入社手続きの必要書類と流れを解説!【新卒・中途採用】

社員を雇用する際に必要となる入社手続きは、期限が定められているものもあり、必ず迅速に行わなければなりません。新入社員がすぐ業務へ就けるようにする意味でも、人事・労務における重要業務といえます。

会社にもよりますが、昨今では採用活動が通年化していますし、いつでも手続きができるよう体制を整えておきましょう。

本記事では入社手続きについて、必要書類や流れなどを解説します。

【新卒】入社手続き前に用意する書類

まずは、新卒入社に必要な書類のうち、入社前に内定者へ送付して返送してもらうものを紹介します。

雇用契約書

雇用契約書とは、雇用主と労働者の双方が雇用契約に合意したことを証明する書類のことです。

法律上この書面がなくとも労働契約は成立しますが、後々のトラブルを避けるために作成するのが通常です。また、契約書は2部作り、雇用主と労働者がそれぞれ1部ずつ保管するようにしましょう。

労働条件通知書

労働条件通知書は文字通り、労働条件を労働者へ明示する書類のこと。こちらは法律によって交付が義務付けられています。

また、労働条件通知書には以下の事柄を記載しなければなりません(絶対的明示事項)。

・労働契約の期間
・就業場所
・従事する業務の内容
・始業、終業時間
・所定労働時間を超える労働の有無
・休憩時間、休日、休暇
・勤務交代に関する事項
・賃金の決定、計算、支払の方法
・賃金の締切日と支払日
・昇給に関する事項
・退職に関する事項

加えて、必要に応じて下記の事柄も記入することになります。

・臨時に支払われる賞与や各種手当
・退職手当の定めが適用される労働者の範囲
・退職手当の決定、計算、支払方法、支払日
・安全衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償、業務外の傷病扶助
・表彰と制裁に関する事項
・休職に関する事項
・労働者の費用負担に関する事項

採用通知書

採用通知書は、応募者に採用の意思を伝えるための書面です。

採用の旨や入社日を記載するのに加え、入社予定者に提出してもらう書類についても連絡すると、後の業務をスムーズに進められます。

入社承諾書

入社承諾書は、入社を承諾する旨を内定者に確認してもらうための書面です。法的な送付義務はありませんが、一般的にはこれの返信をもって、内定者が入社するものとみなします。

【新卒】入社手続きの必要書類

次に入社手続きで必須の、給与支払いや保険加入に関する書類を紹介します。これらも入社予定者から提出してもらいましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

社会保険や所得税、各種手当の計算に必要な書類です。扶養家族がいない場合でも提出が必要になります。

雇用保険被保険者証

雇用保険の手続きに必要な書類です。基本的に会社が管理し、従業員の退職時に返却します。

健康保険被扶養者(異動届)

社会保険の手続きに必要な書類です。ただし、扶養家族がいる場合にのみ提出してもらいます。

年金手帳

年金加入に必要な書類で、これの内容を元に作成した「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を年金事務所か厚生年金基金へ提出しなければなりません。また、年金手帳は会社で保管するのが一般的です。

給与振込届出書

給与振込のための口座情報を記す書類です。会社によっては、通帳のコピーも一緒に提出してもらうこともあります。

各種手当支給届出書

住宅手当や通勤手当など、会社の定める手当の支給に必要な書類です。

マイナンバー

社会保険と雇用保険の手続きにはマイナンバーが必須です。個人そのものに関わる非常に重要な情報ですので、取り扱いには最新の注意を払いましょう。

会社によっては必要となる書類

上記のほかにも、会社によっては次のような書類を提出させる場合があります。

・成績証明書
・卒業(見込み)証明書
・住民票記載事項証明書
・従業員調査
・身元保証書
・免許や資格関連の証明
・健康診断書

自社の状況を鑑みて、必要かどうかを判断してください。

【中途採用】入社手続きに必要な書類

中途採用の入社手続きには、前述した新卒の入社手続きに必要な諸書類に加え、以下のものが必要になります。

前職の源泉徴収票

年末調整に必要なので、前職の源泉徴収票を提出してもらいましょう。もし内定者が紛失していたら、再発行の手続きを依頼しなければなりません。

退職証明書

前の会社を退職したことを証明する書類です。必須ではありませんが、新しく保険に加入する際に、被保険者資格の確認に用いることがあります。

入社手続きの必要書類に使う印鑑の種類は?

入社手続きの必要書類に使う印鑑は、一部をのぞき認印で問題ありません。

ただし、身元保証書に記載する身元保証人に関して、印鑑証明書の添付も求める場合には、保証人の実印が必要です。

内定者の入社後には法定三帳簿も作成しよう

内定者の入社後に行う社内手続きとして、「法定三帳簿」の作成が労働基準法によって定められています。法定三帳簿とは、労働者名簿・出勤簿・賃金台帳の3種類をまとめた呼び方で、従業員管理にまつわる重要書類です。

帳簿の種類 記入事項
労働者名簿 労働者の氏名・生年月日・性別・住所・雇用年月日・業務内容・
異動や昇進の履歴・退職や死亡の年月日とその理由
出勤簿 労働者の出退勤に関する情報
賃金台帳 従業員ごとの給与・賞与などの支払額とその詳細

労働者名簿と出勤簿は3年間、賃金台帳は5年間の保存が義務付けられています。必ず厳重に管理してください。

各種入社手続きの期限

ここまで見てきた通り、入社手続きの種類は多岐にわたります。次に、それぞれの期限を確認しておきましょう。

手続きの種類 期限
健康保険と厚生年金の手続き 雇用開始から5日以内
雇用保険の手続き 雇用日の翌月10日までに
税金や控除の手続き 初回の給与計算日までに
法定三帳簿の作成 雇用開始日までに

入社手続きが遅れるとどうなる?

上記の手続きが遅れるとどうなるのか?種類ごとに解説します。

健康保険・厚生年金

これらの手続きは2年前まで遡って行えますが、未加入期間分の料金を一括請求されます。その半分は従業員が支払うため、本来の義務を会社が果たさなかったことによる理不尽な請求により、労務トラブルに発展する可能性もあるでしょう。

また、正当な理由なく手続きをしなかった場合、懲役または罰金が科せられるかもしれません。

雇用保険

雇用保険も2年前まで遡って手続きできますが、やはり未加入期間分の保険料は一括請求されます。悪質な場合には懲役や罰金の可能性もあるため注意しましょう。

税金や控除

扶養控除の申請が遅れると、その従業員は年末調整の対象外となります。このせいで控除が適用されず、本来より高い税金を支払うことになるのです。

税務署から目をつけられたり、刑事罰が科せられたりする可能性まであるため、税金関係の手続きも迅速に行ってください。

法定三帳簿

法定三帳簿の作成が遅れると労働基準法違反になり、各帳簿ごとに30万円以下の罰金を科せられる可能性があります。最大で90万円もの罰金になるため、必ず雇用開始日に間に合わせないといけません。

迅速な入社手続きには電子申請が便利

法律面だけでなく、適切な従業員管理という面からも、入社手続きは迅速に行う必要があります。ただ、紙の書類を用意していると時間や費用がかかりますし、その後の保管や書類検索が大変です。

そこでおすすめなのが、各種手続きの電子化です。

オンラインで作業を完結させられることで、業務効率アップやミス削減、コスト削減といったメリットを受けられます。もちろん、法律上も問題ありません。

昨今では、雇用契約書や労働条件通知書、社会保険、税金関連などの手続きを一括管理できるクラウド型の人事労務ソフトも登場しています。興味のある方は、ぜひ導入を検討してみてください。

まとめ

今回は入社手続きに必要な書類を紹介しました。

会社と従業員、双方のために速やかな書類作成と送付が求められます。必須の書面はもちろん用意するとして、そうでないものについても必要かどうか検討しましょう。特に通年で採用を行っている企業の場合、いつでも業務を遂行できるよう準備しておかなければなりません。

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