「記帳代行を外注したいけれど、税理士資格のない会社やフリーランスに依頼すると税理士法違反になるのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。
国税庁の「税理士制度のQ&A」では、税理士業務として「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つが示されています。一方、会計帳簿の記帳代行などの会計事務そのものは、税理士業務とは区別されています。つまり、記帳代行だから直ちに税理士法違反になるわけではなく、実際に依頼する業務の内容が重要です。
本記事では、国税庁などの公的資料をもとに、税理士資格がなくても対応できる記帳代行の範囲や税理士法違反となるケース、税理士と記帳代行サービスの使い分け、依頼先を選ぶ際のポイントまで解説します。
記帳代行そのものは税理士法違反ではない

記帳代行は、依頼しただけで税理士法違反になる業務ではありません。ただし、記帳に付随して税務相談や申告書の作成などまで任せる場合は注意が必要です。まずは、記帳代行と税理士業務の境界を整理します。
記帳代行には税理士資格が必須ではない
税理士法では、税理士業務として「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つを定めています。一方、会計帳簿への記帳代行や財務書類の作成などは、これらとは区別して「会計事務」として扱われています。
そのため、帳簿への記帳や会計ソフトへの入力といった記帳代行そのものに、税理士資格が必須というわけではありません。会計帳簿の記帳の代行などは、税理士業務とは別の会計事務に該当します。
ただし、記帳代行という名称であっても、実際の業務内容が税務代理・税務書類の作成・税務相談に該当する場合は扱いが異なります。どこまで依頼できるかは、サービス名ではなく実際の業務内容を確認することが重要です。
税理士以外の会社やフリーランスでも記帳代行はできる
税理士資格を持たない会社やフリーランスであっても、税理士業務に該当しない範囲の記帳代行を受託すること自体が、直ちに税理士法違反となるわけではありません。
税理士または税理士法人以外に原則として認められていないのは、税務代理・税務書類の作成・税務相談にあたる「税理士業務」です。したがって、取引資料をもとに帳簿へ記帳するなど、税理士業務に当たらない会計事務であれば、依頼先が税理士である必要はありません。
ただし、記帳代行を請け負う会社やフリーランスが、依頼者からの税務上の質問に判断を示したり、申告書を自己の判断で作成したりする場合は、税理士業務に該当する可能性があります。依頼する側も、事前に対応範囲を確認しておく必要があります。
違法かどうかは「資格の有無」ではなく「依頼する業務」で決まる
記帳代行を依頼する際に確認したいのは、依頼先が税理士資格を持っているかどうかだけではありません。重要なのは、実際にどの業務を任せるかです。
例えば、会計帳簿への入力を任せることと、税金の計算方法について具体的な判断を求めることでは、税理士法上の位置づけが異なります。具体的な質問に対して、租税の課税標準等の計算に関する答弁・指示・意見表明を行うことは「税務相談」に該当します。また、申告書等を自己の判断に基づいて作成することは「税務書類の作成」にあたります。
つまり「記帳代行」という名称のサービスでも、税理士業務まで含まれていれば問題となる可能性があります。反対に、税理士業務に踏み込まず会計事務の範囲にとどまるのであれば、税理士資格のない事業者へ依頼すること自体が税理士法違反になるわけではありません。
次章では、この境界を判断するうえで重要な3つの税理士業務を詳しく整理します。
税理士法で定められている3つの税理士業務
税理士法では、税理士業務として「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つが定められています。記帳代行との境界を把握するため、それぞれどのような業務を指すのか確認しておきましょう。
税務代理とは
税務代理とは、納税者に代わって税務署などに対し、税務に関する申告や申請、請求などを行うことです。国税庁の「税理士制度のQ&A」では、税務官公署に対する租税に関する法令などに基づく申告・申請・請求などについて代理・代行することが税務代理に含まれています。
例えば、依頼者に代わって確定申告を行ったり、税務署に対する各種手続きを代理したりする業務が該当します。また、税務調査の際に納税者に代わって税務署へ主張や陳述を行うことも税務代理の範囲です。
このため、記帳代行業者が帳簿を作成するだけでなく、依頼者に代わって税務申告や税務上の手続きまで行う場合は、単なる記帳代行の範囲を超えることになります。
税務書類の作成とは
税務書類の作成とは、税務官公署へ提出する申告書や申請書などを、他人の求めに応じて自己の判断に基づいて作成することです。
対象となるのは、所得税や法人税、消費税などの申告書をはじめ、税務に関する各種申請書や届出書などです。単に帳簿の数字を会計ソフトへ入力する作業とは異なり、その内容を判断したうえで税務書類として仕上げる業務が該当します。
そのため、記帳代行で集計したデータを税理士へ渡すところまでであれば会計事務の範囲に収まりますが、記帳代行業者がそのデータをもとに自己の判断で申告書などを作成する場合は、税理士業務との境界に注意が必要です。
税務相談とは
税務相談とは、税金に関する具体的な質問について、課税標準や税額などの計算に関する答弁・指示・意見表明を行うことです。
例えば、「この支出は経費として計上できるか」「この取引にはどの税率を適用するか」といった個別の事情について、税法上の判断を示す行為が該当する可能性があります。一方、記帳に必要な資料を整理したり、決められたルールに沿ってデータを入力したりするだけであれば、税務相談とは性質が異なります。
記帳代行では、日々の経理処理を進めるなかで税務上の判断が必要になる場面もあります。税務に関する判断まで求めたい場合は、税理士へ相談できる体制があるかを確認しておくことが重要です。
記帳代行で税理士法違反になる具体的なケース

記帳代行そのものは税理士資格がなくても行えますが、業務の途中で税理士業務まで担うと税理士法に抵触するおそれがあります。どのようなケースが問題になるのか、具体的に確認していきましょう。
記帳業務の範囲を超えて税務相談に応じる
記帳代行では、領収書や請求書などの資料をもとに帳簿を作成します。しかし、作業中に依頼者から税金に関する相談を受け、具体的な税務判断まで示す場合は注意が必要です。
税理士法上の「税務相談」には、具体的な質問に対して、課税標準や税額などの計算に関する答弁・指示・意見表明を行うことが含まれます。例えば、「この支出は税務上の経費として認められるか」「この取引にはどの税率を適用すべきか」といった質問に対し、個別事情を踏まえて判断を示す行為は、単なる記帳作業とは異なります。
記帳に必要な資料を整理したり、あらかじめ定められた処理方法に沿って入力したりすることと、税法上の判断を示すことは分けて考える必要があります。税務上の判断が必要になった場合は、税理士へ確認できる体制を整えておくことが重要です。
確定申告書などの税務書類を本人に代わって作成する
確定申告書をはじめ、税務官公署へ提出する申告書や申請書などを他人の求めに応じて作成する行為は、「税務書類の作成」に該当します。
記帳代行業者が帳簿を作成し、申告に必要な会計データを整理するところまでは、税理士業務とは区別されます。しかし、そのデータをもとに所得税や法人税、消費税などの申告書を本人に代わって作成する場合は、業務の性質が変わります。
特に注意したいのは、申告書作成の対価を別途受け取っていない場合です。税理士法上の「業とする」には、反復継続して行う場合や、その意思をもって行う場合が含まれ、必ずしも有償である必要はありません。「記帳代行料金の範囲内だから問題ない」と考えず、税務書類の作成に該当する業務は税理士へ任せる必要があります。
納税者本人に代わって税務官公署への申告・申請・請求等を代理・代行する
納税者本人に代わって税務署などへの申告や申請、請求を行うことは、「税務代理」に該当します。
例えば、記帳代行業者が作成した帳簿をもとに、そのまま依頼者を代理して確定申告を行ったり、税務署への各種申請を代行したりするケースが該当します。また、税務調査の場で納税者に代わって税務署に主張や陳述を行うことも税務代理の範囲です。
帳簿を整えて申告に必要な資料を本人や税理士へ渡すことと、本人に代わって税務手続きを行うことは別の業務です。記帳代行を依頼する際は、申告や税務手続きまで誰が担当するのかを事前に確認しておくと、業務範囲を明確にできます。
記帳代行と税理士業務を区別せずに一括で請け負う
「記帳から確定申告までまとめて対応」といった形でサービスを提供していても、そのすべてを税理士資格のない事業者が行えるわけではありません。
帳簿への入力や経理データの整理などは記帳代行として対応できますが、税務相談・税務書類の作成・税務代理に該当する部分は税理士業務です。記帳代行と税理士業務を区別せず、無資格者が税理士業務まで一括して行えば、税理士法に抵触するおそれがあります。
一方、一括で受け付けるサービスでも、税理士業務に該当する部分について、誰が依頼を受け、誰が実際に業務を行うのかを確認する必要があります。税理士が名義だけを貸し、非税理士が実質的に税務書類を作成する行為は認められていません。依頼時には、どの業務を誰が担当するのかまで確認することが大切です。
税理士資格がなくても対応できる記帳代行の業務範囲

税理士資格がなくても、税理士業務に該当しない会計事務であれば対応できます。記帳代行で一般的に任せられる業務範囲を整理します。
帳簿への記帳や会計ソフトへの入力を代行する
領収書や請求書、通帳などの資料をもとに、帳簿へ取引内容を記録したり、会計ソフトへデータを入力したりする業務は、記帳代行の中心となる業務です。国税庁でも、会計帳簿の記帳代行などの会計事務は、税務代理・税務書類の作成・税務相談からなる税理士業務とは区別されています。
例えば、取引日や金額、取引内容などを帳簿へ反映する作業や、あらかじめ定められたルールに沿って会計ソフトへ入力する作業などを任せられます。日々発生する取引件数が多い企業では、こうした定型的な作業を外注することで、社内の経理担当者が確認や管理などの業務に時間を使いやすくなります。
ただし、入力作業の途中で税法上の判断が必要になった場合は別です。単なる記帳の範囲を超えて税務上の判断を求める場合には、税理士へ確認する必要があります。
記帳に必要な経理データを整理する
記帳そのものだけでなく、その前段階となる経理資料の整理も外注できます。領収書や請求書、銀行口座の入出金明細などを取りまとめ、記帳に使える状態へ整える業務です。
例えば、証憑を取引ごとに整理する、データ化された領収書を分類する、入出金明細と関連資料を照合するといった作業が挙げられます。資料の不足や確認が必要な取引を洗い出しておけば、その後の記帳作業も進めやすくなります。
社内で資料の収集や整理に時間がかかっている場合は、こうした前処理から任せる方法もあります。ただし、資料を整理する過程で税務上の扱いを決定する必要がある場合は、記帳代行だけで判断せず税理士へ確認することが大切です。
税務判断を伴わない経理業務を代行する
税理士資格が必要なのは税理士法で定められた税理士業務であり、すべての経理業務が税理士業務に該当するわけではありません。そのため、税務判断を伴わない定型的な経理業務であれば、記帳とあわせて外注できる場合があります。
例えば、請求書の発行、入金状況の確認、支払データの整理、経費精算に必要な書類の取りまとめ年末調整に必要な書類の回収・整理やデータ入力などです。自社で処理方法や運用ルールを定め、そのルールに沿って作業してもらう形であれば、経理担当者の実務負担を減らしやすくなります。
一方、「この支出を税務上どのように扱うべきか」といった個別の税務判断まで求めると、税務相談に該当する可能性があります。記帳代行へ依頼する際は、定型的な経理作業と税理士へ確認すべき業務を分けておくことが重要です。
税理士法違反が発生するとどのようなリスクがある?

無資格者が税理士業務を行うと、業務を行った側だけでなく、依頼した企業にも影響が及ぶ可能性があります。どのようなリスクが考えられるのか、提供者側と依頼者側に分けて確認します。
無資格で税理士業務を行った側が税理士法違反に問われる可能性がある
税理士法では、税理士または税理士法人など一定の者を除き、税理士業務を行うことを原則として禁止しています。記帳代行業者などが資格を持たないまま、税務代理・税務書類の作成・税務相談を業として行った場合は、税理士法違反に問われる可能性があります。
税理士法第52条に違反した場合には、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される場合があります。また、報酬を受け取っていなければ自由に税理士業務を行えるわけではありません。国税庁も、税理士などではない者が有償・無償を問わず税理士業務を行うことは、税理士法第52条に違反するとしています。
そのため、記帳代行を提供する側は、会計事務として対応できる範囲と税理士にしか任せられない業務を明確に区別する必要があります。業務名が「記帳代行」「経理代行」であっても、実際の内容が税理士業務に当たるかどうかが重要です。
依頼する企業側にも業務のやり直しなどの負担が生じる可能性がある
税理士資格のない事業者へ税理士業務まで依頼すると、依頼した企業にも実務上の負担が生じるおそれがあります。国税庁は、いわゆる「にせ税理士」へ税理士業務を依頼した場合、不測の損害を受けたり、税務上のトラブルの原因になったりする可能性があるとして注意を呼びかけています。
例えば、申告内容に誤りがあれば、帳簿や証憑をあらためて確認し、必要に応じて申告内容を訂正する対応が必要になることがあります。別の税理士へ依頼し直すことになれば、資料の引き継ぎや内容の確認にも追加の時間や費用がかかるでしょう。
記帳代行を依頼したこと自体によって、依頼企業が直ちに税理士法違反として処罰されるという意味ではありません。ただし、税務申告に関する責任や対応がなくなるわけではないため、契約前に記帳代行業者の対応範囲を確認し、税理士業務が必要な部分を適切な有資格者へつなげられる体制かどうかを確認することが大切です。
税理士と記帳代行サービスはどう使い分ける?
税理士と記帳代行サービスでは、任せられる業務の範囲が異なります。自社が外注したい業務を整理したうえで、適した依頼先を選ぶことが大切です。
記帳を中心に任せるなら記帳代行サービス
帳簿への記帳や会計ソフトへの入力、領収書・請求書などの整理を中心に外注したい場合は、記帳代行サービスが選択肢になります。これらの会計事務は、税務代理・税務書類の作成・税務相談といった税理士業務とは区別されています。
例えば、毎月の取引件数が多く、経理担当者が入力作業に追われている場合には、定型的な記帳業務を外部へ任せることで社内の負担を軽減できます。税務判断を必要としない請求書の発行や入出金データの整理など、記帳に関連する経理業務をあわせて依頼できるサービスもあります。
ただし、対応範囲はサービスによって異なります。記帳以外の経理業務も依頼したい場合は、自社が任せたい業務に対応しているかを契約前に確認しておくとよいでしょう。
税務相談や申告まで任せるなら税理士
記帳だけでなく、税金に関する具体的な相談や申告書の作成、税務署への申告・手続きまで依頼したい場合は、税理士への依頼が適しています。
税務代理・税務書類の作成・税務相談は、税理士法で定められた税理士業務です。例えば、法人税や所得税の申告書を作成してもらう、個別の取引について税務上どのように処理すべきか相談する、納税者に代わって税務署への手続きを行ってもらうといった場合が該当します。
記帳から税務申告まで一貫して任せたい企業にとっては、税務面まで対応できることが税理士へ依頼するメリットです。一方、記帳やデータ入力だけを外注したい場合には、必要な業務範囲と費用のバランスを踏まえて依頼先を検討するとよいでしょう。
記帳と税務の両方が必要なら連携体制を確認する
日常的な記帳は記帳代行サービスへ任せ、税務判断や申告は税理士が担当するという分担も可能です。この場合に重要なのは、記帳を担当する側と税理士との役割が明確に分けられていることです。
例えば、記帳代行サービスが日々の取引データを整理・入力し、税務上の判断が必要になった段階で税理士へ確認する体制であれば、それぞれの専門領域に応じて業務を進めやすくなります。決算や申告の際も、整えた帳簿や必要資料を税理士へ引き継げる仕組みがあれば、社内で改めて資料を整理する負担を抑えられます。
記帳と税務の両方を外注したい場合は、「まとめて依頼できるか」だけではなく、税理士業務にあたる部分を誰が担当するのかまで確認することが重要です。税務上の確認が必要になった際の依頼先に加え、税理士業務を誰が受任し、実際に担当するのかも事前に確認しておきましょう。
税理士法違反を避けて記帳代行を選ぶポイント

記帳代行を利用する際は、料金や対応スピードだけでなく、税理士業務との線引きが明確かどうかも重要です。ここでは、依頼前に確認しておきたい4つのポイントを整理します。
対応できる業務と対応できない業務が明確か
まず確認したいのは、サービス側が対応可能な業務と、対応できない業務を明確に示しているかどうかです。
記帳や会計ソフトへの入力、経理資料の整理などは、税理士業務とは区別される会計事務です。一方、税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士業務に該当し、税理士法上の例外を除き、税理士等でない者が業として行うことはできません。
そのため、「記帳から税務まで何でも対応」といった曖昧な説明だけでなく、どこまでが記帳代行の範囲で、どの段階から税理士が担当するのかを確認する必要があります。サービスサイトや契約前の説明で業務範囲が具体的に示されていると、依頼後の認識違いも防ぎやすくなります。
税務業務が発生した場合の対応方法が決まっているか
記帳作業を進めていると、税務上の判断が必要になるケースがあります。その際に、記帳代行を担当する事業者が独自に判断するのではなく、税理士へ確認できる仕組みが整っているかも確認しておきたいポイントです。
例えば、税務相談が必要になった場合に、依頼企業の顧問税理士へ確認する、または税理士業務を適法に依頼できる手順が定められているかを確認します。反対に、税務上の判断が必要になった際の対応が曖昧なサービスでは、どこまで任せてよいのか判断しにくくなります。
特に、決算や確定申告まで外注を検討している場合は、記帳後のデータを誰に引き継ぐのか、税務に関する質問を誰が受けるのかまで確認しておくと安心です。
依頼したい業務範囲にあったサービスか
記帳代行サービスによって、対応できる業務の範囲は異なります。自社が何を外注したいのかを整理したうえで、それに対応しているサービスを選ぶことが重要です。
例えば、会計ソフトへの入力だけを任せたい企業もあれば、領収書や請求書の整理、入出金管理、経費精算などの経理業務までまとめて外注したい企業もあるでしょう。必要な業務に対応していなければ、別の事業者へ追加で依頼する手間が発生する可能性があります。
反対に、税務相談や申告まで任せたい場合は、記帳代行だけではなく税理士への依頼も必要です。依頼先を決める前に、自社で残す業務と外注する業務を書き出しておくと、必要なサービスを選びやすくなります。
契約前に業務内容と責任範囲を確認できるか
契約前には、実際に任せる業務だけでなく、誰がどこまで責任を持つのかも確認しておきましょう。
例えば、提供する資料の範囲、記帳内容の確認方法、税務判断が必要になった場合の対応、修正が必要になった場合の取り扱いなどです。業務内容や責任範囲が曖昧なまま契約すると、依頼後に「そこまで対応してもらえると思っていた」といった認識のずれが生じる可能性があります。
また、税理士業務が含まれる場合は、その業務を実際に誰が担当するのかも重要です。記帳代行と税理士業務の担当範囲を契約前に明確にしておけば、税理士法上の線引きを保ちながら必要な業務を外注しやすくなります。
記帳を含む経理業務の外注ならオンラインアシスタント®「フジ子さん」

※「オンラインアシスタント」はBPOテクノロジー株式会社の登録商標です。
記帳をはじめ、日常的な経理業務をまとめて外注したい場合は、オンラインアシスタント®「フジ子さん」も選択肢の1つです。会計ソフトへの仕訳入力、請求書作成・郵送代行、経費精算、日々の入金確認など、税理士業務に該当しない経理実務を幅広く依頼できます。
10時間ごとにプランが用意されており、業務量に応じて毎月プランを変更できる点も特長です。月10時間プランは34,320円(税込)で、1カ月から利用できます。繁忙期だけ依頼時間を増やすなど、自社の状況に合わせて調整しやすいです。
また、累計ユーザー数は3,000社に達しており、PマークとISMSも取得しています。経理データには取引先情報や口座情報などの機密情報が含まれるため、外注先を選ぶ際はセキュリティ体制も確認しておきたいポイントです。
ただし、税務相談、税務書類の作成、税務代理は、税理士法で定められた税理士業務です。記帳とあわせて税務対応も必要な場合は、顧問税理士などと役割を分けたうえで利用しましょう。
税理士法に関わるよくある質問

記帳代行と税理士業務の線引きは、実際の処理になると判断に迷うこともあります。仕訳や勘定科目、年末調整など、特に疑問が生じやすいケースをQ&A形式で確認していきましょう。
記帳のために仕訳を判断するのは税務相談?
仕訳を行うこと自体が、直ちに税務相談に該当するわけではありません。取引内容を確認して会計帳簿へ記録する作業は、税務代理・税務書類の作成・税務相談とは区別される会計事務です。
一方、税理士法上の税務相談は、具体的な質問に対して、課税標準や税額などの計算に関する答弁や指示、意見表明を行うことを指します。例えば、「この支出は税務上、損金として認められるか」といった判断を求められ、それに回答する場合は、単なる仕訳作業とは異なります。
そのため、記帳に必要な会計処理として仕訳する場合と、税法上の取り扱いまで判断する場合は分けて考える必要があります。
勘定科目を決めてもらうのは税理士じゃなくても大丈夫?
勘定科目を設定することも、会計上の記帳作業として行う範囲であれば、必ずしも税理士でなければならないわけではありません。
例えば、自社で定めた勘定科目や仕訳ルールに沿って「消耗品費」「通信費」などへ分類する作業は、一般的な記帳業務として行えます。
ただし、「この支出は税務上どのように処理すべきか」など、税額の計算につながる具体的な税務判断を求める場合は注意が必要です。勘定科目を決める行為そのものではなく、判断の内容が税務相談に該当するかどうかで考えることが重要です。
確定申告用の数字を作れるのは税理士?
確定申告に使う会計データを整理・集計することと、確定申告書を作成することは別の業務です。
記帳代行サービスでも、帳簿を作成したり、売上や経費を集計したり、会計データを整理したりできます。こうして整えた数字を納税者本人や税理士へ渡すところまでは、記帳・会計事務として対応可能です。
一方、申告書などの税務書類を自己の判断に基づいて作成する行為は、税理士業務である「税務書類の作成」に該当します。そのため、帳簿上の売上や経費などを集計し、申告の基礎となる会計データを整理することは記帳代行でも可能ですが、その数字をもとに税額を判断し、申告書を作成する段階では扱いが異なります。
年末調整は税理士じゃないとできない?
年末調整は、税理士にしかできない手続きではありません。給与の支払者である会社などが、従業員から源泉徴収した税額と年間の税額との差額を精算する手続きであり、通常は会社自身が行います。
ただし、年末調整業務を社外へ委託する場合は、任せる内容に注意が必要です。従業員から提出された書類の回収やデータ入力などの事務作業と、所得控除の適用可否や税額について判断する業務では性質が異なります。
会社自身が年末調整を行うのに税理士資格は必要ありません。ただし、社外へ委託する場合は、書類回収や入力などの事務作業と、税務相談・税務書類の作成に該当する業務を分けて考える必要があります。源泉徴収票など一定の書類は、税理士法上の「税務書類」に含まれます。年末調整を外注するときは、単なる事務作業なのか、税務判断まで含むのかを分けて確認することが大切です。
消費税の処理をしてもらうのは税理士法に違反している?
消費税に関する処理を記帳代行へ任せたからといって、直ちに税理士法違反になるわけではありません。
例えば、自社または税理士があらかじめ定めた処理ルールに従って取引を税率ごとに区分したり、会計ソフトへ消費税額を入力したりする記帳作業は、税務相談とは別に考えられます。
一方、「この取引は課税か非課税か」「仕入税額控除を適用できるか」「どの税率を適用すべきか」といった個別の税務判断を求め、それに回答する行為は税務相談に該当する可能性があります。また、集計したデータをもとに消費税の申告書を自己の判断で作成することも、単なる記帳代行の範囲ではありません。
消費税の処理を外注する場合も、決められた処理方法に沿った入力なのか、税務上の判断まで依頼するのかを明確に分けておく必要があります。
まとめ|記帳代行は業務範囲を確認して適切な依頼先を選ぼう
記帳代行そのものは、税理士資格がなければ行えない業務ではありません。一方で、税務代理・税務書類の作成・税務相談は、税理士法で定められた税理士業務にあたるため、記帳代行を依頼する際は、どこまで任せられるのかを事前に確認することが重要です。
帳簿への記帳や会計ソフトへの入力、経理データの整理などを中心に任せたい場合は、記帳代行サービスを活用できます。税務判断や申告まで必要な場合は、税理士へ依頼するか、税理士と連携できる体制を整えておくと安心です。
オンラインアシスタント®「フジ子さん」では、記帳をはじめ、請求書発行や経費精算、入出金管理などの経理業務を幅広く依頼できます。日常的な経理作業を外注し、自社で担う業務を減らしたい場合は、選択肢の1つとして検討してみてください。

















