人を雇うかどうかは経営判断の難しいところです。
人を雇う事によってどのぐらいの利益が得られるのか、逆に採用費用や人件費等でどのぐらいの経費がかかるのか、経営者であれば慎重に検討しなければなりません。
今回は、アルバイトを雇う費用を項目別に詳しく解説します。
最近ではアルバイトを雇うのにかかる費用は高くなっている傾向があります。その理由や、アルバイトを雇う以外の労働力を補強する方法についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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アルバイトを雇う費用
まず、アルバイトを雇う費用を項目別に紹介していきます。
アルバイトを雇う時に考えなければならない費用には、主に「採用などの初期費用」「雇っている期間の人件費」「退職時にかかる費用」の3つがあります。
採用などの初期費用でかかるのは、求人広告代や採用通知・不採用通知の発送費用です。求人広告にかかる募集費用は数万円程度です。
ハローワークに頼めば広告代はかかりませんが、すぐに応募がこない、優秀な人材を採用しにくいといったデメリットもあります。早急に人材を確保したい場合、ハローワークと求人広告を併用して募集するのも一般的です。
また、人を雇う際には社会保険手続き等が必要です。自分で一から勉強してする分には費用は発生しませんが、社労士に依頼する場合は社労士報酬を払わなければなりません。
また、見えない経費として面接などで要する「時間」が挙げられます。その時間も仕事をしていた場合に想定される利益が、面接をはじめとした採用活動によって失われていると考えられます。
雇っている期間の人件費は、給与・賞与・社会保険料です。社会保険料は、労災保険料と雇用保険料に分けられ、労災保険は必ず負担しなければなりません。雇用保険料は週20時間以上働く場合に支払義務が発生します。
人を雇う場合は、社会保険の適用要件を満たしているかどうか、法律に沿った処理ができているかどうか注意しておくようにしましょう。所得税の天引きをしていないと、税務調査で過去にさかのぼって多額の追徴課税をされてしまうケースもあります。
退職時にかかる費用は、退職金や社会保険手続きにかかわるものです。退職時に万一トラブルが発生した場合、社労士に交渉をしてもらうならその分の費用も発生します。
アルバイトを雇う費用が思ったより高い3つの理由
ここまで、アルバイトを雇う場合の費用について詳しく紹介しました。アルバイトを雇うだけといっても、意外とたくさんの費用がかかる事がわかります。
また、近年では人を雇うためにかかる費用が高額化しています。続いてはその理由を解説します。
アルバイトを雇う費用が高い理由①最低賃金の上昇
アルバイトを雇う場合、必ず最低賃金以上の賃金設定にしなければなりません。最低賃金は法律に基づいて定められており、毎年秋ごろに改定されます。最近ではどの都道府県でも最低賃金が引き上げられています。
東京の最低賃金を例に説明すると、2015年は907円、2016年は932円、2017年は958円、2018年は985円と毎年急上昇しています。2018年の上がり幅は27円で、たとえば週20時間働くパートが3人いた場合、年間で約8万円も人件費が上がる事になります。
これが毎年続くと考えると恐ろしいですよね。政府は年率3%を目安に今後も引き上げると発表しており、いずれは全国加重平均が1000円になる予定です。経営状況も踏まえ、アルバイトを雇うかどうかは慎重に判断しましょう。
アルバイトを雇う費用が高い理由②人材不足による競争激化
最近では、人材不足により人を雇うハードルが以前よりも高くなっています。業種や雇用条件にもよりますが、募集をかけてもすぐに人が集まるとは限りません。そのため、採用のための募集広告などの費用がかさみがちです。
帝国データバンクの「人材不足に対する企業の動向調査」では正社員が不足している企業は50.3%、非正社員が不足している企業は31.8%にものぼり、人材不足を痛感している企業が多い事がわかります。
そのため、アルバイトを雇うには求職者にとって魅力的な雇用条件を提示する必要があります。競争相手となる同地域・同業種の求人と比較し、時給や福利厚生の条件をよくすると、その分費用がかかってしまいます。
アルバイトを雇う費用が高い理由③転職先を探しやすい
最近は簡単に転職できてしまうため、なかなか長続きせず、頻繁に採用費用・退職費用が発生してしまうのも人を雇う金額が高額になる理由です。
ひと昔前は、日本では勤め始めたら同じ職場で長く働きたいと考える人が大半でした。しかし、最近はインターネットなどを通じて簡単に転職の情報収集ができます。転職を促すような転職サイトの広告も巷にあふれています。
また、昇給や有給などの情報を簡単に入手できるため、雇用条件に不満を持つアルバイトも少なくありません。こういった事から、転職を頻繁に繰り返す人もいます。
「やっと苦労して人を雇ったら、すぐに辞めてしまった」という悩みは経営者の方からよく聞きます。こういった事情を踏まえて、アルバイトを雇うかどうか真剣に検討しましょう。
アルバイトを雇う以外で労働力を補う方法
最後に、アルバイトを雇う以外で労働力を補う方法を紹介します。現実的な施策として、オンラインアシスタントの活用があります。
オンラインアシスタントとは、チャットを通じて仕事を依頼できるアウトソーシングのシステムです。契約プランごとに1カ月ごとの時間が決まっており、時間内であれば様々な業務を任せる事ができます。
データ入力や振込処理などの単純作業やメールの返信、リサーチ業務や翻訳業務など、依頼できる業務は多岐に亘ります。
インターネットを通じて仕事を依頼する方法としては、オンラインアシスタントの他にクラウドソーシングもあります。クラウドソーシングとはクラウドソーシングサイトを通じて、働き手とマッチングしてくれるサービスです。
有名なのはクラウドワークスやランサーズです。しかし、クラウドソーシングでは必要なスキルを持った人材を依頼内容ごとに募集しなければなりません。そのため、募集や選別にかかる時間が、依頼する業務の時間を超過してしまう事も多々あります。
しかし、オンラインアシスタントは窓口となる担当者がおり、必要なスキルを持ったメンバーを選んでくれます。スムーズな依頼ができる事はもちろん、事業内容や仕事内容を理解した上で、かゆいところに手が届く提案をしてくれる事もあります。
格安オンラインアシスタントのフジ子さんでは、2時間無料のトライアルがあります。オンラインアシスタントを初めて活用する場合は、まずは試しに使用感を確かめてみてはいかがでしょうか。
まとめ
アルバイトを雇う費用について詳しく解説し、労働力を補うための他の施策も紹介しました。
人に任せられる仕事を経営者がしている状況は、経営上望ましくありません。事業を成功させるには、雑務は人に任せて経営者は経営に専念する必要があります。
アルバイトを雇う事はもちろんですが、オンラインアシスタントなどアウトソーシングの活用も積極的に検討しましょう。
最近では秘書や経理業務など、様々な業務を手軽に外注する事ができます。業務の切り分けが進めば経営としてのリスクヘッジにもなります。何より、雑務から解放されて本当に必要な業務に専念できるのが最大のメリットです。
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