働き方改革やコロナ禍を受けて、遠隔で業務を進めている企業が多くなっていますよね。その際、悩みのタネになりやすいのが勤怠管理。オフィスへ出勤する場合だと比較的容易だったものの、在宅勤務だと適切な方法に悩みがちです。
そこで有用なのが、スマホの勤怠管理アプリです。サッと打刻できますし、GPSによって不正防止にもなります。
今回はスマホの勤怠管理アプリについて、メリットやおすすめサービス、注意点などを紹介していきます。
スマホ勤怠管理アプリのメリット

スマホでの勤怠管理は「従業員の利便性向上」や「企業の管理効率アップ」といった個別の効果だけでなく、双方に共通して得られるメリットもあります。
導入に迷っている場合は、この「共通メリット」に着目することで、より具体的な導入効果をイメージできるはずです。
主なメリットは、以下の5つです。
- 勤怠データの正確性が向上する
- 申請や確認の手間が大幅に削減される
- トラブルの防止と透明性の確保
- 多様な働き方に対応できる
- コスト削減
- 運用負担の軽減につながる
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
勤怠データの正確性が向上する
スマホから直接打刻できることで、出退勤の記録がリアルタイムに反映されます。これにより、紙のタイムカードや手書き記録で起こりがちな記載ミス・打刻漏れを防止できます。
GPS機能やカメラ認証を搭載した勤怠管理アプリなら、なりすましや不正打刻への対策にもつながるため、企業・従業員双方が「正しく記録されている」という安心感が持てるでしょう。
申請や確認の手間が大幅に削減される
休暇や残業などの申請・承認フローをスマホ上で完結できるため、申請書を印刷・手渡しする手間が不要です。
上司や労務担当者はアプリ上で確認・承認ができるため、出先や在宅中でも迅速な対応が可能となります。こうした連携の速さとシンプルな操作性は、業務効率化にも直結します。
トラブルの防止と透明性の確保
打刻・申請・承認といった勤怠に関する操作履歴は、すべてシステム上に記録されます。
「記録が反映されていない」「申請が通っていない」といったトラブルの元となるあいまいさを排除でき、従業員・管理者双方の認識のズレを防ぎやすくなります。
データが残ることで、社内対応や労務監査にも対応しやすく、信頼性の高い運用が実現可能です。
多様な働き方に対応できる
スマホを使えば、テレワークや直行直帰、現場作業といった柔軟な勤務スタイルにも対応できます。場所を選ばずに打刻・申請・確認ができるため、働く環境にあわせた勤怠管理が可能です。特に、シフト制の職場や在宅勤務の多い企業では、従業員の負担軽減にもつながります。
コスト削減・運用負担の軽減につながる
クラウド型の勤怠アプリなら、専用端末を導入せずにスマホやタブレットのみで運用可能です。初期費用を抑えながらスタートできるのに加えて、紙のタイムカードや申請書類の印刷・保管にかかる手間も不要になります。
無料で利用できるプランを提供しているサービスもあるため、導入コストを抑えたい企業にもおすすめです。
【無料あり】スマホで使える勤怠管理アプリのおすすめ10選
ここからは、スマホ勤怠管理アプリのおすすめを紹介していきます。以下の表をご覧ください。
サービス | 月額費用 | 特徴 | 打刻方法 |
---|---|---|---|
スマレジ・タイムカード | ・スタンダードプラン:10名まで無料、11名以上は1,210円/月(税込)~(11名以上で利用の場合:+110円/人) ・プレミアムプラン:10名まで2,420円/月(税込)、11名以上は+385円/人(税込) ・プレミアムプラスプラン:10名まで4,840円/月(税込)、11名以上は+495円/人(税込) | ・設定サポート無料 ・無料お試し60日間(コールセンター付) | 画面タッチ(GPS、顔写真撮影対応) |
フリーウェイタイムレコーダー | 10人まで無料、11人以上は1,980円/月(税込) | ・10人まで永久無料 ・11人以上は何人でも月額2,178円(税込) | ICカード打刻、Web打刻(PC、スマホ、タブレット) |
マネーフォワードクラウド勤怠 | 事業の形態や規模によって異なる | ・さまざまな就業形態に対応 ・メール、チャットサポート無料 | Web打刻(PC、スマホ、タブレット端末)、ICカード打刻 |
ジョブカン勤怠管理 | 事業の形態や規模によって異なる | ・必要な機能だけを自由に組み合わせられる ・30日間すべての機能を無料で試せる | ICカード打刻、GPS打刻、指静脈認証、Web打刻、SNS打刻 など |
freee勤怠管理Plus | 事業の形態や規模によって異なる | ・企業規模に応じた柔軟なプラン ・労務業務外注サービスあり | Web打刻(PC、スマホ、タブレット)、ICカード打刻、GPS打刻、SNS打刻 |
CLOUZA | 220円/人(税込) | ・初期費用、基本料金、最低利用人数なし ・1拠点につき最大99の勤務パターンを作成できる | Webタイムレコーダー(PC、スマホ、タブレット、アプリ、ICカード) |
KING OF TIME | 330円/人(税込) | ・13種類の豊富な打刻方法(一部追加費用要) ・アルコールチェックや入退室管理と連携可能 | Web打刻(PC、スマホ、タブレット)、ICカード打刻、生体認証打刻 など |
キンコン | 220円/人(税込) | ・kintoneとの連携でシフト管理にも利用可能 ・最大2ヶ月の無料体験が可能 | ICカード打刻、スマホ、NFC対応のAndroid |
HRMOS勤怠(ハーモス勤怠) | ・30名以下:無料 ・31名以上:一人あたり110円/月(税込) | ・勤怠レポートやアラートにも対応 ・ワークフローなどの機能も充実 | Web打刻(PC、スマホ、タブレット)、QRコード、生体認証、SNS打刻 など |
ジンジャー勤怠 | 330円/人(税込)~ ※初期費用は要問い合わせ | ・他サービスとの併用で勤怠データを自動連携できる ・半休や時間給の付与といった柔軟な設定が可能 | Web打刻(PC,スマホ、タブレット)、ICカード打刻 |
スマレジ・タイムカード

「スマレジ・タイムカード」は、GPS・写真による本人確認・パスコード入力という3つの不正防止機能を無料で使える勤怠管理アプリです。事業所をまたいだ出勤や臨時出勤にも対応可能。
ただし、無料なのは勤怠管理機能のみのスタンダードプラン。シフトや休暇、給与まで管理したい場合は、プレミアムプランもしくはプレミアムプラスプランへの移行が必要です。
【対応端末】
PC・スマホ(iOS端末以外はブラウザから)
【月額料金】
- スタンダードプラン:10名まで無料、11名以上は1,200円/月(税込)~(11名以上で利用の場合:+110円/人)
- プレミアムプラン:10名まで2,40円/月(税込)、11名以上は+385円/人(税込)
- プレミアムプラスプラン:10名まで4,840円/月(税込)、11名以上は+495円/人(税込)
*プレミアムとプレミアムプラスでは従業員管理のさまざまな機能が拡張されています
【連携機能】freee人事労務、Money Forwardクラウド給与、弥生給与、ぜんぎんコネクト
フリーウェイタイムレコーダー

「フリーウェイタイムレコーダー」は、小規模な会社向けの勤怠管理アプリです。
10人までなら初期費用・月額利用料・アップデート料が無料。GPS情報の記録、集計の自動化もできるため、経費削減と業務効率化、どちらも実現できます。
ただし、有給管理といった機能は付いていないので、機能の豊富さを求める場合は他のアプリを選びましょう。フリーウェイタイムレコーダーは、リーズナブルさとシンプルさ重視ですね。
個人でも利用できるため、個人事業主やフリーランスの方にもおすすめです。
【対応端末】
PC・スマホ(Macは制限あり)
【月額料金】
10名まで無料、11名以上は一律1,980円/月(税込)(人数無制限)
【連携機能】
フリーウェイ給与計算
マネーフォワードクラウド勤怠

「マネーフォワードクラウド勤怠」の魅力は、同社の会計・経費精算。社会保険といった幅広いソフトと連携し、従業員管理を一元化できること。
また、基本勤務制・シフト制・採用労働制・フレックス制といった、あらゆる勤務形態に対応可能です。もちろん欠勤や残業の処理もできるほか、打刻ミスがあるとアラートを飛ばせるようにもなっています。UIも分かりやすく、導入後すぐに活用できるでしょう。
【対応端末】
PC・スマホ・専用端末
【月額料金】
事業の形態や規模によって変わるため、サービス詳細を要確認
※30日の無料お試しプランあり
【連携機能】
Money Forwardクラウド給与
ジョブカン勤怠管理

「ジョブカン勤怠管理」は累計25万社以上に導入されている勤怠管理アプリで、認知度においてはNo.1といえます。
魅力は、必要な機能だけに絞ってプランをカスタマイズできること。出勤管理・シフト管理・休暇管理・工数管理から好きに組み合わせられるため、ムダな費用が発生しません。もちろん後から追加・削除は可能。
ジョブカンの他サービス(経費精算・労務管理・給与計算など)との連携もできますよ。
【対応端末】
PC・スマホ
【月額料金】
会社の規模や使う機能によって変動するため、サービス詳細を要確認
【連携機能】
みえるクラウド ログ、給与奉行クラウド、FUKUPE など
freee勤怠管理plus

出典:勤怠管理システムのおすすめなら|freee勤怠管理Plus
「freee勤怠管理plus」は、会計ソフトで有名なfreeeが提供する勤怠管理アプリです。勤怠管理はもちろん、休暇申請処理や給与計算、年末調整といった労務全般をこれ1つで行えます。
外部サービスとの連携にも優れており、Slack上からfreeeに打刻可能。もちろん会計freeeとも連携できます。
機能が豊富ですが、UIは使いやすくまとめられているので、操作に迷うことはないでしょう。
【対応端末】
PC・スマホ
【月額料金】
会社の規模や機能によって変動するのでサービス詳細を要確認
【連携機能】
CSV連携、API連携(freee人事労務) など
CLOUZA

出典:CLOUZA
「CLOUZA」は、アマノビジネスソリューションズ株式会社が提供する勤怠管理クラウドサービス。
初期費用や基本料金、最低利用人数がないため、低コストで導入が可能です。
アマノ製タイムレコーダーが利用できるのはもちろん、PC・スマホ・タブレットをタイムレコーダーとして活用できます。
「テレワークの従業員だけ利用したい」といった、柔軟な導入が実現できます。
【対応端末】
アマノ製タイムレコーダー、PC、スマホ、タブレット
【月額料金】
220円(税込)×人
※30日間無料トライアルあり
【連携機能】
TimePro、desknet’s NEO など
KING OF TIME

画像引用:King Of Time
「KING OF TIME」は、豊富な打刻方法に加えて、アルコールチェックや入退室管理といった機能とも連携が可能です。
月額は1人あたり330円(税込)という低価格。
free人事労務やMoney Forwardクラウド給与といった、主要な外部サービスとの連携にも対応しているため、既に導入しているシステムとの親和性が高いのもポイントです。
【対応端末】
PC、スマホ、タブレット
【月額料金】
330円(税込)/人
※30日間無料トライアルあり
【連携機能】
勘定奉行、弥生給与、Money Forwardクラウド給与、freee人事労務 など
キンコン

出典:キンコン
「キンコン」は、アプリ打刻はもちろん、ICカード打刻で交通費も同時に読み取り、経費精算にも活用できる勤怠管理システムです。
最低利用人数は5名ですが、利用料金は1人あたり月額220円という低コストで導入できます。
最大で2ヶ月の無料体験ができるため、使い勝手を十分に確認してから導入できる点もおすすめです。
【対応端末】
スマホ、NFC対応のAndroid
【月額料金】
220円/人(税込)(最低利用人数5名)
※2ヶ月間の無料トライアルあり
【連携機能】
CSV連携
HRMOS(ハーモス)勤怠

出典:【HRMOS(ハーモス)勤怠】無料で使える勤怠管理システム
「HRMOS勤怠」は、株式会社ビズリーチが提供する勤怠管理システム。
30名以下は無料で、31名以上でも1人あたり月額110円(税込)という低価格です。
オプション機能でシフト管理機能や有給管理、届出申請機能をつけられ、追加料金は1人あたり55円/月(税込)。
最低利用料金・最低利用人数がない点も、導入しやすいポイントといえます。
【対応端末】
PC、スマホ、タブレット
【月額料金】
110円(税込)/人
※1ヶ月間の無料トライアルあり
【連携機能】
SmartHR、Money Forwardクラウド給与、freee人事労務 など
ジンジャー勤怠

出典:クラウド型勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」|jinjer株式会社
「ジンジャー勤怠」は、従業員が迷うことがない直感的でシンプルなUIが特徴です。
勤怠打刻に関する各種申請や、年次有給や特別休暇といったさまざまな申請にも対応。
導入前に、実際の操作画面や管理の方法をデモで説明してもらえます。
なお、月額料金は330円/月(税込)~となっており、実際の料金は企業の規模や利用機能に応じて変動する可能性があります。
【対応端末】
PC、スマホ、タブレット
【月額料金】
330円/人(税込)~(初期費用については要問い合わせ)
※1ヶ月のデモ・トライアルあり
【連携機能】
ジンジャー給与
勤怠管理アプリを選ぶポイント・導入前にチェックすべき点
勤怠管理アプリを選ぶ際は、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 自社の運用に合った機能があるか
- 従業員のITリテラシーに合っているか
- 他の業務システムと連携できるか
操作が複雑すぎると現場に定着せず、逆に勤怠管理の手間が増えることも。これらのポイントを事前に押さえることで、導入後のトラブルや負担が防げます。
加えて、多くの勤怠管理アプリは iPhone・Androidの両方対応していますが、場合によっては従業員が使用する個人端末に対応していないケースもあります。個人使用の端末を使用する場合は、導入前に確認しておきましょう。
具体的な選び方や注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】
【無料プランあり】勤怠管理システムの主要5つを比較!選び方も解説
まとめ
今回はスマホで使える勤怠管理アプリを紹介しました。
スマホさえあれば打刻できるのは、在宅勤務をしている人や外回りの多い人にとって、業務効率アップにつながりありがたいですよね。会社側も集計や管理の手間が省けます。
本記事で解説した内容を参考に、従業員・会社側どちらも使いやすい勤怠管理システムの導入を実現してください。
ただし、アプリ利用のルールは明確にしておきましょう。従業員全員が正しく使うからこそ、本当の便利さを得られます。