会社の中でも良い意味で目立つ存在の社員がいるかと思います。
- 自ら考えてすぐに行動できる
- 物事の本質を見抜く
- 目標を達成する
などといった特徴があります。いわゆる「エース社員」ですね。
エース社員は、
- 人のせいにしない
- だらだら残業しない
- ポジティブに行動している
- メールの返信が早い
- やらないことを決めている
- 素直で謙虚
- 決断が早い
といった習慣や行動を心がけているようです。このようなエース社員の存在は、他の社員にとって良い刺激になります。
「私もあんなふうに仕事ができるようになりたい!」
「同期のあいつには負けられないぞ!」
「最近の若いやつはやるな!」
と言うように、プラスの効果をもたらします。会社としては、一人でも多くのエース社員を育て、長く活躍してもらうのが理想です。
しかし、ある日突然「僕、退職します!」とエース社員が退職届を出すことも少なくありません。周囲は「えっ、楽しそうに仕事してたじゃん!!」と驚くでしょう。とはいえ、エース社員にはエース社員なりの苦悩があり、悩み抜いたうえでの「退職希望」なのです。
この記事では、エース社員が退職する原因と退職を防ぐための対策についてお伝えします。エース社員を退職させたくない人事部や管理職の人などに読んで欲しいです。
エース社員が退職する7つの原因
退職の原因①:優秀がゆえにタスクが集中し激務になる
「優秀な人こそ忙しくなる」というのはよくあることで、
「信頼できる彼に依頼したい!」
「ややこしいことになったから、彼女にしか頼めない!」
といった社内外からの依頼があるものです。効率良く仕事をこなしているのに、どんどん仕事が舞い込んでくるので、毎日長時間残業をしていると、エース社員にも沸々と不満がたまってきます。エース社員が退職を考えるきっかけです。
退職の原因②:プライベートな時間が割けない
先ほどの、タスクが集中すると関連するのですが、残業が多くなるので、プライベートな時間が持てないエース社員が少なくありません。
どれだけ仕事で成果を残しても、どれだけ多くの給料をもらったとしても、「何のためにこんなに頑張っているのか…」とネガティブな感情になることがあります。
特に、最近の若者は、ワークライフバランスを意識している人が多く、上司や先輩が期待をしすぎてどんどん仕事を任せていると、突然退職を申し出るということがあります。
妻や子どもの体調が悪くても休日出勤している
前から予定があると伝えていたのに、残業や付き合い飲み会を無理やり入れられる
子どもの学校行事に一切参加できていない
これらに当てはまったら、プライベートの充実を図るためにエース社員が退職するかもしれません。
退職の原因③:給料の割に責任が重すぎる
また、エース社員にかかる責任が重すぎて給料とのつり合いがとれていないケースがあります。もちろん、働くことによって得られる達成感や充実感も大切ですが、生活がかかっているので、給料という目に見えて分かる結果で仕事の評価をして欲しいと考えている人が多いです。
名ばかり店長といった責任だけ重くのしかかってくる状況だと、他にもっと良い評価をしてくれる会社があるのではないか、と転職活動を始めます。
退職の原因④:自分の改善案やアイディアが反映されない
優秀なエース社員ほど、現状をより良くするために改善案やアイディアを出すことが多いです。内容自体は評価できるものなのですが、組織に変革する余裕がなくて「今はできないかな…」と先送りにしていると、会社や上司に期待をしてくれなくなります。
例えば、
改善案を出しても検討されている様子すらない
新しい企画を出したが、読まれもしていない
こんな会社だと、エース社員に見切られてしまう可能性が高いです。
退職の原因⑤:退職の原因③これ以上成長できるイメージがない
優秀な人材こそ「今の環境だとこれ以上の成長ができないので転職を決意した」と言うようです。成長するためには、「尊敬できる人」や「良きメンター」が必要です。
自分が模範になっていると、「ここにいても上を目指せない」と感じるのでしょう。そこで、エース社員同士で刺激し合えるような仕組みを作ってあげることをおすすめします。
また、自社の中で「スキルアップしたい!」と思える評価基準を設けたり、円滑なコミュニケーションを図ったりするのが大切です。
新たなスキル・知識を学ぶ研修を用意していない
パフォーマンスが良いからと言って、ルーティンワークばかりを任せている
こういった状況が続くと、社員の士気が下がるでしょう。
退職の原因⑥:退職の原因④会社の方針が見えない
これも優秀な社員がよく言うことなのですが、会社の方針が見えないと、自社の魅力を感じられずに愛着が湧かないということがあります。
一般的な社員は、「そこまで残業をせず仕事をそつなくこなして給料をもらえたらいいや」くらいに思っていることも少なくありませんが、エース社員は「会社はどこに向かっているのか」ということを意識しているようです。
年に1回でも良いので、3年後や5年後の理想の姿を全社員に提示する時間を設けても良いかもしれません。
退職の原因⑦:他社からヘッドハンティングを受けた
そこまで会社に対する不満があったわけではないけど、別の会社からさらに良い条件で打診があったら、退職してしまうエース社員がいます。
エース社員は、社外でも有名になっていることが多いので、ヘッドハンティングが来るのです。ヘッドハンティングされたときに気持ちが揺らがないように、エース社員とは密なコミュニケーションを図り、小さな不満・不安を解消させておくことをおすすめします。
エース社員の退職・崩壊を防ぐ7つの対策
続いて、エース社員の退職を防ぐ対策をご紹介します。周りに良い影響を与えつつ、ハイパフォーマンスを上げる優秀な人材には長く働いて欲しいでしょう。これからお伝えすることを意識すると、より良い会社になるのではないでしょうか。
退職を防ぐ対策①:外注を利用して無駄なタスクを減らす
退職で理由で必ず上位に挙げられるのが、優秀な社員にタスクが集まってしまい仕事が激務化してしまうことです。
しかし業務の中には、優秀な社員がやらなければいけない業務と誰がやってもあまり結果が変わらない業務があります。
その中で、「誰がやってもあまり結果が変わらない業務」に関しては優秀な社員に押し付ける仕事ではありません。
そこで「外注を利用して無駄なタスクを減らすこと」を考えてみると解決に向かいます。
外注化をする上でコストパフォーマンスに優れていておすすめなのが「オンラインアシスタント」です。
とくに、業務の守備範囲が広く、業務効率化のノウハウも豊富な「フジ子さん」は、オンラインアシスタントのなかでも特におすすめしたいサービスです。
退職を防ぐ対策②:他部署への異動を提案する
エース社員が希望する部署に異動することを条件に引き止める方法は有効です。エース社員は、「働きがい」を重要視している場合が多いのも事実です。
「尊敬できる上司のもとで興味のある業務をできる」ということだけでも、「この会社で働きたい!」と思わせることができるでしょう。
異動すると環境が変わるので、エース社員が周囲に良い刺激を与えますし、エース社員自身も新たな刺激を受けて、好循環を生み出すのではないでしょうか。
現在、エース社員を抱えている上司は手放したくないと思うかもしれませんが、他のエース社員を入れることで補完できるでしょう。
退職を防ぐ対策③:昇進・昇格させる
実質的にお金が伴うかもしれませんが、昇進・昇格させることで、エース社員を引き止めることができるかもしれません。やはり、役職にこだわりを持っている人も少なくないでしょう。同期の中で競い合っている人もいます。マネジメント力のあるエース社員は管理職にするのが適任ではないでしょうか。
退職を防ぐ対策④:新事業を任せる
会社の命運を握る新事業や新企画のメンバーに選ぶのは、有効な手段です。会社を代表して選ばれたという誇りを持って仕事に取り組めるでしょう。
また、優秀な人同士で働けると、好循環を生み出しつつ、高いモチベーションを維持できます。「この会社にはこんな素敵な人がいるんだ!」と認識できると、会社に所属できている幸福感を味わえるのではないでしょうか。
新事業は、負荷がかかる仕事ですが、そういう業務内容こそエース社員がやる気になります。これから成長が期待できる若手エース社員を投入することも検討してみてはいかがでしょうか。
退職を防ぐ対策⑤:新しいアイディアを取り入れる
仕事ができるアイディアマンの良い意見は積極的に取り入れることをおすすめします。たとえ、会社に在籍している期間が短くても、会社にとって有益なアイディアを提案してくれることがあります。会社の在籍期間が短いからこそ、新鮮な気持ちで会社の仕組みを客観視することができるのです。
年齢・性別・在籍期間など、全て度外視したうえで、会社や顧客、社員などにとって有益なアイディアは全て受け入れるようにしましょう。
さらに言うと、できるだけ早くアイディアを取り入れるスピード感は大切です。
社員から、
「うちの会社は全然動かない…」
「決断が遅すぎる…」
と思われてしまったら、信頼を損ねることになります。社員に「質」と「スピード」を求めるなら、会社も同じ姿勢をとりましょう。
退職を防ぐ対策⑥:不満や希望を聞き入れる
アイディアを受け入れるというのと似通っていますが、エース社員の不満や希望を真摯に聞き入れる姿勢が必要です。
会社によっては、定期的に匿名のアンケートを実施しているところがあります。さらに、そのアンケート結果を全社員に提示して、会社の課題を共有するというわけです。
全ての要望を聞き入れるのは難しいかもしれませんが、そういうニーズがあることを把握するだけでも意味があると言えます。
退職を防ぐ対策⑦:会社として目指す方針を提示する
会社が目指す方針を提示することもおすすめできます。会社の方針が見えないと、優秀な人材はモチベーションが下がったりこの会社にいて良いのかと不安になったりするものです。年に1回は決起集会という形で、会社方針を提示してみませんか。
まとめ
エース社員が退職したいと言ったとき、早い段階で上司が対処してくれれば止められたのに…という場合が多くあります。
ケースバイケースですが、普段顔を合わせていない人事部が止めるより、親しい上司や先輩が引き止めた方が有効なことが多いでしょう。
部下や後輩の変化に気づけるように、日頃のコミュニケーションが大切だと言えます。退職しそうな気配のあるエース社員に関する情報はきちんと共有して、話を真摯に聞く姿勢が大切です。
- 速やかに
- 真摯に
- 丁寧に
というのが、エース社員の退職を防ぐポイントでしょう。