今では多くの企業がクラウド型給与計算ソフトを導入しています。しかし、自社でも導入したいとは思っていても、いまいち必要性が理解できないと思っている担当者もいるのではないでしょうか。
また、今ではたくさんの企業がクラウド型給与計算ソフトを開発しています。そのため、選択肢が多すぎて何を選べば良いか困惑している人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、
・クラウド型給与計算ソフトのメリット・デメリット
・クラウド型給与計算ソフトの選び方
・おすすめのクラウド型給与計算ソフト
について解説します。
クラウド型給与計算ソフトのメリット
クラウド型給与計算ソフトを導入することでどんなメリットが得られるのでしょうか。まずはメリットから見ていきましょう。
業務を効率化できる
給与計算ソフトなら、導入時や従業員の入社時に一人ひとりに合わせた設定を行うことで、毎月の給与計算を自動化できます。
従業員一人ひとりに応じて、支払う給与は当然異なります。よって、人の手で給与計算をするとなると、特に従業員が多い企業はかなりの時間、人員を給与計算に割く必要が出てしまうでしょう。
また、人の手で給与計算を行うと、細かな金額ミスが出る可能性もあります。特に税金・保険料関係のミスは発生しやすいです。しかし、従業員に支払う給与に誤差があってはいけません。
やはり小数点が出てくるなど細かい計算は機械に任せた方が正確です。給与計算ソフトなら、手作業で給与計算をしていたときのように計算ミスが発生するリスクも減ります。
デバイスや場所を選ばず使える
クラウド型給与計算ソフトは、アカウントのID・パスワードだけわかっていて、インターネット環境があればどこでも使えます。また、デバイスもパソコンだけでなくタブレットやスマートフォンなどでも使用可能。
近年リモートワークを取り入れる企業が増えており、自宅やカフェなどで作業をする人も増えています。パソコンにインストールして使うオンプレミス型だと、使用できるデバイスが限られるうえに、インストールやセットアップなど準備も必要で、リモートワークを導入する際は大変ですが、クラウド型ならその手間もありません。
常に最新のサービスを利用できる
クラウド型だと、サービス提供者側がアップデート作業を行います。利用者側は特に何もせず、アップデートが終わったタイミングでログインをすれば最新のサービスを利用できます。
パソコンのOSやブラウザは日々進化しており、ソフトウェアもそれに合わせてアップデートされています。しかし、オンプレミス型だと、アップデートの度に待ち時間が発生してしまいます。クラウド型ではこの手間がない点も便利です。
クラウド型給与計算ソフトのデメリット
クラウド型給与計算ソフトにはデメリットもあります。デメリットを理解し、オンプレミス型と比較する際の参考にしてください。
細かなカスタマイズは苦手
クラウド型はログインするだけでサービスを利用できる手軽さが魅力的ですが、その代わりに1社1社に合わせたオーダーメイドのサービスは難しいです。
基本的にクラウド型だと、いくつかプランが用意されていて、必要に応じてプランを選択します。会社独自で給与規定を定めている場合、クラウド型では対応させるのが難しいです。オンプレミス型だと自由にカスタマイズできることが多く、独自の制度が多いならオンプレミス型を選んだ方が良いでしょう。
ネット環境がないと利用できない
クラウド型はインターネット環境さえあればいつでも利用できますが、逆を言えばインターネット環境がないと利用できません。そのため、インターネットプロバイダや社内ネットワークのトラブルなどで一時的にインターネットを利用できない状態になると、作業ができなくなってしまいます。
自社に合ったクラウド型給与計算ソフトの選び方
クラウド型給与計算ソフトごとに機能や強みは異なります。そこでどのポイントに着目して、自社に合ったものを選べば良いのでしょうか。
既存の会計システムと連携できるか
クラウド型給与計算ソフトを導入するにあたって、1からすべての社員のデータを入力するのは大変です。特に従業員数が多い企業だと限界があるでしょう。既存の会計システムと連携できるものなら、社員のデータ入力の手間を省けます。
そうすることで、導入から利用開始までに必要な作業を減らし、少しでも早くサービスを利用できるでしょう。
セキュリティ対策は十分か
給与計算ソフトに限らず、クラウド型のサービスを利用するうえで大切なのがセキュリティ対策です。セキュリティ対策がしっかりしていないと、個人情報が流出してしまいます。
サービス提供者側が行っているセキュリティ対策の例は以下の通り。
・プライバシーマークの取得
・複数の場所でのサーバー管理
・通信の暗号化
など。信用を獲得するためにどのようなセキュリティ対策を行っているか、公表しているサービスは多いので、契約する前に確認しましょう。
導入後のサポートは充実しているか
クラウド型給与計算ソフトを実際に利用し始めてからトラブルが起こるかもしれません。給与計算の遅れは給与の支払いの遅れに繋がる可能性もあり、すぐに対処する必要があるでしょう。
そこで、導入後にどんなサポートがあるか確認することも大切です。サービスがいきなり利用できなくなったなど、急ぎで解決しなければいけないトラブルが発生したときに、すぐに電話で問い合わせできるかなども忘れずに確認しましょう。
おすすめのクラウド型給与計算ソフト5選
クラウド型給与会計ソフトの選択肢はたくさん存在します。その中で当ブログがおすすめするのが以下の5つ。それぞれの特徴をチェックし、どれが自社に合うか検討してみてください。
人事労務freee
画像:人事労務freeee公式サイト
「人事労務freeee」は22万社以上が利用している、クラウド型給与計算ソフト最大手です。その名の通り、給与計算だけでなく人事労務全般に対応しています。
具体的には年末調整や勤怠管理など。クラウド型給与計算ソフトをリリースしている企業だと、勤怠管理ソフトなども別にリリースしており、契約・連携が必要なのが一般的です。人事労務freeeeなら連携の手間なく、勤怠管理などができて便利ですね。
プラン名 | 利用人数 | 料金 | 従業員追加料金/人 |
ミニマムプラン | 3名 | 1,980円〜 | 300円 |
ベーシックプラン | 3,980円〜 | 500円 | |
プロフェッショナルプラン | 8,080円〜 | 700円 | |
エンタープライズプラン | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
やよいの給与明細 オンライン
操作がシンプルなものが良い人におすすめなのが「やよいの給与明細オンライン」。専門知識が必要な設定項目がなく、経理に関する知識がない人でも給与明細が作れます。ちなみに年末調整はやよいの給与明細オンライン側で税理士に依頼してくれるので、丸投げで忙しい年末も安心。
テンプレートが充実していて、見栄えの良い給与明細が作れるのも、やよいの給与明細オンラインの魅力です。
プラン名 | 利用人数 | 月額料金 | 従業員追加料金/人 |
プラン10 | 10名 | 450円 | 200円 |
プラン30 | 30名 | 1,200円 | 200円 |
マネーフォワード クラウド給与
給与計算だけでなく、経理や会計、勤怠管理も同時にクラウド化を検討しているなら、「マネーフォワードクラウド給与」がおすすめです。マネーフォワードは業界トップクラスのクラウドサービスの取り扱いで知られています。
マネーフォワードがリリースしているクラウド勤怠管理やクラウドマイナンバーなどと組み合わせて利用することで、バックオフィス業務の負担を減らせるでしょう。
ただしマネーフォワードクラウド給与単体で使うとなると他のサービスの方が料金に対して機能が充実しているのであまりおすすめしません。
従業員が30名以下の場合 | 31名以上の場合 | |
スモールプラン | 2,980円/月 | 要問い合わせ |
ビジネスプラン | 4,980円/月 | |
エンタープライズプラン | 要問い合わせ |
給与奉行クラウド
機能の充実を重視したいなら「給与奉行クラウド」がおすすめです。
給与奉行クラウドでは、給与計算はもちろん、保険・税金関連の計算も可能。加えて、社会保険の電子申請も対応しており、すぐに社内で手続きもできるのが便利です。
また、他社サービスからの移行スピードの速さも給与奉行クラウドの強み。最短1日で移行が可能で、急ぎで導入したい企業にもおすすめです。
※料金は要問い合わせ
ジョブカン給与計算
クラウドサービスの導入が初めてで不安な場合、安さを重視したい場合におすすめなのが「ジョブカン給与計算」です。給与明細の作成など、給与計算ソフトに必要な機能は一通り揃っていて、有料プランが従業員1人につき400円、それに加えて5名以下の企業だと無料プランも用意されています。しかも無料プランでも有料プランのほとんどの機能を網羅しており、小規模の企業だと無料プランだけで十分な場合も。
しかも、18万円を支払うことで、セッティングなどを代行してくれるサービスもあり、ITに疎い人しかいない職場でも安心です。
まとめ
給与計算は取り扱うデータの量が膨大なうえ、正確でなければいけません。そのため、人の手で行うよりも機械に任せた方が効率が良いでしょう。
クラウド型給与計算ソフトを導入すれば、リモートワークへの対応が楽ですし、業務効率も上がります。そのため、手作業で給与計算をしている企業は導入する価値があるでしょう。下記リンクにて、クラウド会計ソフトについて詳しく解説しているので、ぜひこちらも読んでみてください。
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