近年、労働人口の減少や採用競争の激化により、多くの企業で採用活動の負担が増しています。人事部門のリソース不足から、戦略的な採用に時間を割けない企業も少なくありません。こうした課題に対応する手段として注目されているのが「採用代行(RPO)」です。
採用代行は、採用業務の一部または全てを外部の専門企業に委託するサービスで、応募者対応などの実務を効率化し、採用スピードと質の向上を支援します。
本記事では、採用代行の仕組み、他サービスとの違い、依頼できる業務、メリット・デメリット、選び方のポイントまで分かりやすく解説します。
目次
採用代行(RPO)とは?採用活動を外部に委託するサービス

採用代行(RPO)とは、企業が採用活動の一部または全てを専門企業に委託するサービスです。単なる業務代行にとどまらず、専門家の知見や市場情報を活用して採用活動を戦略的に支援し、成果向上を目指します。
応募者対応や日程調整などの実務から、採用戦略の立案、内定者フォローまで幅広く対応でき、人手不足や採用競争の激化に悩む企業で導入が進んでいます。
短期間で大量採用を行いたいスタートアップや、専門職採用に苦戦する企業、人事リソースが限られた中小企業などが、採用力強化や基盤づくりの手段として活用するケースが増加しています。
なぜ今、採用代行が注目されているのか?

採用代行が注目されている背景には、労働市場の構造変化と採用活動の複雑化があります。少子高齢化による労働人口の減少で人材獲得競争が激しくなり、企業にはこれまで以上に戦略的で専門性の高い採用活動が求められています。
また、DXの加速によりAIエンジニアやデータサイエンティストなど専門職の募集が増え、人事部門だけでは候補者発掘やアプローチが難しいケースも。このような高度人材の採用では、外部の専門知識や市場理解が大きな役割を果たします。
さらに、SNS・リファラル・ダイレクトリクルーティングなどチャネルが多様化し、それぞれに最適化した運用やコミュニケーションが必要です。
幅広いチャネルを効果的に活用するには高度なノウハウと工数が不可欠。リソース不足の企業では対応が追いつきません。こうした状況が、採用代行の需要を高めています。
採用代行と他のサービスとの違い

企業の採用を支援するサービスにはさまざまな種類があり、採用代行(RPO)は人材紹介や人材派遣と混同されることも少なくありません。サービスごとの違いを正しく理解することが、自社の採用課題に最適な手段を選ぶうえで重要です。
人材紹介との違い|サービス提供の目的と契約形態
採用代行と人材紹介の大きな違いは、サービスの目的と契約形態にあります。人材紹介は、特定ポジションに適した候補者を企業へ紹介し、入社が決まった時点で料金が発生する「成功報酬型」のサービスです。目的はあくまで欠員の充足であり、契約も個別採用ごとのスポット利用が中心です。
一方、採用代行は採用プロセス全体の最適化を目的とする業務委託型のサービスで、企業の「採用力」を高めることに重点を置きます。料金は月額固定や従量課金が一般的で、採用戦略の立案から応募者対応、選考管理まで幅広い業務を包括的に支援します。スポット型の人材紹介に対し、採用代行は中長期的に採用活動を伴走する点が特徴です。
人材派遣との違い|雇用関係の有無
採用代行と人材派遣の違いは、雇用関係の有無にもあります。人材派遣では、派遣会社が労働者を雇用し、クライアント企業に派遣します。企業は派遣社員に業務指示を行いますが、雇用主は派遣会社であり、給与支払や社会保険などの手続きも派遣会社が担います。目的は一時的・継続的な「労働力の確保」です。
一方、採用代行は企業が自社で直接雇用する社員を採用するためのプロセスを支援するサービスです。採用代行会社は業務を代行するだけで、採用の最終決定は企業側が行います。目的は「自社社員の採用」であり、外部専門家のノウハウを活用して企業の採用力を高める点が特徴です。
採用代行で依頼できる業務内容とは?

採用は求人掲載だけでなく、計画策定、候補者集め、選考、内定者フォローまで多岐にわたり、担当部門の負担は大きくなります。
ここでは、採用代行が担う主な業務内容と、その柔軟性について解説します。
採用計画・戦略の立案
採用代行は、単なる事務代行に留まらず、採用の核となる計画・戦略立案から企業を包括的に支援します。
市場動向や競合状況を分析し、自社の採用ポジションを明確化したうえで、採用したい人物像(ペルソナ)を設定し、最適な採用チャネルを選定します。
さらに、採用目標に沿ったスケジュール設計や、選考ステップごとの評価基準づくりもサポートします。
母集団形成(求人作成・スカウト配信など)
採用で重要なのが、質の高い候補者を確保する「母集団形成」です。
より多くの人に興味を持ってもらうためには、企業の魅力を的確に伝える求人票を作成し、ターゲットに響く表現で企業文化や働きがい、キャリアパスを分かりやすく提示する必要があります。
代行を利用すれば、作成した求人票は最適な媒体へ出稿し、スカウトメールの文面作成から配信、ダイレクトリクルーティングの運用まで、知見の必要な業務を任せられます。
人事担当者は候補者との面談や魅力付けといった、より重要なコミュニケーションに専念できるようになるでしょう。
応募者対応・選考プロセス管理
応募者への迅速で丁寧な対応は、企業の印象や候補者の満足度を左右する重要な要素です。
しかし、問い合わせ対応、書類選考の連絡、面接日程の調整などは人事担当者に大きな負担に……。採用代行では、これらのオペレーション業務を専門的に代行し、担当者の工数を大幅に削減します。
採用代行会社によっては、応募者からの問い合わせ対応、書類選考の補助、面接日程の調整、合否連絡までを一括で任せられます。さらに、多くの代行会社がATS(採用管理システム)を活用し、候補者情報を一元管理することで、漏れのないスムーズな選考を実現。
その結果、候補者体験が向上し、選考辞退の防止や採用成功率の向上にもつながるでしょう。
面接・選考
採用代行には、一次面接やスクリーニングなど初期段階の面接を代行するサービスもあります。
代行会社は事前に評価基準を確認し、企業の方針に沿った客観的な面接を実施します。面接後には詳細な評価レポートが提供され、企業はデータに基づいた採用判断が可能に。
人事担当者や現場管理職は最終面接など重要な判断に集中できます。
ミスマッチの防止や選考品質の向上に加えて、社内の負担軽減にも貢献するはずです。
内定者フォロー・入社手続き
内定後のフォローは、内定辞退を防ぎスムーズな入社につなげるために大切なプロセスです。内定者への定期的な連絡を通じて不安を解消し、企業へのエンゲージメントを高めるサポートの代行も依頼可能です。
具体的には、懇親会の企画・運営支援、入社手続きの案内、必要書類の回収代行などです。
採用代行を利用する4つのメリット

採用は企業成長に欠かせない業務ですが、マンパワー不足やノウハウの欠如により負担が大きくなりがちです。
採用代行の導入は、その負荷を軽減するだけでなく、採用の質向上や長期的なコスト最適化にもつながる戦略的な手段です。
ここでは、採用代行を活用することで得られる4つの主要なメリットをご紹介します。
メリット1:採用担当者がコア業務に専念できる
採用代行の大きなメリットの一つは、人事担当者がコア業務に集中できるようになることです。
採用活動では連絡対応、日程調整、求人票更新などのノンコア業務が多く、本来注力すべき採用戦略の立案や候補者との関係構築、人材育成まで手が回らないケースが少なくありません。
採用代行を活用すれば、これらの定型業務を外部に委託でき、人事担当者は戦略設計や自社の魅力発信、オンボーディング計画の策定など、企業成長に直結する業務へリソースを集中できます。その結果、人事部門はより戦略的な役割を担い、企業の競争力向上に貢献可能な体制を構築できるでしょう。
メリット2:プロのノウハウで採用スピードと質が向上する
採用代行会社は、採用市場に精通したプロフェッショナルとして、最新トレンドや効果的な手法に基づく豊富なノウハウを持っています。
求人票やスカウト文面の最適化、採用チャネルの選定、選考プロセスの設計など、自社では対応しきれない部分を専門性をもって支援可能です。特定職種や業界に強い代行会社であれば、より高精度な採用が期待できるでしょう。
こうした専門知識を活用することで、試行錯誤にかかる時間を大幅に削減し、質の高い候補者との接点創出やミスマッチの少ない選考が実現します。
メリット3:採用にかかる全体のコストを最適化できる
採用代行の導入は、単なる費用削減ではなく、採用活動全体のコスト最適化にも貢献します。
まず、日程調整や応募者対応にかかる人事担当者の工数・人件費を削減でき、採用の長期化による機会損失も防げます。さらに、ミスマッチによる早期離職は再採用コストや組織への悪影響が大きいため、これを防ぐ効果は非常に大きなコスト削減につながるでしょう。
また、採用代行会社は求人媒体や各種ツールと提携していることが多く、自社で個別契約するよりも広告費やツール利用料を抑えられる場合も。
こうした人件費、機会損失、ミスマッチ防止、広告費削減など多方面から、採用コストの最適化と費用対効果の向上を実現できる点が採用代行のメリットです。
メリット4:客観的な視点で採用活動を改善できる
自社で採用を続けていると、無意識に慣習や固定観念に縛られ、課題や改善点を見落としがちです。例えば「何となく使い続けている媒体」や「変えられないと思い込んでいる選考フロー」が、採用効率を下げているケースもあります。
採用代行会社は第三者の立場からプロセス全体を客観的に分析し、データに基づく改善提案を行ってくれます。
自社だけでは気づきにくいボトルネックを特定し、より効果的な戦略やプロセスへ改善できるでしょう。市場動向や他社事例と比較した最適な施策を提示してくれるため、採用活動は一時的な成果にとどまらず、継続的にパフォーマンスが向上する仕組みを構築できます。
採用代行のデメリットと対策

採用代行(RPO)は企業の採用を強力に支援するサービスですが、導入にあたってはメリットだけでなく、潜在的なデメリットを理解することも大切です。
ここでは、導入時に注意すべきデメリットと、その回避策を解説します。
デメリット1:社内に採用ノウハウが蓄積されにくい
採用代行に業務を任せきりにすると、自社に採用ノウハウが蓄積されにくくなるリスクがあります。市場トレンドの把握、媒体選定、候補者への効果的なアプローチといった知見が社内に残らず、将来自社のみで採用を行う際に一から体制を構築し直す必要が生じかねません。
このリスクを避けるには、採用代行会社と密に連携し、積極的にノウハウを共有してもらう仕組みが重要です。定期的なレポート会議を設け、応募者属性、選考フェーズごとの通過率、成功事例とその要因などを共有してもらいましょう。外部の知見を内製化することで、長期的な採用力向上へとつながります。
デメリット2:連携不足によるミスマッチが発生する可能性がある
採用代行とのコミュニケーションが不足すると、スキルは合っていても価値観が一致しない人材を採用してしまうなど、ミスマッチのリスクが高まります。代行会社が企業の「求める人材像」を深く理解できないまま選考を進めてしまうことが原因の1つです。
ミスマッチを防ぐには、採用開始前のキックオフで徹底した目線合わせを行うことが重要です。
求人要件だけでなく、企業の歴史や事業の方向性、部署の雰囲気、仕事の進め方、期待する行動特性まで詳細に共有しましょう。評価基準を明確に共有することで、認識のズレを防ぎ、企業に合った人材をより確実に選べます。
デメリット3:応募者との関係構築が難しくなる場合がある
応募者対応をすべて採用代行に任せると、企業の「顔」である人事担当者や現場社員との接点が減り、候補者の入社意欲が十分に高まりにくくなる可能性があります。
候補者は働く相手や企業文化を重視するため、事務的な連絡だけでは魅力が伝わりづらく、他社へ流れるリスクも高まりかねません。
この課題を防ぐには、選考のどこかで必ず自社社員が候補者と直接対話する場を設けることが重要です。カジュアル面談や現場社員との座談会、一次面接以降を自社で担当するなどの工夫が有効でしょう。
また、面接官トレーニングを代行会社と共同で行い、魅力付けの方法や企業文化の伝え方を統一することも効果的です。
採用代行がオペレーションを効率化しつつ、企業側が候補者とのエンゲージメント強化を担うことで、内定辞退を防ぎ、より強い関係性を築くことができます。
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採用代行の費用相場と料金体系

採用代行を導入する際に最も気になる点の一つが費用です。一般的には「月額固定型」「成果報酬型」「従量課金型」の3つが主な料金体系として提供されています。
それぞれに特徴があり、自社の採用課題や予算、必要な支援内容にあわせて適切な形を選びましょう。ここでは各料金体系について解説します。
月額固定型
月額固定型は、毎月一定額を支払うことで契約範囲内の採用業務を継続的に依頼できる料金体系です。採用計画の立案から応募者管理、面接調整、内定者フォローまで幅広く対応してもらうケースでよく選ばれます。
費用相場は内容や採用人数により異なりますが、一般的に月額20万~100万円程度です。
最大のメリットは予算管理のしやすさで、多くの採用を継続的に行う企業や、採用担当者が不足している企業、中長期的に採用活動を最適化したい企業に向いています。安定した支援を受けながら戦略的に採用を進めたい場合に有効な選択肢です。
成果報酬型
成果報酬型は、採用が成立した際に料金を支払う体系で、一般的には採用者の理論年収の20〜35%が目安です。初期費用が不要なため、まず採用代行を試したい企業や、成果に応じてコストを調整したい企業に適しています。
人材紹介に似ていますが、採用代行の場合は面接代行など一部のプロセスに成果報酬が設定されるケースもあります。採用難易度の高いポジションを確実に採用したい場合や、スポットで特定業務のみ依頼したい場合に有効です。ただし、採用人数が増えると費用総額が高くなる可能性があるため、費用対効果の確認は欠かせません。
従量課金型
従量課金型は、スカウト配信数や面接調整件数、応募者対応数など、実施した作業量に応じて費用が発生する料金体系です。スカウト1通いくら、面接調整1件いくらといった形で設定され、必要な業務だけを依頼したい場合や、繁忙期だけ業務量を増やしたい場合に高い柔軟性を発揮します。
無駄なコストを抑えやすい反面、依頼量が増えるほど費用が累計で膨らむ可能性があります。そのため、内容によっては月額固定型や成果報酬型のほうが安く済むケースもあります。特定業務の負担を減らしたい企業や、採用状況にあわせて費用を細かく調整したい企業に向いた料金体系です。
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採用代行の導入がおすすめな企業の特徴

採用代行は、企業の採用課題を効果的に解決できる手段です。しかし、どのような企業に特にメリットが大きいのかは状況によって異なります。ここでは、自社が導入すべきか判断しやすいよう、採用代行が特に効果を発揮する3つの代表的なケースをご紹介します。
採用担当者のリソースが不足している企業
人事担当者が一人で採用と他業務を兼務している場合や、採用専任者がいても慢性的な人手不足で業務が回らない企業にとって、採用代行は大きな助けになります。応募者対応、日程調整、求人媒体の管理などの定型業務に追われ、本来時間を割くべき採用戦略や候補者との関係構築にまで手が回らないケースは少なくありません。
採用代行を利用すれば、これらのノンコア業務を外部に任せられ、社内担当者は戦略立案や候補者との対話といったコア業務に集中できます。これにより、人手不足を補いつつ採用活動を安定的に進め、全体の採用クオリティ向上も期待できるでしょう。
採用ノウハウがなく、成果に繋がっていない企業
「求人を出しても応募が来ない」「面接辞退・内定辞退が多い」「理想の人材と出会えない」といった課題を抱える企業は、採用代行の導入効果が大きいケースです。
これらの問題の背景には、市場変化への対応不足や、採用に関する専門知識・データの欠如があります。
採用代行会社は、最新トレンドや業界動向に基づき、効果的な求人票作成、最適な媒体選定、データを活用した選考フロー改善などのノウハウを提供します。プロの客観的な分析と実行力を活かすことで、自社の採用課題に対する精度の高い打ち手が可能となり、採用成果を改善できるはずです。
大量採用や急な欠員補充が必要な企業
事業拡大に伴う「複数名のエンジニア採用」や「新店舗オープン前の大量採用」、急な退職に対応する「欠員補充」など、短期間でまとまった人数を採用する必要がある企業にも、採用代行は非常に有効です。
こうした突発的・大規模な採用は、社内リソースだけでは対応しきれず、採用活動が停滞するリスクがあるからです。
採用代行は、専門チームと豊富なノウハウを活かし、多様なチャネルから短期間で大量の候補者を集め、選考をスピーディーに進めることが可能です。これにより、採用のボトルネックを解消し、必要な人材をタイムリーに確保することで、事業計画の達成を強力に支援します。
失敗しない!採用代行サービスの選び方4つのポイント

採用代行は企業の採用を強力に支援する一方、選ぶサービス会社によって成果が大きく変わります。ここでは、採用代行を検討する企業が実践的に判断できるよう、特に重要な4つの選定ポイントをご紹介します。
ポイント1:自社の採用課題と依頼範囲を明確にする
採用代行会社に問い合わせる前に重要なのは、自社の採用課題と依頼したい業務範囲を明確にすることです。「応募は集まるが内定承諾率が低い」「特定職種の採用が長期化している」「人事が多忙で戦略的な採用に時間を割けない」など、現状の課題を具体的に洗い出します。
これを曖昧にしたままサービスを選ぶと、費用対効果が不明確になり、期待した成果が得られない可能性が……。
社内で十分に議論し、「採用がうまくいかない理由」「採用代行に期待する目的」「任せたい具体的な業務範囲」を整理することで、自社に合ったサービスを適切に選べます。
ポイント2:サービスの実績と得意領域を確認する
採用代行会社を選ぶ際は、その専門性と実績を細かく見極めることが重要です。
単に支援企業数が多いだけでなく、自社の業界・職種と近い実績があるかを必ず確認しましょう。例えば、ITエンジニアに強い会社、医療・介護に特化した会社、地方採用に精通した会社など、得意領域は会社ごとに異なります。
まずは公式サイトの導入事例を確認し、自社の課題に近いケースで成果を上げているかをチェックします。
問い合わせ時には、募集予定の職種(例:Webマーケター、組み込みエンジニア、経理職など)の採用実績や、どのような戦略で成功につなげたのかを具体的に聞いてください。一般論ではなく、自社に合った提案ができるかどうかが重要です。
あわせて、各社が持つ独自ノウハウやツールも確認しましょう。媒体選定の基準、スカウト成功率を高めるノウハウ、ATS(採用管理システム)の運用力などは、採用成果を左右する大きなポイントです。
ポイント3:円滑なコミュニケーションが取れるか見極める
採用代行は単なる外部委託ではなく、企業とパートナーが協働して進める取り組みです。そのため、担当者とのコミュニケーション品質は成果に直結します。選定段階では、レスポンスの速さ・丁寧さ、意図の理解力、説明の分かりやすさなどを注意深く確認しましょう。
初回打ち合わせでは、自社の文化や求める人物像を理解しようとする姿勢があるか、提案内容が課題に即しているかを評価します。一方的なサービス説明ではなく、対話を通じて採用成功を共に目指す姿勢があるかが重要です。また、ミーティング頻度、使用ツール、進捗報告のスタイルなども事前に確認し、スムーズに連携できる体制かどうかを見極めてください。
採用代行は長期的なパートナーシップになることが多いため、担当者との信頼関係が不可欠です。疑問を気軽に相談でき、迅速で的確なフィードバックが得られるかは採用活動全体の質に大きく影響します。提案の内容だけでなく、担当者の人柄やプロ意識も含めて総合的に判断することが成功への近道です。
ポイント4:セキュリティ体制と情報管理方法を確認する
採用代行は外部委託ではなく協働で進めるため、担当者とのコミュニケーション品質が成果を左右します。レスポンスの速さや丁寧さ、意図の理解力、説明の分かりやすさを選定段階で確認しましょう。
初回打ち合わせでは、自社の文化や求める人物像を理解しようとする姿勢があるか、提案内容が課題に合っているかを見極めます。ミーティング頻度や使用ツール、報告方法など、運用面での連携体制も事前に確認しておくことが大切です。
採用代行は長期的なパートナーシップになるため、担当者との信頼関係が欠かせません。疑問を気軽に相談でき、適切なフィードバックが得られるかどうかも重要な判断基準となります。
採用代行の導入4ステップ

採用代行を効果的に活用するには、いくつかのステップを踏むことが重要です。事前準備から運用開始後の効果測定までを整理して進めることで、スムーズな導入と高い成果につながります。ここでは、その流れを4つのステップに分けてご紹介します。
STEP1:課題の整理と依頼範囲の決定
採用代行導入の第一歩は、自社の採用プロセスを分析し、課題を明確にすることです。
「応募が集まらない」「書類通過率が低い」「辞退が多い」など、どの段階で問題が起きているのかを具体的に洗い出し、採用代行に何を期待するのか(目的)をはっきりさせます。
次に、その課題を解決するために、どの業務を外部に任せるのかを決定します。すべてを委託する必要はなく、自社のリソースや予算にあわせて依頼範囲を調整できます。この段階で経営層や現場とも認識を共有し、導入への合意形成を行うことで、後の運用がスムーズになります。
STEP2:サービス会社の選定と打ち合わせ
課題と依頼範囲が固まったら、それに合う採用代行会社を複数リストアップし、実績や得意領域、料金体系を比較します。
候補を2〜3社に絞ったうえで問い合わせ、打ち合わせ(ヒアリング)を依頼しましょう。
打ち合わせでは、自社の課題や採用目標、任せたい業務を具体的に共有し、各社から提案内容や見積もりを受け取ります。同時に、自社と同じ業界・職種での実績や過去の事例を確認し、担当者のコミュニケーションの質や姿勢などもチェックしてください。ここで信頼できるパートナーかどうかを見極めることが、サービス選定の重要なポイントです。
STEP3:契約と業務連携の準備
サービス会社が決まったら、契約締結と業務連携の準備に進みます。
契約書では、業務範囲、料金体系、個人情報の扱い、機密保持などを細かく確認し、必要に応じて法務にもチェックしてもらいましょう。不明点はこの段階で必ず解消します。
契約後はキックオフミーティングを行い、具体的な業務フローや担当範囲、コミュニケーション方法(定例会の頻度、報告形式、使用ツールなど)を明確にします。あわせて、採用活動のKPIもすり合わせ、双方が同じ目標を持つ状態を作ることが重要です。こうした準備が、円滑で成果につながるパートナーシップの土台となります。
STEP4:運用開始と定期的な効果測定・改善
契約と準備が整ったら採用代行の運用が始まりますが、契約して任せるだけでは十分な成果は得られません。
運用開始後は、事前に設定したKPI(応募数、書類通過率、面接設定率、内定承諾率、採用単価など)を基に、週次・月次でレポートを受け取り、状況を定期的に確認することが重要です。
評価結果に応じ、必要に応じて求人内容の調整、媒体の見直し、候補者とのコミュニケーション強化など、採用戦略やプロセスを柔軟に改善しましょう。サービス会社と密に連携しながらPDCAを継続的に回すことで、採用活動の質が向上し、候補者にとっても企業にとってもよりよい採用体験を実現できます。
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採用代行に関するよくある質問

ここでは、採用代行サービスの導入を検討する際によく聞かれる質問と、それに対する回答をご紹介します。
Q. 採用代行は違法ではないですか?
採用代行は、正しく運用されている限り違法ではありません。
ただし、代行企業が、応募者に対して職業紹介(あっせん)や労働者供給とみなされる行為(例:独自の判断で応募者に特定の企業を強く推薦する、報酬を得て人材を企業に提供するなど)を行うと、無許可の職業紹介・労働者供給とみなされ、職業安定法違反となる可能性があるので注意が必要です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
Q. どの業務から依頼するのがおすすめですか?
採用代行を初めて利用する場合は、どこから依頼すべきか迷うこともあります。スモールスタートを考えるなら、まずはスカウト配信や応募者対応・日程調整など、定型的で工数が大きいノンコア業務から始めるのがおすすめです。これらは担当者の負担が非常に大きく、代行することで効果をすぐに実感しやすい業務だからです。
これらの業務を外注することで、人事担当者は候補者との面談や魅力付け、現場との連携など、より戦略的な業務に集中できるようになります。また、成果が見えやすいため費用対効果を検証しやすく、段階的に依頼範囲を広げていく判断もしやすくなります。
まずは一部業務からスタートし、代行会社との連携体制を整えつつ効果を確認し、徐々に依頼領域を広げていくことで、リスクを抑えながら最大の成果を引き出すことができます。
まとめ|採用代行を賢く活用し、戦略的な人事活動を実現しよう
採用代行(RPO)は、採用業務の負担を軽減するだけでなく、企業の採用力を高めるための有効な手段です。人材競争が激しい今、専門家のサポートを活用することで、採用の質とスピードを向上させ、人事担当者はコア業務に集中できるようになります。
導入する際は、自社の課題整理、サービス会社の実績や得意領域、コミュニケーション体制、セキュリティなどを丁寧に確認することが重要です。また、導入後も定期的に成果を振り返り、改善を重ねることで効果を最大化できます。
採用代行を賢く活用することは、優秀な人材確保と企業成長を支える大きな一歩です。ぜひ自社の状況にあわせて導入を検討してみてください。
弊社フジ子さん(BPOテクノロジー株式会社)にも採用業務の経験豊富なスタッフが在籍しています。
採用以外の業務も外部にお願いしたい、そんなときは「必要なときに、必要なだけ仕事を頼める」オンラインアシスタントサービスフジ子さんにご相談ください。
















