「人手が足りなくて業務が終わらない…」
「繁忙期だけ誰かの手を借りたい」
そんな悩みを持つ個人事業主の方が、真っ先に思い浮かべるのはアルバイトを雇う事ではないでしょうか。
しかし、アルバイトを雇って本当に損をしないのか、人件費などの経費を上回る利益を出せるのか、不安に感じますよね。
今回は、個人事業主がアルバイトを雇うメリット・デメリットや費用について詳しく解説します。
生産性向上のためにアルバイトを雇ったのに、手続きや労務トラブルでかえって手間が増えてしまったというケースも多々あります。アルバイトを雇うメリット・デメリットを踏まえて慎重な経営判断を行いましょう。
また、生産性向上のための取り組みはアルバイトを雇う事だけではありません。アルバイトを雇う以外え労働力を補う方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
個人事業主だと、経費がかかるよりはマシだと思ってつい自分ですべてこなしてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、経営者が本業に専念できない事でかえって成功のチャンスを逃してしまっている場合もあります。
必要に応じて業務分担をしながら、事業を成長させていくという考え方はとても大切です。
秘書を雇うにはどうしたらいい? 雇う事のメリット・デメリットとは?
目次
個人事業主がアルバイトを雇う2つのメリット
まず、個人事業主がアルバイトを雇うメリットを2つ紹介します。
個人事業主がアルバイトを雇うメリットは生産性の向上と助成金や優遇税制です。
個人事業主がアルバイトを雇うメリット①生産性の向上
アルバイトを雇う最大のメリットは、生産性が向上する事です。
経営者や従業員が本業に専念する事ができれば、アルバイトに支払う給与以上に利益が増加するケースは多々あります。
また、分業体制になる事で業務の切り分けや効率化、マニュアル化が進み、属人性が排除されるというメリットもあります。
個人事業主本人が病に倒れた場合も、短期間であれば切り盛りして行けるようになるかもしれません。
個人事業主がアルバイトを雇うメリット②助成金や優遇税制
個人事業主がアルバイトを雇った場合、条件を満たせば助成金や優遇税制の対象となる場合があります。助成金については、厚生労働省のホームページで確認する事ができます。
たとえば、トライアル助成金について大野社労士オフィス助成金サポートセンターでは下記のように紹介されています。
この奨励金の利用には、事前にトライアル雇用求人をハローワークに提出しておく必要があり、ハローワークの紹介により対象者を雇い入れ、一定の要件を満たした場合に、対象者1人あたり月額最大4万円が支給される事になっています。なお、トライアル雇用の期間は最大3ヶ月となっているため、奨励金の上限額は12万円となります。
引用:大野社労士オフィス助成金サポートセンター
助成金ごとに支給要件が異なり、助成金の種類も随時更新されるため、小まめにチェックする事を心がけましょう。
優遇税制に関しては、2018年3月に終了した雇用促進税制が有名です。現在は地方拠点強化税制という形で残っていますが、適用要件は厳しくなりました。
しかし、政府は就職率を上げるため今後も優遇税制によって雇用を促す可能性があります。助成金とあわせて小まめに情報収集をしましょう。
個人事業主がアルバイトを雇う3つのデメリット
アルバイトを雇う事で業務自体の生産性は向上しますが、一方で面倒な手続きをすべて自分でしなければなりません。社労士などに依頼する事もできますが、そうすると高額な社労士費用が発生します。
アルバイトを雇う事で退職リスクや税務リスクとも向き合わなければなりません。続いては、個人事業主がアルバイトを雇うデメリットを3つ紹介します。
個人事業主がアルバイトを雇うデメリット①手続きが面倒
初めてアルバイトを雇った個人事業主の方から「こんなに面倒だとは思わなかった」という話をよく聞きます。また、経営者と話していて感じるのが、悩みのほとんどは労務問題だという事です。
アルバイトを雇う際に必要な手続きは下記の通りです。
・広告媒体の検討
・履歴書の確認
・面接と採用連絡
・不採用通知の発送、履歴書の返送
・雇用契約書の作成
・社会保険の適用条件の確認、加入手続き
・所得税、住民税の天引きと納付
・年末調整
また、最近では求人を出したからといってすぐに応募があるとは限りません。応募がなければ、広告の出し方を工夫する必要があります。いつくるかわからない連絡を待って面接日程を調整しなければならないため、精神的な負担もかかります。
個人事業主がアルバイトを雇うデメリット②退職リスク
せっかく採用したからといって、長く働いてくれるとは限りません。労力を割いてやっと採用できたと思っていたら、ある日突然辞めてしまう事も。
退職時には、雇用保険の資格喪失届の手続きなどさらに煩雑な事務負担があります。失業給付等の金額が退職理由によって変わる事から、トラブルが発生するケースもあります。社労士に対応を依頼すると、別途社労士に支払う費用も発生します。
また、退職と並行して新たな採用活動を始めなければなりません。雇用という形態をとっている以上、どうしても退職リスクは付きまといます。
個人事業主がアルバイトを雇うデメリット③税務リスク
個人事業主であれば、決算書を作成して所得税の確定申告を行わなければなりません。確定申告だけならまだシンプルですが、人を雇う事で税金に関する様々な知識も必要になります。
まず、給与を支払うなら税務署に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」を提出しなければなりません。他にも、給与の金額によっては毎月所得税を天引きし、年末には年末調整という形で従業員に代わって1人1人の税金を計算する必要があります。
もし所得税の給与天引きを忘れた場合や計算に誤りがあった場合、税務調査で指摘を受ければ一旦事業主が建て替えて税務署に納税しなければなりません。また、税務調査後に従業員に計算の誤りを伝えて再徴収する事は難しく、実質的には個人事業主の負担となります。
アルバイトを雇う場合、税務リスクが増す事も知っておかなければなりません。
個人事業主がアルバイトを雇うのにかかる費用
続いて、アルバイトを雇うのにかかる費用について解説します。
アルバイトを雇うのにかかる費用は、採用手続き費用・人件費・退職手続き費用の主に3つです。
採用手続き費用とは、求人の広告代、採用・不採用通知の発送費用などです。手続きを社労士など外部に委託する場合はさらに費用が上乗せされます。場合によっては面接者の交通費を負担したり、不採用時にクオカードを渡したりする事もあります。
人件費は、給与・賞与など雇用者に直接支払うものと、労災保険・雇用保険などの社会保険料に分けられます。社会保険にはそれぞれ加入要件があり、加入要件を満たす場合は加入手続きをして雇用者も社会保険料を負担しなければなりません。
退職時には、義務ではありませんが退職金を支払うケースがあります。また、社会保険の資格喪失手続き等を社労士に依頼する場合は費用が発生します。
アルバイトを雇う以外で労働力を補う3つの方法
最後に、アルバイトを雇う以外で労働力を補う方法を紹介します。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい人と仕事を引き受けたい人をマッチングするWEBサービスです。有名なサイトはクラウドワークスやランサーズなどです。
クラウドソーシングを活用する場合、WEB上で必要なスキルを持った人を探して直接仕事を依頼したり、仕事内容を記載して募集をかけたりする必要があります。
クラウドソーシングなら、様々なスキルを持った人が見つかるというメリットがあります。一方で、募集や応募者の選別に大幅な時間がかかり、かえって手間が増えてしまったという話もよく聞きます。
活用する際には依頼内容とクラウドソーシングがマッチしているか、実際にどのぐらいの時間を割けるのが慎重に検討する必要があります。
オンラインアシスタントを使う
労働力を補う効果的な方法として、オンラインアシスタントの活用があります。オンラインアシスタントとは、1ヶ月あたり決まった時間で契約し、その分の仕事をオンラインで依頼できるという画期的なサービスです。
最近ではアウトソーシングの流れが加速し、業務の効率化が飛躍的に進んでいるといわれます。オンラインアシスタントであれば、窓口の担当者がいるためいちいち必要なスキルを持った人を自分で探し出す必要がありません。
あらゆる雑務をオンラインで簡単に依頼でき、すぐに納品される快適さは一度体験すれば実感できます。
オンラインアシスタントで顧客満足度の高いフジ子さんでは、2時間無料のトライアルがあります。オンラインアシスタントが初めてという方はぜひ試してみてください。
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配偶者や親族、友人に手伝ってもらう
どうしても人手が足りない時は、配偶者や親族、友人に手伝ってもらうという方法があります。ただし、無報酬であれば問題ないですが、報酬が発生する場合は税務リスクに注意する事が大切です。
生計を一にする配偶者に給与を支払う場合、専従者給与の届出が必要です。届出には仕事内容や報酬を記載する欄があり、一定の要件を満たさなければ経費としては認められません。
親族や友人に手伝ってもらう場合も、雇用契約書等をきちんと取り交わし、第三者に支払うのと同程度の支払いをしていると認められなければ、税務調査で指摘を受ければ否認される可能性があります。
また、仕事を依頼すると関係性がこじれやすい事にも注意が必要です。金銭が絡むと余計なトラブルに発展しかねません。それぐらいなら、最初から第三者にきちんと依頼した方が安心です。
まとめ
個人事業主がアルバイトを雇う場合のメリット・デメリットや費用相場、労働力を補うための代替案について詳しく解説しました。
最近では、人を雇う事の様々なリスクをかんがみて、オンラインアシスタントを活用する人が増えてきています。オンラインアシスタントなら、自分の仕事に応じて自由に雑務を依頼する事ができます。
すべての業務を自分で抱え込んでしまっている状況は望ましくありません。必要に応じて仕事を切り分け、単純作業は外注するのが事業を成功に導く秘けつです。
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