パワークエリ活用で業務改善|Excel作業をラクにする基本とコツ

日々のExcel作業に追われ、「もっと効率的にできないだろうか」と感じたことはありませんか。

毎回同じようなデータのコピー&ペーストや、フォーマットの整形に時間を費やしていると、本来注力すべき業務に手が回らなくなってしまいます。

こうした悩みを解決する手段として注目されているのが、パワークエリ(パワークエリ) です。Excelに標準搭載されているこの機能を使えば、データの取り込みや整形、集計といった定型作業を自動化でき、業務改善につながります。

本記事では、パワークエリの基本から具体的な活用事例、注意しておきたいポイントまでを整理してご紹介します。Excel作業をラクにし、業務を加速させたい方はぜひ参考にしてください。

パワークエリとは?|Excel業務改善に役立つ理由

パワークエリ(Power Query)は、Excelに標準搭載されているデータ処理機能です。複雑な数式やVBAを使わなくても、画面操作だけでデータの取り込みや整形を自動化できるのが大きな特徴です。

特に、日常業務で繰り返し行う「データの整理」「集計」「結合」といった作業を効率化できるため、業務改善の第一歩として有効です。ここでは、パワークエリの基本機能を整理して見ていきましょう。

パワークエリの基本機能

パワークエリには、Excel作業を効率化するための代表的な機能がそろっています。

データの取り込みでは、ExcelファイルやCSVに加え、データベースやWebからも情報を扱うことができ、複数の情報源をまとめたいときに便利です。

また、データの整形も得意分野です。不要な列や行の削除、列の分割や結合、文字列の置換などを簡単に設定でき、同じ処理を繰り返し再現できます。

さらに、複数ファイルやシートを結合したり、条件ごとに集計したりする機能もあり、レポート作成や日常の管理業務を効率化します。

VBAやマクロと比べたメリット・デメリット

Excelの自動化といえば、従来はVBAやマクロが主流でした。パワークエリはそれらと目的が似ていますが、使い勝手や得意分野には違いがあります。

パワークエリのメリットは、まず操作のしやすさです。プログラミング知識がなくてもGUI操作で設定でき、処理手順も視覚的に確認できます。

また、同じ処理を繰り返し実行できる再現性の高さも業務効率化に直結します。さらに、大量のデータ整形や複数ファイルの結合など、VBAよりもシンプルに処理できる場面が多いのも強みです。

一方でデメリットもあります。VBAのように自由度が高いわけではなく、細かな制御や高度な処理には不向きです。また、自動更新の仕組みが標準では限定的で、外部ツールとの組み合わせが必要になる場合があります。

このように、パワークエリは「定型処理の効率化」に強みを持ち、複雑なカスタマイズが必要な場面ではVBAやマクロに分があるといえます。

パワークエリで改善できる具体的な業務例

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パワークエリは、日常的に繰り返されるExcel作業を自動化するのに向いています。ここでは代表的な活用例を3つご紹介します。

予算実績管理を自動化して転記作業を削減

多くの企業で行われている予算実績管理は、各部署から集めたデータを1つのシートにまとめ、予算と実績を突き合わせる作業が必要です。

従来はファイルを開いてコピー&ペーストを繰り返すため、時間がかかるうえにミスの原因にもなっていました。

パワークエリを活用すれば、複数のファイルからデータを自動的に取り込み、更新のたびに同じ処理を再現できます。手作業による転記が不要になり、スピードと正確性の両方を確保できるのが大きな利点です。

複数ファイルやフォルダからのデータを一括取り込み

営業日報や仕入れデータなど、同じ形式のファイルが多数存在する場合、1つ1つ開いてコピー&ペーストでまとめるのは大きな負担です。

担当者が毎回異なるファイルを探して処理するため、作業時間が膨らみやすく、入力ミスが発生するリスクも避けられません。

パワークエリを使えば、フォルダを指定するだけで中のファイルをまとめて取り込み、1つのデータセットに統合できます。ファイル数が増減しても自動的に対応できるため、都度の手作業は不要です。

また、処理内容は記録されているため、更新ボタンを押すだけで新しいデータを反映でき、作業の再現性と正確性が確保されます。結果として、膨大なファイルを扱う業務でもスピーディかつ正確な集計が可能になり、報告や分析にかかる負担を大幅に軽減できます。

定型レポートを自動更新して報告業務を効率化

週次や月次で作成する定型レポートは、更新のたびに新しいデータを差し替えたり、集計し直したりする必要があり、大きな手間がかかります。特に担当者が複数いる場合や、データの形式が統一されていない場合は、作業時間が膨らむだけでなく、ミスが混入するリスクも高まります。

パワークエリを使えば、レポートの基となるデータ取得から整形までを自動化でき、最新データに差し替えるだけでレポート全体を更新可能です。

更新にかかる時間が大幅に短縮されるだけでなく、誰が操作しても同じ結果が得られるため、属人化の防止にもつながります。結果として、報告業務に割いていた時間を削減し、分析や改善提案といった付加価値の高い業務に集中できます。


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パワークエリを使う際の注意点

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便利なパワークエリですが、導入すればすべてのExcel作業が解決するわけではありません。運用していくうえで押さえておきたい制約や弱点も存在します。ここでは、利用時に特に注意したい3つのポイントを整理します。

注意点1:大量データや複雑処理でパフォーマンスが低下する

パワークエリは便利な一方で、数十万行以上の大量データや複雑な処理を行うと、処理速度が極端に遅くなることがあります。特に複数の結合や変換を重ねるケースでは、更新のたびに待ち時間が発生し、かえって業務効率を下げてしまう可能性もあります。

このような場合は、不要な列や行をあらかじめ削除してデータ量を減らす、処理を段階的に分けて負荷を分散するなどの工夫が必要です。場合によっては、Accessや専用のBIツールを併用してデータ処理を任せることも検討したほうがよいでしょう。

注意点2:定時自動更新が標準機能では対応できない

パワークエリは更新ボタンを押すだけで最新データを反映できますが、標準機能では「毎日9時に自動更新」といったスケジュール実行はできません。そのため、定時更新を前提とする運用では、担当者が手動で更新する必要があり、作業の抜け漏れが発生するリスクがあります。

これを解決するには、Power Automateなどの外部ツールを組みあわせて自動化する方法や、業務の運用フローを見直して更新タイミングを調整する方法が考えられます。目的や環境に応じて、どこまで自動化するのかを事前に検討することが重要です。

注意点3:本格的な活用には学習コストがかかる

パワークエリは直感的に操作できる部分も多いですが、複雑な処理を行うにはステップの組み合わせやM言語の理解が必要です。最初は「取り込みと列削除」程度で簡単に使えますが、集計や結合、条件分岐を組みあわせていくと学習のハードルが一気に上がります。

独学でも十分習得可能ですが、体系的に学ぶには時間がかかり、慣れるまで業務にすぐ活かせないこともあります。スムーズに導入するためには、学習リソースを確保したり、必要に応じて外部の研修やサポートを活用することが効果的です。

よくある疑問と解決のヒント

ヒント

パワークエリを使い始めると、多くの人が同じような疑問やつまずきに直面します。ここでは、利用者からよく挙がる質問と、その解決のヒントをご紹介します。

複数ファイルをまとめて処理するには?

同じ形式のファイルが複数ある場合、1つずつ開いてコピーするのは手間がかかります。パワークエリでは、フォルダを指定するだけで中のファイルを一括で取り込み、1つのテーブルにまとめることが可能です。ファイル数が増減しても自動的に対応できるため、作業を繰り返す必要がなくなります。

事前にファイル形式を統一しておけば、取り込み後の整形や集計もスムーズに進みます。日報や売上データなど定型のExcelファイルを扱う場合に特に効果を発揮します。

自動更新はどこまで可能?

パワークエリは、更新ボタンを押すだけで最新データを反映できるのが大きな特徴です。ただし標準機能だけでは「毎朝9時に自動更新」といった定時実行には対応していません。そのため、完全な自動化を期待すると運用面でギャップが生じることがあります。

自動更新を強化したい場合は、Power Automateなどの外部ツールを組み合わせるのが一般的です。また、更新を担当者の業務フローに組み込み、確実に実行できるよう仕組み化しておくことも重要です。どこまで自動化するのかをあらかじめ決めておくことで、無理なく活用できます。

VBAやマクロとどちらを学ぶべき?

パワークエリとVBA・マクロは、どちらもExcel業務を効率化するための手段ですが、得意とする分野が異なります。パワークエリはデータの取り込みや整形、集計といった処理に強く、画面操作で自動化できるため習得しやすいのが特徴です。

一方、VBAやマクロはボタン操作の自動化や複雑な処理の組み合わせに柔軟で、細かい制御を必要とする場面で力を発揮します。

学ぶ優先度としては、まずパワークエリで日常的なデータ処理を自動化し、さらに高度なカスタマイズが必要になった段階でVBAやマクロを検討すると効率的です。両方を補完的に使い分けることで、より幅広い業務改善につなげられます。


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パワークエリだけでは解決できないときの選択肢

パワークエリは便利な機能ですが、すべての業務を網羅できるわけではありません。大量データの処理や複雑な自動化、他システムとの連携が必要な場合には限界があります。

そうしたときにどのような選択肢があるのかを押さえておくことは、業務改善を長期的に進めるうえで大切です。

内製化の限界と外部リソースの活用

パワークエリを使えば多くのExcel作業を効率化できますが、すべてを自社でまかなうのは難しいケースもあります。例えば処理対象となるデータ量が膨大な場合や、複雑な分析を必要とする場合、担当者だけで対応しようとすると時間的にもスキル的にも限界が生じます。

こうした場面では、外部リソースを組み合わせることで解決の幅が広がります。専門のコンサルタントや在宅アシスタントに一部の作業を委託すれば、社内の負担を減らしつつ改善を前に進められます。

内製化と外部リソースをうまく使い分けることが、業務改善を継続するための現実的な選択肢といえるでしょう。

在宅アシスタント「フジ子さん」で業務改善を加速

パワークエリで自動化できる業務は多いものの、設定や運用を軌道に乗せるまでにはどうしても時間や労力がかかります。そこで有効なのが、在宅アシスタントサービス「フジ子さん」の活用です。

フジ子さんは、データ整理やレポート作成といった定型業務を幅広くサポートしてくれます。社内で自動化を進めながらも、日々の煩雑な作業を外部に任せることで、業務改善のスピードを加速できるでしょう。

また、必要なときに必要な分だけ依頼できるため、コストを抑えながら柔軟に業務を効率化できる点も魅力です。

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まとめ

パワークエリは、Excelに標準搭載された強力なデータ処理ツールです。複雑な関数やVBAを使わなくても、データの取り込みや整形、集計を効率化できるため、日々の作業を大幅に省力化できます。

一方で、大量データや自動更新には制約があり、学習コストも必要となる点は理解しておくとよいでしょう。

業務改善を効果的に進めるには、パワークエリで定型作業を自動化しつつ、必要に応じて外部リソースを取り入れることが有効です。

在宅アシスタント「フジ子さん」は、Excel業務やレポート作成を柔軟に代行できるため、社内の負担を減らしながら改善をスピーディに推進できます。

自動化とアウトソースを組み合わせることで、本来注力した方がよい業務に時間を使えるようになり、業務改善の効果を最大化できるはずです。