人手不足が深刻な業界はどこ?理由と人手不足倒産を回避するための対策も解説

息を吐くように口から出てしまう「人手が足りない・・・」という一言。現代の日本には、人手不足に悩む企業がたくさんあります。

人手不足で少々忙しい程度であれば経営はなんとかなるでしょう。しかし、なかには問題が深刻すぎて、企業の倒産が相次いでいる業界もあります。

最悪の事態を避けるためにも、しっかり対策を講じることが大切です。そこで今回は、人手不足が深刻な業界・理由、効果的な対策について解説します。

人手不足が深刻な業界はどこか


出典:「人手不足倒産」の動向調査(2019 年度)

上記は、帝国データバンクが2020年に発表したデータです。人手不足が深刻化した結果、倒産に追い込まれてしまった企業数が掲載されています。

このなかで特に深刻な業界について詳しく見てみましょう。

サービス業

人手不足による倒産件数がもっとも多かったのはサービス業です。サービス業と一口に言ってもお店のジャンルや販売商品が異なりますが、共通している原因に「離職率の高さ」が挙げられます。

まずは下記のデータをご覧ください。


出典:平成30年雇用動向調査結果の概要

こちらは、厚生労働省が調査した雇用動向の結果で、産業別に入職率と離職率を示しています。

離職率が10%前後の業界がほとんどなのに対し、サービス業では20%を超えているジャンルも。いかにサービス業の離職率が高いかがよく分かりますね。

なぜ離職率が高いのか、その原因には下記のようなものがあります。

  • 労働時間が長い(24時間営業の店舗など)
  • 給料が安い
  • 賞与がない
  • 住宅手当や家族手当などの福利厚生が不十分
  • 土日や祝日、大型連休などに休みがない
  • 接客に対するストレスに耐えられない

原因として目立つのが労働条件の悪さです。働く楽しさより厳しさ・つらさが勝ってしまった結果、離職率も高くなり、人手不足に悩まされています。

建築業

サービス業に次いで人手不足が深刻なのが建築業です。

2021年開催予定の東京オリンピックに向けて、建築業の需要は高まっています。景気が良くなる可能性が高いにもかかわらず、なぜ建築業が人手不足となってしまうのか、理由は下記の2つです。

・若い職人の減少
現場で活躍するためには、建築の専門知識とスキルが必要です。しかし、厳しい職人の世界で耐えられる若者が少なく、職人が育たないことが人手不足につながっています。

・リーマンショックによる職人離れ
2007~2008年に起こったリーマンショックにより多くの職人が職を失い、他業界に流れてしまいました。建築の需要が高まっている現代でも職人が戻ってこないため、現場は人手不足となっています。

職人は一日二日で育つものではありません。そのため、建築業界の人手不足は慢性的になりやすいのが特徴です。

運輸・通信業

現代では、オンラインで買い物をする人が多いため、荷物を運送する運輸・通信業の需要が拡大中です。しかし、需要に合わせた人材確保ができておらず、この業界でも人手不足が深刻化しています。

運輸の種類は、鉄道やトラックによる「陸運」、航空機による「空運」、船による「海運」の3つです。それぞれ運転には特別な免許が必要となるので、誰でもできる仕事ではありません。

そのため、ドライバーが集まらず人手不足から倒産に追い込まれる企業も多いのです。

人手不足になる理由


深刻な人手不足によって企業が倒産するのを防ぐため、なんとか対策を講じたいと思っている企業は多いでしょう。

しかし、人手不足になる理由は日本経済の状況によって、あるいは業界によって異なります。的確な対策を講じるためにも、まずは人手が足りなくなる理由を正しく理解しておきましょう。

高齢化による人手不足

少子高齢化により、働き盛りの若年層が減少傾向にあります。

現代では女性が社会で活躍したり、定年後も働く元気な高齢者も多かったりするため、全体としての労働人口が不足しているわけではありません。

ただ、企業としてはバリバリ働いてくれる若い世代が欲しいところ。求人の応募資格に「35歳まで」など年齢制限を設けている企業も多いので、思うように人が集まらず人手不足を招いています。

技術者の不足

技術者の不足は、建築業や飲食業などのように、職人の腕が必要となる業界によく見られる理由です。

職人が現場で一人前に働くためには、厳しい下積みを経て知識やスキルを身につけていく必要があります。しかし、昔のように過酷な職人の世界を嫌う若者が多く、職人が育たないのが現状です。

実際に、求人市場では研修制度が充実しており、親切丁寧に社員を育成してくれる企業が好まれます。厳しいからこそ腕のいい職人が育つという環境では、若者に選ばれにくい時代と言えるでしょう。

労働条件の悪さによる離職率の増加

長時間労働や低賃金など、労働条件が悪いと社員の不満が募り、離職率が高くなります

どんなに大変な仕事でも、数日の休暇がもらえたり仕事に見合った賃金を受け取れたりすれば、社員は大きな不満を抱きにくいでしょう。しかし、頑張った社員に何の還元もしない企業だと、不満を抱く社員が離職を選ぶため、必然的に企業は人手不足となってしまいます。

人手不足を深刻化させないための対策


日本商工会議所が中小企業を対象に調査した内容によれば、人手不足と答えている企業は年々増加しています。

2015年度は約50%だったにもかかわらず、2019年度には約66%。このまま人手不足に悩む企業が増え続ければ、日本経済が崩壊する恐れもあります。

この悪い流れを断ち切るためにも、早急に人手不足対策を講じることが大切です。では、具体的にどのような方法があるのか、効果的な対策を3つ紹介します。

労働条件の見直し・改善

離職率が高かったり求人を出しても人が集まらなかったりする場合は、労働条件が悪い可能性があります。社員が労働条件に納得してくれないと長く働いてくれないので、今どのような条件を提示しているかを確認してみましょう。

「見直してみたけど、どこが悪いか分からない」という場合は、社員にアンケートを取るのも良いですよ。雇用される側の率直な意見をもらえれば、改善点が見えてきます。

そして、問題のある労働条件が分かったら、早急に対処しましょう。できるだけ早く動くことで、今にも退職届を出しそうな社員の離職を食い止められます。

企業イメージの向上

スムーズに人材を確保するためには、求職者に「この企業で働きたい!」と思ってもらう必要があります。そこでやるべきなのが、企業イメージを良くすることです

企業イメージが悪いと、「嫌な仕事をさせられそう」と応募前からネガティブな印象を持たれてしまい、求人を出しても応募が集まりません。

企業イメージを向上させるには様々な方法があります。下記にいくつか例を挙げるので、ぜひ参考にしてください。

  • 表彰制度を作り、社員の努力を認める企業であることをアピールする
  • 研修制度を充実させ、親切丁寧に人材育成をする姿勢を示す
  • 託児所や快適な休憩スペースの設置など、社員が働きやすくするための配慮を見せる

アウトソーシングを活用する

業務の一部をアウトソーシング会社に委託し、人手不足をカバーするのも1つの手段です

「人手が足りないから新しく社員を雇おう」という考え方もありますが、採用活動は時間もお金もかかります。さらに、新入社員の育成もしなければならないのを考えると、企業負担が大きいと言えるでしょう。

しかし、アウトソーシングであれば依頼してすぐに対応してもらえるので、コスト・時間ともに少ない負担で人員の穴を埋められるのです。

人手不足の解消に!おすすめアウトソーシング業者紹介

アウトソーシングと言っても、どこに仕事を依頼すると良いのか?ここからは、おすすめのサービスを紹介します。

フジ子さん


引用:フジ子さん | オンラインアシスタント 月額6.27万円~ 1ヶ月利用も可

社員の採用には、基本給や固定費などの人件費により月数十万円のコストがかかります。そのため、気軽に人員を増やすことができず、頭を悩ませている方もいるでしょう。

そんな悩みを解決してくれるのが「フジ子さん」です。例えばフルタイムのスタッフの勤務時間と同程度の160時間利用できるプランの場合、1時間あたり2230円~となっています。※2023/11/1より新価格。

さらに、フジ子さんに在籍しているアシスタントは、実務経験を持つ優秀な人ばかり。低コストで高品質な仕事をしてくれるので、数あるアウトソーシング会社のなかでもコスパの良さがピカイチです。

まずは1週間の無料トライアルで、自社に合っているか試してみるのがおすすめです。

「フジ子さん」公式サイトはこちら

HELP YOU


出典:オンラインアシスタントがあなたの業務をサポート HELP YOU

「できるだけたくさんの仕事をアウトソーシングしたい!」

そんなニーズにぴったりなのが「HELP YOU」です。経理や総務、人事、営業サポートなど幅広い業務を請け負ってくれます。

公式サイトには対応業務例が掲載されていますが、それ以外の業務も可能な限り対応してくれますよ。相談は無料なので、気軽に尋ねられるのが嬉しいですね。

「HELP YOU」公式サイトはこちら

まとめ

人手不足が深刻化してしまえば、経営が難しくなり企業の倒産もあり得ます。最悪の事態を避けるためにも、正しく原因を突き止め、対策を講じることが大切です。

ただ、対策を講じたからといって短期間で問題が解決するとは限りません。「今日、明日にでもなんとかしないと会社が危うい」と切羽詰まった企業であれば、効果が出るまで待っていられませんよね。

そんな場合には、スムーズに対応してくれるアウトソーシングがおすすめです。導入に手間がかからないので、短期間で人手不足をカバーできますよ。人手不足に悩んでいる企業は、ぜひ導入を検討してみてください。