業務を探す
特定の担当者しか対応方法を把握していない業務も、事務職の改善テーマとして適しています。通常は問題なく処理できていても、担当者が不在になった際に業務が止まる状態では、安定した運用とはいえません。
属人化している業務では、作業手順だけでなく、判断基準やファイルの保存場所、関係者への確認方法などが個人の経験に依存しているケースがあります。こうした情報を整理し、マニュアルや業務フローとして共有できれば、引き継ぎ時の負担軽減にもつながります。
目標を設定する際は、「マニュアルを作成する」だけで終わらせず、対象業務や期限、完成条件まで決めておくのがポイントです。「月次業務5件の手順書を○月までに整備する」のように設定すれば、進捗も確認しやすくなります。
過去の目標管理シートから改善しきれていない課題を探す
目標は毎回まったく新しいものを考える必要はありません。過去の目標管理シートを振り返ると、未達成の課題や、改善後もさらに見直せる業務が見つかる場合があります。
未達成だった目標については、単純に同じ内容を再設定するのではなく、達成できなかった理由を確認します。目標値が高すぎたのか、期間が短かったのか、ほかの業務との兼ね合いで着手できなかったのかによって、見直すべきポイントは異なるためです。
一方、すでに達成した目標でも、現在の業務量や体制が変わっていれば再検討する価値があります。以前より処理件数が増えている場合は、次の改善水準を設定することも可能です。過去の取り組みを基準にすると、現状に即した目標を考えやすくなります。
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【職種別例文】事務の業務効率化に使える目標設定

事務職といっても、担当する業務によって改善すべきポイントは異なります。実際の業務内容にあわせて、達成状況を確認できる目標へ落とし込むことが大切です。
ここでは、職種別に業務効率化の目標例をご紹介します。
一般事務|データ入力・書類作成・ファイル管理を効率化する目標例
一般事務では、データ入力や書類作成、ファイル管理など、日常的に繰り返す作業が多くあります。1回あたりの作業時間は短くても、頻度が高ければ月単位では大きな工数になるため、所要時間や処理量を把握することがポイントです。
テンプレート化や入力方法の見直し、ファイル管理ルールの統一などを通じて、作業時間や検索時間の削減を目標にできます。
目標例
- 月次資料の作成時間を1回3時間から2時間以内に短縮する
- データ入力にかかる月間作業時間を20%削減する
- ○月までに共有フォルダの分類と命名ルールを統一し、目的のファイルを探す時間を平均5分以内にする
- 書類作成用のテンプレートを5種類整備し、作成時間を合計1時間短縮する
対象業務と数値、期限を組み合わせると、「事務作業を効率化する」といった抽象的な目標より達成度を確認しやすくなります。
営業事務|見積書・受発注・問い合わせ対応を効率化する目標例
営業事務では、見積書の作成や受発注処理、問い合わせ対応など、営業担当者や取引先と連携して進める業務が多くあります。処理の遅れや入力ミスは営業活動にも影響するため、スピードだけでなく正確性も意識した目標設定が必要です。
見積書のフォーマット統一や受注時の確認項目の整理、よくある問い合わせへの回答テンプレート作成など、日常業務の見直しから改善につなげられます。
目標例
- 見積書作成にかかる平均時間を20分から15分以内に短縮する
- 受注情報の入力ミスを月5件から2件以下に減らす
- 受発注業務の確認項目を○月までに統一し、差し戻しを20%削減する
- 問い合わせ回答のテンプレートを10種類作成し、平均対応時間を短縮する
営業担当者との確認回数や待ち時間も含めて振り返ると、自分の作業だけでは見えにくい改善点も把握できます。
経理事務|請求書処理・経費精算・入力作業を効率化する目標例
経理事務では、請求書処理や経費精算、会計データの入力など、正確性と期限管理の両方が求められます。特に月末・月初は業務が集中しやすいため、処理時間だけでなく、入力ミスや差し戻しの発生状況も確認しておきたいポイントです。
作業工程やチェック方法を整理し、繁忙期の工数削減や修正作業の削減につながる目標を設定します。
目標例
- 月末の請求書処理にかかる時間を12時間から9時間以内へ削減する
- 経費精算の差し戻し件数を月10件から5件以下に減らす
- 会計データの入力ミスを月3件以下に抑える
- ○月までに経費精算のチェックリストを作成し、確認作業を標準化する
処理時間だけを短縮すると確認不足につながるおそれもあるため、正確性を維持できているかもあわせて確認することが重要です。
総務・人事事務|勤怠管理・社内申請・情報共有を効率化する目標例
総務・人事事務では、勤怠管理や社内申請、従業員からの問い合わせ対応など、複数の部署や従業員が関係する業務を扱います。そのため、自分の作業時間に加えて、確認の往復や問い合わせによって発生している工数にも目を向ける必要があります。
案内方法や申請手順、社内情報の整理方法を見直すことで、担当者だけでなく従業員側の負担軽減にもつながります。
目標例
- 勤怠の修正依頼を月20件から10件以下に減らす
- ○月までに主要な社内申請5種類の手順を整理する
- よくある問い合わせを10項目にまとめ、問い合わせ件数を20%削減する
- 勤怠確認にかかる月間作業時間を15%短縮する
総務・人事事務では、担当部署内だけでなく、社内全体の手間をどの程度減らせるかという視点を入れると、業務効率化の効果を示しやすくなります。
事務職の目標は「時間・件数・ミス」の3軸で数値化する
事務職の目標は、できるだけ達成度を確認できる形にすると評価しやすくなります。数値化する際は、業務の性質にあわせて指標を選ぶことが重要です。
ここでは、事務業務の目標を具体化する際に使いやすい考え方を解説します。
作業時間|「1件○分」「月○時間削減」などで設定する
業務にかかる時間は、事務職の効率化を数値で示しやすい指標です。定型業務や繰り返し作業であれば、現在の所要時間を測り、そこから削減幅を決める方法が適しています。
例えば、1件あたり20分かかっている処理を15分以内にする、月間30時間かかっている集計作業を25時間まで減らすといった形です。現状値と目標値を並べることで、改善前後の差も明確になります。
ただし、時間短縮だけを追うと、確認不足やミスの増加を招くおそれがあります。作業品質を保てる範囲で目標値を設定し、必要に応じてミス件数など別の指標も組み合わせるとよいでしょう。
処理件数|一定時間内に対応できる件数を指標にする
書類処理やデータ登録など、件数で把握しやすい業務では、処理件数を指標として活用できます。単純な総件数ではなく、「1時間あたり」「1日あたり」といった時間軸と組み合わせると、業務効率の変化が見えやすくなります。
目標としては、「1時間あたり10件だった処理件数を12件へ増やす」「1日50件の登録作業を安定して完了する」などが考えられます。処理量を基準にすれば、改善後の成果も比較しやすいでしょう。
一方で、繁忙期や案件の難易度によって処理量が変わる業務では、件数だけで判断すると実態とずれる場合があります。業務内容にばらつきがある場合は、対象業務を限定したり、平均値を使ったりすると現実的な目標に整えられます。
ミス・差し戻し|入力ミスや修正件数の削減を目標にする
正確性が求められる事務業務では、ミスや差し戻しの件数も重要な指標です。処理速度が上がっていても修正作業が増えていれば、業務全体が効率化したとはいえません。
まずは、入力ミスや書類不備、申請の差し戻しなどが一定期間に何件発生しているかを確認します。そのうえで、「月5件ある入力ミスを2件以下にする」「差し戻し件数を前期比20%削減する」といった形に落とし込みます。
件数だけでなく、発生原因まで確認することも欠かせません。入力ルールのばらつきや確認工程の不足が原因であれば、チェックリストの導入や手順の見直しと組み合わせることで、より実効性のある改善につながります。
数値化しにくい業務は期限や完了条件を明確にする
すべての事務業務を、時間や件数だけで表せるわけではありません。マニュアル整備や業務フローの見直し、情報共有ルールの策定などは、単純な数値では成果を測りにくい業務です。
この場合は、「いつまでに」「どの状態まで進めるか」を決めます。「○月末までに月次業務のマニュアルを完成させる」「上期中に申請フローを整理して関係部署へ共有する」といった設定であれば、達成の有無を判断できます。
成果物がある業務では、作成数や対象範囲を基準にする方法も有効です。無理に数値へ置き換えるのではなく、第三者が見ても完了したかどうかを判断できる基準を設けることが重要です。
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目標管理シートに書きやすい業務効率化の目標にするコツ

目標管理シートでは、目標の内容だけでなく、達成したかどうかを後から判断できる書き方が求められます。曖昧な表現を避け、評価しやすい形へ整えることが大切です。ここからは、目標管理シートに落とし込みやすくするためのポイントを順に見ていきましょう。
「何を・どこまで・いつまでに」を1つの目標に入れる
目標管理シートでは、「業務を効率化する」「作業時間を減らす」といった表現だけでは、具体的に何を目指しているのか伝わりにくくなります。
そこで、対象となる業務、目指す状態、期限の3点を1つの目標に含めます。「○月末までに月次報告書の作成時間を2時間以内に短縮する」とすれば、取り組む業務とゴールが明確です。
期限まで設定しておけば、途中で進捗を確認するタイミングも決めやすくなります。目標を書いた本人だけでなく、評価する側が同じ基準で内容を理解できる形に整えることがポイントです。
現状値と目標値をセットにして改善幅を明確にする
数値で表せる業務では、目標値だけでなく現状値も記載すると、どの程度の改善を目指しているのかが伝わりやすくなります。
「請求書処理を月8時間以内にする」だけでは、現在との差がわかりません。「月10時間かかっている請求書処理を8時間以内に短縮する」とすれば、2時間の削減を目指していることが明確です。
現状を把握せずに高すぎる目標を設定すると、実現性の低い内容になるおそれもあります。まず現在の作業時間や件数を確認し、その数値を基準に現実的な改善幅を決めるとよいでしょう。
自分の行動で達成できる範囲に絞る
目標は、自分の取り組みで結果を変えられる範囲に設定することも大切です。他部署や取引先の対応に大きく左右される内容では、本人が努力しても達成できないケースがあります。
例えば、「他部署からの申請ミスをゼロにする」だけでは、自分だけで結果をコントロールできません。「申請ミスを減らすため、○月までに申請手順とチェックリストを整備する」とすれば、自分が担当する行動と成果を結び付けられます。
複数部署が関係する業務であっても、自分が改善できる工程を切り分ければ目標として設定しやすくなります。評価時にも、本人がどのような取り組みを行ったのか確認しやすいでしょう。
「効率化する」だけで終わらず達成基準まで書く
「業務を効率化する」「ミスを減らす」といった目標は方向性こそ伝わりますが、どの状態になれば達成なのかがわかりません。目標管理シートでは、達成基準まで具体化しておく必要があります。
作業時間なら「月○時間以内」、ミスなら「月○件以下」、マニュアル整備なら「○月までに対象業務○件分を完成」といった形で基準を設けます。数値化しにくい業務でも、期限や成果物、完了条件を決めれば評価が可能です。
達成基準が明確であれば、期末になってから評価方法に迷うことも防げます。目標を立てる段階で「何をもって達成とするか」まで決めておくことが重要です。
事務の業務効率化に向けた目標設定の進め方

業務効率化の目標は、思いつきで決めるのではなく、現状を整理したうえで段階的に組み立てることが大切です。実際の業務に沿って進めることで、実行しやすく評価もしやすい目標になります。
現在の業務量・作業時間・ミスを把握する
最初に、現在どのような業務を担当し、どの程度の時間や工数がかかっているのかを整理します。現状が曖昧なままでは、改善すべき業務や適切な目標値を判断できません。
業務ごとに作業頻度、所要時間、処理件数、ミスや差し戻しの発生状況などを確認すると、負担の大きい部分が見えやすくなります。毎日発生する作業だけでなく、月末や繁忙期に集中する業務も対象にするとよいでしょう。
ここで把握した数値は、後から改善効果を測る基準にもなります。「現在は月10時間かかっている」「差し戻しが月5件ある」など、できる範囲で具体的に記録しておくことが重要です。
改善効果と実現しやすさから優先順位を決める
課題を洗い出したら、すべてを一度に改善しようとせず、取り組む順番を決めます。候補が多すぎると業務負担が増え、どの施策も中途半端になるおそれがあります。
優先順位を考える際は、「改善した場合の効果」と「実現しやすさ」の両面を見る方法が有効です。多くの時間を使っている業務や、頻繁にミスが起きる作業は、改善による効果が大きい候補といえます。
一方で、システム変更や複数部署との調整が必要な施策は、短期間では実施しにくい場合もあります。まずは効果が期待でき、現在の体制でも着手しやすい課題から進めると、改善を継続しやすくなるでしょう。
SMARTの法則を使って具体的な目標に落とし込む
改善する業務を決めたら、目標を具体的な言葉にします。その際に活用できるのが、目標設定の考え方である「SMARTの法則」です。
SMARTは、次の5つの要素から構成されます。
- Specific(具体的):何を改善するのかが明確である
- Measurable(測定可能):数値などで達成度を確認できる
- Achievable(達成可能):現実的に実現できる内容である
- Relevant(関連性):業務や組織の目的と結び付いている
- Time-bound(期限が明確):いつまでに達成するかが決まっている
例えば、「書類作成を効率化する」ではなく、「3カ月以内に月次報告書の作成時間を3時間から2時間へ短縮する」と設定すれば、何をどこまで改善するのかが明確です。
5つの要素をすべて形式的に当てはめることよりも、曖昧な目標を実行・評価できる内容へ具体化するための基準として活用するとよいでしょう。
目標達成に必要な作業や改善策を決める
目標を設定しただけでは、業務効率化は進みません。目標を達成するために、実際に何を変えるのかまで具体化しておく必要があります。
作業時間の短縮を目指すのであれば、テンプレートの作成、Excelの関数やツールの活用、作業工程の削減などが候補になります。ミスの削減が目的なら、チェックリストの整備や入力ルールの統一など、原因にあった対策を考えます。
このとき、改善策を増やしすぎないこともポイントです。目標との関連性が高い施策から実行し、効果を確認しながら必要に応じて追加・修正するほうが、日常業務と両立しやすくなります。
月次・四半期など振り返るタイミングを設定する
業務効率化の取り組みは、目標期限まで放置せず、途中で進捗を確認する機会を設けます。定期的に振り返ることで、予定どおり進んでいない場合も早めに原因を把握できます。
振り返りの頻度は、目標期間や業務内容に応じて決めます。半年間の目標なら月次や四半期ごと、短期間の取り組みなら週次や月次など、変化を確認できる間隔を設定するとよいでしょう。
確認するのは達成率だけではありません。業務量の増減や体制変更などによって、当初の目標が現状にあわなくなる場合もあります。必要に応じて改善策や目標値を見直しながら、実務にあった形で取り組みを続けることが大切です。
事務の業務効率化を目標だけで終わらせないための具体的な改善策

目標を設定したあとは、実際の業務に落とし込むための改善策が必要です。現在の課題や業務量にあわせて、取り組みやすい方法から見直していきましょう。
Excel・テンプレート・ツールで繰り返し作業を減らす・自動化する
定型的な入力や集計、書類作成などは、Excelやテンプレート、業務ツールを活用することで作業負担を軽減できます。同じ内容を毎回手入力している場合や、似た形式の資料を一から作成している場合は、改善効果が出やすい領域です。
Excelでは、関数や入力規則、マクロなどを使うことで、集計や転記にかかる手間を減らせます。見積書や報告書、メール文面などもテンプレートを整備しておけば、毎回同じ内容を作成する必要がありません。
さらに、勤怠管理や経費精算、請求書処理などは、専用ツールへ切り替えることで入力・確認・共有まで一連の流れを効率化できる場合があります。すべてを自動化するのではなく、繰り返し回数が多く、手作業の負担が大きい業務から優先して見直すと効果を確認しやすいでしょう。
業務フローや承認手順を見直して二度手間を減らす
作業そのものではなく、業務の進め方に無駄が含まれているケースもあります。複数の担当者が同じ内容を確認している、紙とデータの両方へ記録している、承認のたびに資料を作り直しているといった状態です。
業務フローを整理する際は、「誰が」「何を」「どの順番で」処理しているかを可視化します。そのうえで、重複している工程や省略できる確認作業がないかを確認すると、改善ポイントが見つかります。
承認手順についても、必要以上に確認者が多くなっていないか、申請方法が複雑になっていないかを見直すことが大切です。1つひとつの工程は短くても、積み重なると大きな工数になるため、業務全体の流れで判断する必要があります。
マニュアル化して属人化を防ぐ
特定の担当者しか進め方を把握していない業務は、不在時の対応や引き継ぎに時間がかかります。作業手順や判断基準をマニュアルとして整理しておけば、ほかの担当者でも対応しやすくなります。
マニュアルには、操作手順だけでなく、作業するタイミングや確認ポイント、エラーが起きた場合の対応方法まで含めておくと実務で使いやすくなります。画像や画面キャプチャを加える方法も有効です。
ただし、作成して終わりにすると、業務内容の変更によって情報が古くなる場合があります。定期的に内容を確認し、実際の業務フローとずれがない状態を保つことも欠かせません。
担当者が行う必要のない事務業務を切り分ける
業務効率化では、作業方法を改善するだけでなく、「その業務を現在の担当者が行う必要があるか」という視点も重要です。
専門的な判断や社内調整が必要な業務と、データ入力や資料作成などの定型業務が混在していると、本来注力すべき業務に十分な時間を使えないことがあります。まずは担当業務を整理し、自社で対応すべきものと、ほかの担当者や外部へ任せられるものを切り分けます。
特に、手順が決まっていて継続的に発生する業務は、分担や外注を検討しやすい分野です。作業そのものを減らすだけでなく、人員配置まで含めて見直すことで、事務業務全体の効率化につながります。
事務業務の外注で効率化しやすい業務とは

事務業務の外注を検討する際は、どの業務を任せると効率化につながりやすいかを見極めることが重要です。定型的なデータ入力や資料作成、バックオフィス業務、リサーチなどは、業務内容を整理すれば外部へ切り出しやすい傾向があります。
ここでは、外注しやすい事務業務の具体例と、社内に残す業務との切り分け方をご紹介します。
定型的なデータ入力や資料作成
手順やフォーマットが決まっているデータ入力、集計、資料作成などは、外注しやすい業務の1つです。作業方法を共有しやすく、担当者の判断を必要とする場面も比較的少ないため、社外へ切り出しやすい傾向があります。
定型業務を社内で処理し続けていると、担当者の時間が細かな作業に取られ、本来注力したい業務へ十分な時間を確保できない場合があります。繰り返し発生する作業ほど、外注による工数削減の効果も積み上がりやすいでしょう。
外注する際は、入力ルールやファイル形式、納期、確認方法などをあらかじめ整理しておくことが大切です。業務手順が曖昧なまま依頼すると確認の往復が増えるため、依頼前に作業内容を標準化しておくとスムーズです。
請求書や経費などのバックオフィス業務
請求書の作成・整理や経費精算に関する事務作業など、継続的に発生するバックオフィス業務も外注を検討しやすい分野です。
こうした業務は毎月一定の工数が発生しやすく、繁忙期には担当者の負担が集中することもあります。定型的な部分を外部へ任せれば、社内では確認や判断が必要な業務へ時間を使いやすくなります。
ただし、金額や個人情報など機密性の高い情報を扱う場合もあるため、情報管理体制の確認は欠かせません。依頼範囲や閲覧できる情報を必要最低限に絞り、社内で対応する工程との境界を明確にしておく必要があります。
リサーチや情報整理
競合調査、リスト作成、Web上の情報収集、資料の整理なども、外注と相性のよい業務です。必要な情報の条件や収集範囲を明確にできれば、社内担当者が一から調べる時間を減らせます。
特に、一定のルールに沿って大量の情報を集める作業は、調査そのものよりも工数が負担になりやすい業務です。収集部分を外部へ任せ、社内では分析や意思決定に集中する形へ分担すると、時間を有効に使えます。
依頼時には、「何を調べるか」だけでなく、対象範囲、必要項目、納品形式、情報源の条件まで決めておくと認識のずれを防ぎやすくなります。調査結果をそのまま使うのか、社内で精査してから活用するのかも整理しておくとよいでしょう。
社内で対応する業務と外注する業務を切り分ける
外注を活用する際は、すべての事務業務をまとめて任せるのではなく、社内に残す業務との切り分けが重要です。
社内固有の判断が必要な業務、機密性が高い業務、他部署との調整が多い業務などは、社内で対応したほうが進めやすい場合があります。一方、手順が決まっている定型業務や、一定のルールに沿って処理できる作業は外注候補として整理しやすいでしょう。
切り分ける際は、「専門的な判断が必要か」「社外へ共有してよい情報か」「手順を標準化できるか」「継続的に工数が発生しているか」といった観点で確認します。外注そのものを目的にするのではなく、社内の限られたリソースをどこへ配分するかという視点で考えることが大切です。
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まとめ|事務の目標は日常業務を数値化して業務効率化につなげよう
事務職の目標設定では、作業時間・処理件数・ミスなどを基準に、達成度を確認できる形へ具体化することが大切です。現状を整理し、改善対象と期限を明確にすると、目標管理シートにも落とし込みやすくなります。
目標を立てたあとは、Excelやツールの活用、業務フローの見直し、マニュアル化などを通じて、実際の業務改善へつなげていきます。社内だけで対応しきれない場合は、定型業務やバックオフィス業務を外部へ切り出す方法も有効です。
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