少子高齢化が進む現代、中小企業の人手不足は本当に深刻です。これから先は、現役世代である生産年齢人口もさらに減っていくと推測されています。日本の総人口が減少の一途をたどっていることから見ても、生産年齢人口の減少は避けられないでしょう。
このままでは、中小企業の先行きはかなり不安なものになります。倒産する企業も相次ぐのではと見られているのです。
今まさに、人手不足に悩んでいる経営者・担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、人手不足の原因と対策について解説していきます。人材確保を図るうえで参考にしてみてください。
中小企業の人手不足に関するデータ・グラフ
まずは、中小企業の人手不足に関するデータを紹介していきます。
従業員の過不足具合
2024年版「中小企業白書」によると、人手不足の現状は下図のようになっています。
参照:2024年版「中小企業白書」第4章第1部 中小企業・小規模事業者が直面する課題と今後の展望
オレンジ色が従業員の過不足です。中小企業が四半期ごとの従業員数を「過剰」と答えたか「不足」と答えたかを%で表しています。数値が高いほど、人員が足りているわけです。これを見ると、2011年以降は常にマイナスで、従業員が不足していることがわかります。
現場にいると人手不足をひしひしと感じると思いますが、こうして数字で見ても、実際にやはり深刻なのです。
どのような人材が不足しているか
次に、どのような人材が不足しているかを見ていきましょう。下図をご覧ください。
参照:2024年版「中小企業白書」第2部第1章 人への投資と省力化
「中核人材」とは、管理職、専門職などを指します。7割を超える中小企業が、この中核人材が不足していると回答しています。
また通常業務を行う人材が不足していると感じている企業も6割を超えていることから、中小企業がいかに人材不足に悩んでいるかがうかがえます。
中小企業で人手不足が起こる原因
中小企業で人手不足が起こる原因は何なのでしょうか。ここでは、3つの理由を解説していきます。
人口の減少
冒頭にも記述したように、日本の総人口は減少の一途をたどっています。人口が減少すれば、働ける人も減少するのは自然のことわりです。
日本の総人口は、2008年をピークに減少しています。内閣府の調査によると、このままいけば40年後の2060年には1億人を切り、8,600万人になるという試算も出ているほど。
原因は、晩婚化、生涯未婚率の上昇、出生率の低下などが挙げられます。多様な生き方が認められているという見方ができる一方、結婚や出産をしたくてもさまざまな理由により阻まれている人もいるという解釈もできるのです。
待遇や労働条件の悪さ
企業においての待遇や労働条件など、労働環境の悪さも人手不足の大きな原因です。
「ブラック企業」と言われるほど労働環境の悪い企業はまだまだ多いようです。
業務内容に見合った給料を貰えない、福利厚生がまったくない、がんばっても認められない、セクハラやパワハラといった嫌がらせを受けるなどしていると、その企業に永く留まることはできません。
あまりに理不尽な仕打ちを受けた人は、その企業を辞めるどころか他の企業に再就職しようという気持ちもなくなってしまいます。こうして、働ける人が働かなくなるのです。
優秀な人材が確保できない
厚生労働省によると、2023年の有効求人倍率は1.29倍です。有効求人倍率が1を超えると、求人数に対して、求職者が少ないということになるので、売り手市場となっています。これは求職者から見ると嬉しい数字ですが、企業側から見ると人材の取り合い状態です。
優秀な人材は、条件の良い大手の企業に就職しがちで、中小企業は求職者にとってその次になってしまうのです。
また、人材を採用するにはコストもかかりますが、そのコストが潤沢でない中小企業では、どうしても後手に回ってしまいます。
中小企業でできる人手不足対応策
さまざまな要因による人手不足をただ嘆いていても、状況は改善しません。対応策を考えて、やれることからやっていきましょう。
本章では、具体的な対応策を紹介していきます。
労働環境を改善する
労働環境の改善は、従業員にとってその企業に留まる大きな要因になります。
給料を急に上げることは難しくても、その他の福利厚生を充実させていくのは可能なはずです。
バージョンの新しい、使いやすいパソコンを支給したり、リフレッシュ休暇を導入したり、従業員同士が意見を交換しやすい制度を作ったりと、対策はいくらでもあります。
肝心なのは、従業員を大切にして、彼らが働きやすい環境を作っていくことです。従業員にアンケートをとることも有効でしょう。
環境に不満を感じて離職してしまう人を少しでも減らすことが大切です。
働きやすさを対外的にもアピールできる会社には、自然と人材も集まります。
アウトソーシングを利用する
アウトソーシングを利用することも、人手不足を解消することに役立ちます。
特に有効なのがオンラインアシスタントです。オンラインアシスタントとは、その名の通りオンラインで主に事務代行を依頼できるサービスのことです。
月額利用料は発生しますが、事務作業をするために新しく人材を雇ったり、派遣社員を雇ったりするよりもコストを抑えられます。また、オンラインアシスタントはチームを編成して業務にあたるため、担当者が一人急病や急用で休んだとしても、業務が滞ることがありません。
おすすめのオンラインアシスタントは「フジ子さん」です。オンラインアシスタント業界では最安値で知られており、一番安価なプランですと、自社社員を時給1,600~1700円程度で雇うのと同じコスト感で依頼できます。※2023/11/1より新価格。無料トライアルも実施していますので、2時間は無料で依頼可能です。フジ子さんに外注した企業の一年間の継続率は90%を超えていて、この数字を見るだけでも信頼に値する業者だとわかります。
依頼できる業務は総務、経理、人事からweb関連、デザイン、SNS運用代行など多岐に渡り、どんな事務業務でも、一度相談してみる価値はあります。
フジ子さんの公式サイトはこちら
Web媒体を使って求人・採用活動を行う
求人情報はインターネットで確認することが当たり前になっています。求人情報を記載するだけなら無料という広告サイトも増えているので積極的に利用しましょう。
多くの求人サイトの中から、どれを選べばよいのか迷う場合は以下の記事を参考にしてみてください。
【しゅふJOB】無料・有料の求人サイト18選|自社に合った求人掲載方法を解説します
また求人サイトだけでなく、自社のホームページやSNSにも求人情報を載せるとより多くの人に届きます。
中小企業で人材確保できた事例
上記のように、中小企業が優秀な人材を確保することはなかなか難しいです。どうやって人材を確保すればいいでしょうか。事例を挙げながら紹介していきます。
オンライン事務代行業者を利用
1つめは、オンライン事務代行により人材を確保できた事例です。
たとえば某製造企業では、ノンコア業務に手が回らず残業続きでした。従業員が開発スタッフばかりで、事務作業まで就業時間内に行えなかったからです。
そこでオンライン事務代行業者を導入すると、従業員がコア業務に専念している間にノンコア業務が片付くようになり、残業が減りました。生産性もアップし、売上も伸びたのです。
全国に対応しているオンラインアシスタントはたくさんあるので、自社に合ったサービスを選びましょう。
↓関連記事↓
オンラインアシスタントとは?利用するメリット・デメリットから導入事例まで徹底解説
働きやすい職場作りを構築
新しく優秀な人材を確保することも重要ですが、今いる優秀な人材を永く自社に留めるのもまた重要です。従業員が働きやすいよう、よりよい職場作りをしていきましょう。
たとえば、群馬県にある有限会社「COCO-LO」という会社は、女性が働きやすい環境作りに取り組みました。具体的には、従業員のライフスタイルに合わせて「準社員制度(短時間正社員制度)」「ならし勤務制度」「育児休業制度」を実施しています。
社内に託児室もあり、産休育休取得率、復帰率ともに100%となりました。
経営者が自分たちのことをちゃんと考えてくれているのだと感じられれば、従業員は職場に愛着も沸いて仕事への意欲も向上します。結果的に、人材が永く会社に留まることにつながるでしょう。
参照元:有限会社COCO-LO
まとめ
中小企業の人手不足は、今や企業レベルではなく国が抱える問題になってきています。この問題を乗り越えるため、さまざまな対策が必要です。
コストをかけて即効性のある対策をとることは難しくても、人口が1億人を切ると言われている2050年を見据えて今から動くことは可能です。
オンライン事務の導入、福利厚生の充実、労働環境の改良など、できる限りの対策をとってこの危機を乗り越え、自社を末永く発展させていきましょう。