雑用とは?意味や仕事内容の解説と人手がない時の対策法

雑用は特別なスキルや経験がなくても誰でもできる仕事です。そのため、様々な業務の中でも軽視されることが多く、新入社員など会社の戦力として不安な人材が任される傾向があります。

しかし、雑用を軽視するのは雑用の意味を正しく理解できていない証拠。雑用をすることで得られるものはたくさんあるので、コア業務に引けをとらないほどの重要な仕事です。

実際に、大手企業や急成長中の企業で雑用を大切にしているところは多く、中には部長や社長など上の立場の人間が率先して雑用をしている企業もあります。

では、なぜ誰でもできる雑用が重要な仕事と言えるのでしょうか。本記事では、雑用とは何なのかという意味や仕事内容などを解説します。

また、雑用が大切な仕事と分かっていながらも人手が足りない場合はどうすれば良いのか、その対策法も見てみましょう。

雑用とは?仕事における雑用の意味

雑用とは、細々としたいろんな用事のことです。

スキルや知識がなくてもできる簡単な仕事なので、「掃除をしておいて」「お茶を淹れて」など少ない言葉で指示が出せます。

仕事における雑用は本業に関係ない内容がほとんどです。売上に関与しないノンコア業務となるため軽視されることがしばしばあります。

しかし、雑用をしなければ効率よく仕事を進めるのが難しかったり、職場で快適に過ごせなかったりなどの弊害が生じることは事実。仕事をしやすい社内環境を整えるために必要な仕事なので、雑用はビジネスにおける「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。

雑用と言われる主な仕事とは?

雑用には幅広い仕事があり、どこまでの仕事を雑用とするかは会社によって様々です。

一般的に多くの会社で「雑用」と呼ばれる仕事には下記のようなものがあります。

  • 書類のコピー
  • 来客へのお茶出しや片付け
  • オフィスの掃除
  • 書類整理
  • オフィス内の植物への水やり
  • 電球や蛍光灯の交換

上記を見ても分かる通り、本業とは無関係なものがほとんどです。大きな契約をとる、売上を大幅にアップさせるなど目立った功績にはならないため、地味でやりたくないという方もいるでしょう。

しかし、社内環境を良好に維持するためにも誰かがやる必要があるのは事実。脚光を浴びることはありませんが、必ずどこかで誰かの役に立っているというのが雑用なのです。

雑用の定義!雑用は会社にとって重要な仕事

雑用は売上につながらないノンコア業務で、コア業務を進めやすいよう環境を整えるために必要な仕事です。

一般的に、まだ本格的な業務に携わることが難しい新入社員に任されるケースが多く見られます。そのため、「雑用=戦力にならない人間がやる仕事」と軽く見る方もいるでしょう。

実際に、仕事を覚えられていない新入社員をいきなり即戦力として働かせることはなかなかできません。任せられる仕事がないことから入社してしばらくは雑用ばかりを任され、不満を感じる方もいます。

しかし、内容が幅広い雑用をこなすには高い対応力や仕事の管理能力が求められるため、決して簡単な仕事ではありません。効率を考えて動いたり、集中してテキパキと仕事をこなしたりできる優秀な人材が必要です。

そのため、雑用だからと軽視せず会社にとって重要な仕事の1つと捉えて社員に任せることが大切と言えます。

また、雑用からはその人の仕事に取り組む姿勢や能力が分かるので、社員教育のヒントを得ることも可能です。

具体的に雑用の1つであるお茶出しを例に見てみましょう。

お茶の淹れ方 お茶の出し方
Aさん 茶碗を熱湯で温めてからお茶を淹れる 茶碗の絵柄を正面に
木製茶托の木目が横向きになるようお客様に出す
Bさん 特に下準備をせずお茶を淹れる 茶碗や茶托の柄を気にせずお客様に出す

お客様のために丁寧な下準備や出し方のマナーを意識しているAさんに対し、Bさんは指示されたままにお茶を用意しています。

「お茶出しをしてください」というたった一言でも、実行する社員によって仕事の仕方が大きく変わります。

つまり、雑用への取り組み方で優秀な人材か否かを判断でき、問題点を具体的にどう改善させるべきかが見えてくるのです。

例の場合、Bさんは言われた通りの仕事をしているため決して間違っているわけではありません。しかし、仕事をする上で相手への思いやりやマナーを意識することは非常に大切なので、より丁寧な仕事をするにはどうすべきかを指導できます。

以上のことから、雑用は

  • コア業務をサポートする重要な仕事
  • 社員を育てるヒントをくれる仕事

という大切な2つの役割があることが分かりますね。

ちなみに、「雑用」と類似した言葉に「雑務」があります。下記の記事で雑務がいかに大切な仕事かを詳しく紹介しているので、より雑用への理解を深めるためにもぜひ一読してみてください。

雑務とはどんな仕事?やる意味や業務例、適切な取り組み方を徹底解説

雑用に人手を割けない時は?

コア業務をスムーズに進めるため、あるいは社員が気持ちよく仕事をするために雑用は必要不可欠な仕事です。雑用を通して人材が育つことも多いので、社員にしっかりと雑用をしてほしいと思っている経営者もいるでしょう。

しかし、いかに雑用が大切な仕事と言っても人手不足や業務量が多すぎるなどの原因で人手を割けない時もありますよね。

そんな時はどう対処すれば良いのかをここで詳しく解説します。

社員同士で協力し合う

人手が足りないのであれば人手を増やすのが手っ取り早い方法です。雑用係数名に仕事をすべて押し付けるのではなく、社員同士で協力し合って膨大な作業量をこなしましょう。

ただ、雑用は新入社員が任されることが多い仕事。たとえ手伝ってほしいことがあったとしても、先輩や上司を相手に「手伝ってください」とは頼みづらいでしょう。

そんな新入社員の気持ちを察して経営者自らが動き社員同士が協力し合える環境を整えてあげることが大切です。

例えば、「個人用デスクは所有者が責任を持って清掃しましょう」と声をかければ、新入社員がすべてのデスクを掃除しなくて済みます。自分のデスクを掃除するくらいであれば短時間で済むので、多忙な社員でもあまり負担に感じることなく継続できるでしょう。

この他にも、社員同士が協力し合えるようできる工夫には下記のようなものがあります。

  • ゴミ出しは当番制にする
  • 電気ポットの準備は最初に出社した人がやる
  • トイレットペーパーの補充は最後のロールをセットした人がする
  • 書類のコピーは書類作成者がする

社員全員が小さな仕事も積極的にやる姿勢でいれば、人手が足りなかったとしても日々の雑用をこなすことは可能です。

また、立場に関係なく全員が雑用に取り組むことで新入社員の不満も軽減できます。「雑用は全部新入社員に任せておけばいい」と面倒な仕事を丸投げする風潮を変え、社員全員で雑用に取り組むシステムを整えましょう。

雑用を減らす工夫をする

日々の雑用が消化できないほどの量であれば、雑用そのものを減らす工夫をしましょう。

雑用と一口に言っても仕事内容やかかる手間は様々。どんなに優秀な社員が雑用をしたとしても、仕事量が多すぎては消化しきれず仕事が溜まっていく一方です。

それなら雑用そのものを減らすことに目を向けてみましょう。

例えば、社内資料をわざわざプリントアウトしていてはコピーやファイリングに工数がかかるのはもちろん、社員に回覧させる時間もかかったりと多くの手間がかかります。

では、社内資料をデータ管理に変えるとどうでしょう。コピーとファイリングの仕事が省略でき、個々のパソコンで閲覧可能にすれば回覧の面倒もなくなります。

このように作業の仕組みを変えることで無駄な雑用を減らすことが可能です。

他にはどのような雑用の減らし方があるのかもいくつか紹介します。「どうすれば雑用を減らせるか分からない!」と頭を抱えている方はできるものから実践してみてください。

  • 書類の郵送をなくし、メールでのやり取りに徹底する
  • 消耗品の購入はまとめ買いにし、買い物の回数を減らす
  • 来客が多い場合は食洗機を導入して洗い物の手間を減らす
  • 朝と夜の2回やっていた掃除を1回に省略する

アウトソーシングする

引用:フジ子さん | オンラインアシスタント 月額4.7万円~ 1ヶ月利用も可

自社で解決させられない場合はアウトソーシングするのもおすすめです。雑用を社外に任せることで自社社員をコア業務に集中させられます。

ただ、どこまでの雑用をアウトソーシングできるのか分からない方もいるでしょう。そこで、人気アウトソーシングサービス「フジ子さん」を例に紹介します。

フジ子さんで依頼できる雑用はたくさんありますが、具体的に例を挙げると下記の通りです。

  • 備品の購入代行
  • リサーチ業務
  • 出張先ホテルの予約や会食のお店予約
  • メールの受信代行

基本的にオンラインでの対応ですが、書類のファイリングや捺印代行などのオフライン業務も対応してくれる場合があります。

様々な業務を請け負ってくれるので、自社での雑用における負担を大幅にカットできます。

他にもどのような雑用をアウトソーシングできるのか気になる方は、ぜひフジ子さんの公式サイトをチェックしてみてください。

「フジ子さん」公式サイトはこちら

まとめ

雑用はノンコア業務ですが、会社を円滑に経営するために必要な仕事です。

また、雑用をすることで複数の仕事をこなす能力や丁寧に仕事をする能力などが身に付くため、社員教育にも役立ちます。

しかし、どんなに大切な仕事でも人手不足により雑用に人員を割けないとお悩みの方もいるでしょう。

そんな方は、ぜひ本記事で紹介した「人手が足りない時の対策法」を実践してみてください。

コア業務に引けをとらないくらい重要な仕事である雑用と真剣に向き合い、どうこなしていくかを考えることで社員の成長とともに会社の繁栄へとつながります。