意外と難しい…外注管理で失敗しないポイントとは?方法やツール等とともに解説

近年、業務効率化や人件費最適化のために、外注を活用する企業が増えています。ただ、社内で仕事を進めるわけではないため、進捗や品質が見えにくいという課題が浮かびがちです。

そこで重要になってくるのが外注管理。今どの外注先がどんな業務を、どの程度行っているのか、自社の責任で把握することで、外注のメリットをフルに活用でき、トラブル回避にも繋がるのです。

本記事では外注管理について、重要性や具体的な方法、コツなどを解説します。

外注管理とは?

外注管理とは、言葉の通り、外注した業務の進捗や品質を管理することです。

プロジェクトというのは、計画通り完璧に進むことがあまりありません。社内で取り組むときでさえそうなので、外注が絡むとなおさらです。

もし遅れやミスが生じているのであれば、早急に対応する必要があります。遅れれば遅れるほど傷は深くなるため、外注している業務に問題がないかどうかを、定期的に把握することは非常に重要です。

外注管理の目的と重要性

外注には、業務効率化や人件費最適化などのメリットがあります。しかし同時に、お互いの認識にズレが発生したり、任せた業務がブラックボックス化したりといったデメリットもあり、外注先へ丸投げするわけにはいきません。

メリットをフルに享受するためには、依頼した業務が正確に実行されているかを、定期的にモニタリングすることが重要です。進捗表を作成し共有する、外注先とこまめに連絡を取り合うといった方法があり、これらについては後ほど詳しくお話します。

外注管理が難しい理由

いざ外注を活用しはじめると、少なからず企業が「外注管理が難しい」という悩みを抱えるようになります。ここでは、その理由を解説します。

①外注先の取り組みを可視化しにくいから

外注先は自社と離れた場所で作業するため、実際の取り組みを可視化しにくいという問題があります。外注先に連絡を取り、定期的に進捗を報告してもらいましょう。

②意識の共有がしにくいから

外注先は自社の従業員ではないため、自社のルールや価値観の共有が難しいのも理由のひとつです。ここでもやはり、外注先とのこまめなコミュニケーションが重要になります。

外注管理は発注者の責任で行おう

外注が上手くいくかどうかは、外注管理を行う発注者次第です。「外注先が何とかしてくれるだろう」という姿勢では上手くいきません。

外注先が仕事を円滑に進めるためにも、依頼の際に指示内容を明確にしておく必要があります。加えて、発注者は外注業務の進展具合を定期的に確認し、お互いの認識をすり合わせなければなりません。

外注管理の方法

では、具体的にどんな方法で外注管理をすればよいのか。例を5つ紹介します。

①ガントチャート

ガントチャートとは、プロジェクト管理や開発現場において、スケジュールや作業進捗の共有、可視化するための工程管理表のことをいいます。プロジェクト全体を可視化でき、チームでの共有が可能です。

ガントチャートはタスクと開始日時、終了日時というシンプルな構造で視覚的に理解しやすく、プロジェクトのタイムラインを把握できるのがメリットです。デメリットは、シンプルな構造なのでタスクの工数を把握しづらいことです。

また、プロジェクトを進めていく前に全てのタスクや工数などを決めてしまうため、作業の工程が進むにつれて計画よりも時間がかかり、ガントチャートを修正するのに時間がかかる可能性があります。

ガントチャートは、以下のようなツールで作成できます。

・Googleのスプレッドシート
・Excel
Notion
Asana
Jooto
etc.

②タイムライン

タイムラインとは、プロジェクトタイムラインともいい、プロジェクトの流れや開始から完了までの期日を表示したもので、時間管理を行うときに活用されています。チームでの共有ができ、それぞれが現在どの業務を行っているか把握できます。

特定のタスクを実行するタイミングが分かるので、意識的に時間を使うようになり、プロジェクトのリソースをより効率的に割り当てて管理できます。また、タスクの遅れやトラブルがあった場合にも、素早い対応が可能なこともメリットです。

デメリットはガントチャートと異なり、タスクの依存関係や完了状態の表示には制限があることです。

タイムラインは、以下のようなツールで作成できます。

・Googleのスプレッドシート
・Excel
Notion
Asana
etc.

③ToDoリスト

ToDoリストとは、やるべきことをリスト化したものをいいます。作業が可視化されることで、業務の優先順位をつけて、今やるべきことが明確になります。

ToDoリストを作成するメリットは、タスクの明確化によりタスクの漏れ防止や作業量の見積もりができることです。デメリットは、難しいタスクが残りやすくなることや複数のプロジェクト管理には不向きな場合があることです。

ToDoリストは、以下のようなツールで作成できます。

・Google ToDoリスト
・Excel
Microsoft To Do
Notion
etc.

④PERT

プロジェクトの工程にかかる日数を可視化し、業務の流れや各工程の依存関係を図示したものをいいます。プロジェクトや必要工程、作業日数を確認でき、各工程の依存関係や所要時間など全体の流れが把握できます。

PERTのメリットは、タスクに優先順位をつけることができ、最短のスケジュールを立てられることです。デメリットは、個々の工程の進捗状況を把握しづらいことです。

PERTは、以下のようなツールで作成できます。

・PowerPoint
Edraw Max 
Lucidchart
etc.

⑤WBS

WBSとは、プロジェクト全体を細かい作業に分解して構造化し、整理したものです。WBSを活用することで作業や役割分担が明確になります。

根拠を持って整理されているため、顧客への説明にも適しており、具体的な根拠をあげることで顧客からの安心感や信頼感の獲得に繋がります。また、業務の漏れが少なく、精度の高い見積もりが可能なのがメリットです。

しかし、未来の作業になるほど情報が不足して、不明瞭な作業が発生するデメリットがあります。

WBSは、以下のようなツールで作成できます。

・Excel
Asana 
Jooto
Edraw Max
etc.

外注管理を効果的に行うポイント

最後に、外注管理を効果的に行うポイントを4つ紹介します。

1:タスクを細分化する

業務全体におけるタスクを細分化し、それぞれの工数を把握した上で、一つ一つの進捗率を可視化しましょう。その業務に携わった経験のない人でも業務全体を把握しやすくなり、今どうなっていて何をすべきかが分かりやすいです。

さらに、タスクを細分化することで、タスクごとの必要なスキルが明確になるため、適した人材にタスクを任せられます。また、ボトルネックの発見にも役立つでしょう。

2:スケジュールを明確にする

スケジュールがなければ、進捗状況は計画したスケジュールに対して進んでいるのか遅れているのか判断できません。適切なスケジュール管理を行うことで、期日から逆算した業務管理、タスクの優先順位がつけやすくなります。期限内に業務をこなすだけでなく、時間の有効活用に繋がるでしょう。

また、進捗状況がスケジュールに対して遅れている場合、どのタスクで何が原因となっているのか確認できるので、迅速に対応できます。

3:進捗率に頼りすぎない

進捗率は、作業の進み具合を数値化したもののため、進捗率を把握することでなんとなく管理できている気になってしまいます。進捗率の数値も重要ですが、その進捗率の裏でトラブルが発生していることもあります。

進捗率の数値で作業も順調に進んでいると安心せず、進捗率以外にも、メンバーの体調や抱えているタスク量を把握しておきましょう。

4:定例的に進捗会議を開く

定例的に進捗会議を開き、顔を合わせて意見を交わすことで、チームの連携を深められます。自社と外注先との距離が離れていて直接顔を合わせられない場合は、ITツールを活用すると良いでしょう。

また、業務の報告はチャットや文書でも共有できますが、細かい内容までは伝えられません。定期的に進捗会議を開くことで、チーム全体に作業の進捗状況を細かい内容まで共有でき、問題が発生した場合は、早い段階でプロジェクトの軌道修正が図れます。

まとめ

本記事では、外注管理の重要性や効果的に行う方法などについて紹介しました。外注には、コスト削減や業務効率・生産性の向上などのメリットがありますが、外注の効果をより高めるには、適切な外注管理を行うことが重要です。

外注管理で悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。