電子契約サービスのおすすめはどれ?メジャーな5つを比較!

政府が印鑑の廃止を提唱し始めたことをきっかけに、電子契約サービスの利用を検討している企業は多いのではないでしょうか。

電子契約サービスは契約書をPDFなどの電子ファイルにし、印鑑を押さない代わりに業者を通して電子署名という形式で承認するサービスです。このサービスには、取引先との契約の締結スピードが速くなる、印紙税を節約できるなどメリットがあります。

ただ、電子契約サービスは比較的新しいサービスなので、業者選びのポイントがわからない方もいらっしゃるのでは。

そこで本記事では、電子契約サービスの中でも特に利用者の多い5社をピックアップしました。それぞれの特徴を比較したので、利用するサービスを決める際の参考にしてください。

電子契約サービスの種類

電子契約サービスには、当事者型と立会人型の2種類があります。それぞれ契約方法はもちろん、手続きにかかる期間や料金などにも違いがあり、一長一短です。まずは両者の特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

当事者型

従来の電子契約で用いられてきた方法が当事者型です。この方法では事前に認証局へ申請し、自分と契約相手それぞれが電子証明書を発行してもらいます。そして電子署名済みのデータを相手に送り、相手が確認したら契約成立という流れで契約を結びます。

当事者型のメリットは、当事者間で電子証明書を管理しているので、当事者がしっかりセキュリティ管理を行っていれば書類の流出・改ざんの心配が無い点です。

ただし、認証局に電子証明書を発行してもらうには数週間の期間を要します。加えて、申請時に収入印紙などで認証にかかる費用を支払う必要があるというデメリットもあります。

立会人型

立会人型は、当事者の間に電子契約サービスが入る方法を指します。電子契約サービスが指定するクラウドに契約書をアップロードし、自社と取引先が確認をしたら電子契約サービスが承認を行うという流れです。

当事者型と比べると、立会人型には契約書の承認がスピーディーに終わるというメリットがあります。

しかし、電子契約サービスが契約書の承認や管理を行うので、情報流出のリスクを理解したうえで利用しなければいけません。

立会人型の電子契約サービスも法的効力を持ち得るように

2001年に電子署名法が制定され、電子署名法により、以下の3つの条件をクリアすることで、法的根拠を持つものと判断されました。その3つの条件とは以下の通り。
・電子署名は本人が作成したものであること
・本人の意思によって署名されていること
・改変されていないことを証明できること

当事者型では、自社と契約相手それぞれが管理する電子証明書を認証局が発行します。この方法なら自分で手続きを行うので、書類を作成したのが本人であること、自分の意思で署名していることそして契約書が改ざんされていないことが証明され、法的根拠を持つものとして認められるでしょう。

一方で立会人型は、当事者ではなく電子契約サービスが電子署名を行うことから、法的根拠を持つかどうかは曖昧とされてきました。しかし、2020年に入ってハンコを不要とする動きが出始めたのです。

そして2020年9月4日に総務省・法務省・経済産業省が連名で、「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自信の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法3条に関するQ&A)」を発表しました。

これにより、

・技術的・機能的に電子契約サービス側が介入できず、当事者の意思にのみ基づいて機械的に暗号化されたものであること
・トークンやワンタイムパスワードなどを用いてセキュリティ性を確保し、第三者による改変ができないこと

の2つの条件を満たすことで、立会人型の電子契約サービスも法的効力を持つと判断されました。

参照:総務省「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自信の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法3条に関するQ&A)

電子契約サービス│メジャーな5つを比較

電子契約サービスは立会人型が主流です。そのため、セキュリティ性がしっかり確保されているサービスを選ぶ必要があるでしょう。

ここでは、電子契約サービスでも特にメジャーな5社をピックアップしました。料金やサービスの特徴などを比較して、利用するサービスを決める参考にしてください。

クラウドサイン

画像:クラウドサイン公式サイト

テレビCMやインターネット広告など宣伝に力を入れており、知名度が高いのが「クラウドサイン」です。業界シェア80%、さらに弁護士ドットコムが運営しているということもあり、信頼度が高いサービスです。ちなみに、メルカリなど大手企業も利用しています。

クラウドサインの強みはシンプルさです。契約書をアップロードし、取引先に送信したら、あとは取引先がスタンプを押すだけ。工程が3つしか無いのでスピーディーに契約を進められます。タイムスタンプを導入して改ざんされていないことを証明、法的効力の面も心配ありません。

しかし、クラウドサインはPDFにしか対応していません。そのため、WordファイルはPDFに変換する必要があります。

また、契約書のレイアウト編集機能は他のサービスと比べると劣ります。場合によってはクラウドサイン用に契約書のレイアウトを変えなければいけないこともあり、特に記入項目の多い契約書を作成する際は不便に感じるかもしれません。

【クラウドサインの料金表】

プラン名 月額料金 送信料 アカウント数
スタンダード 10,000円 200円 無制限
スタンダードプラス 20,000円 200円 無制限
ビジネス 100,000円 200円 無制限

【クラウドサインのサービス詳細はこちらから】

NINJA SIGN

画像:NINJA SIGN公式サイト

安さを重視したい人におすすめなのが「NINJA SIGN」です。アカウント数に制限はあるものの、他のサービスと比べて月額料金が安いうえに、送信料が発生しません。

また、NINJA SIGNの対応ファイルはGoogleドキュメント・PDF・Wordで、基本的にはGoogleドライブで契約書の管理を行います。Googleのサービスは私生活でも利用する機会が多く、操作もしやすいでしょう。

それにタイムスタンプを導入しているので、NINJA SIGNを経由した書類は法的効力も持っています。クラウド会計サービスFreeeeなど有名サービスも導入しており、信頼度も高いです。

【NINJA SIGNの料金表】

プラン名 月額料金 送信料 アカウント数
Free 無料 無料 1個
Light 4,980円 無料 1個
Light+ 19,800円 無料 6個※1アカウント追加で1,000円
Pro 要問合せ 無料 要問合せ

【NINJA SIGNのサービス詳細はこちらから】

BtoBプラットフォーム契約書

画像:BtoBプラットフォーム契約書公式サイト

BtoBプラットフォーム契約書」の運営元であるBtoBプラットフォームは、20年以上の歴史を持つ企業です。利用社にはコープやエイブルなどの有名企業も名を連ねていることから信頼度も高いといえます。

BtoBプラットフォーム契約書の魅力は料金の安さです。契約書1通あたり50円で、他と比べてもセキュリティ面も整っており、追加オプションで特定のIPアドレスしかデータにアクセスできなくするといった対策も可能です。

ただし、BtoBプラットフォームは取引先もBtoBプラットフォーム契約書のアプリケーションをインストールしなければいけません。取引先に負担をかけてしまう点は不便です。

【BtoBプラットフォーム契約書の料金表】

プラン名 月額料金 送信料 アカウント数
フリープラン 無料 無料 無制限
シルバープラン 10,000円 50円 無制限
ゴールドプラン 30,000円 50円※月100件まで無料 無制限

【BtoBプラットフォーム契約書のサービス詳細はこちらから】

GMO電子印鑑Agree

画像:GMO電子印鑑Agree公式サイト

クラウドサインに並んで業界トップの利用者数を誇る「GMO電子印鑑Agree」。大手IT企業のGMO系列のサービスで、中小企業を中心にたくさんの利用者がいます。

GMO電子印鑑Agreeの強みは、電子署名だけでなく電子サインにも対応している点です。電子サインはメールによる認証も取り入れて安全性を確保しており、手軽さを重視したい場合はサイン、重要な契約には電子署名と使い分けることができます。

また承認者を制限でき、勝手に書類を改ざんしたり、送信したりするトラブルも防げ、しっかり内部統制が取れます。

ただ、電子署名と電子サイン両方対応しているプランは実印&契約印プランのみ。しかも電子署名の際の送信料は300円と割高です。電子サインをメインに使いたい場合は良いですが、電子署名を使うなら他のサービスを選ぶ方が良いでしょう。

【GMO電子印鑑Agreeの料金表】

プラン名 月額料金 送信料 アカウント数
お試しフリー 無料 無料 1個
契約印プラン 10,000円 電子サイン:100円 無制限
実印&契約印プラン 20,000円 電子サイン:100円電子署名:300円 無制限

【GMO電子印鑑Agreeのサービス詳細はこちらから】

リーテックスデジタル契約®

画像:リーテックスデジタル契約公式サイト

他のサービスよりも高いセキュリティ性でユーザーを増やしているのが「リーテックスデジタル契約」。多くの電子契約サービスは電子署名法に基づいて運用されています。しかし、これだけでは「本人確認が緩い」「本当に本人の判断によって契約が結ばれているかわからない」という声も多いです。

リーテックスデジタル契約は電子署名法に加えて電子記録債権法にも基づいて運営されています。意思確認、本人確認も入念に行われており、金融機関並みの本人確認の厳しさなので、重要書類の契約におすすめでしょう。

対応しているファイル形式はPDF・Googleドキュメント・Wordと充実しています。ただ価格が高めなので、ここまでのセキュリティが必要かどうか考えて利用するのがおすすめです。

【リーテックスデジタルの料金表】

プラン名 月額料金 送信料
エントリー 無料 無料
スタンダード 10,000円 無料
プレミアム 100,000円 無料
エンタープライズ 要問合せ 無料

【リーテックスデジタル契約のサービス詳細はこちらから】

まとめ

電子契約サービスは、省ハンコ化が進むにつれて需要が高くなっていくでしょう。しかし、電子化は便利ではあるものの、第三者が勝手に契約を結んだり、契約書を改ざんしたりするリスクも伴います。したがって、しっかりセキュリティ性を確保している業者を選ぶことが大切です。

また、業者によって送信料に差があります。そのため、月にどれくらいの量の書類
のやり取りをするかもよく考えて、利用する業者を決めてください。