給与計算は、従業員数や給与体系、勤怠管理の方法などによって業務量が大きく変わります。社内で対応すると担当者の負担が増えやすく、ミスや属人化を防ぐために給与計算代行を検討する企業も少なくありません。
一方で、給与計算代行の料金はサービスごとに差があり、従業員数や依頼範囲、年末調整・労務手続きなどの追加業務によっても費用が変わります。そのため、単純に料金表だけを比較するのではなく、自社の規模や任せたい業務にあった相場を把握することが大切です。
本記事では、給与計算代行の料金相場をはじめ、費用が変わる要因やケース別の料金イメージ、主な依頼先、費用対効果、サービスの選び方まで詳しく解説します。
給与計算代行の料金相場
給与計算代行の料金は、従業員数や依頼する業務範囲によって異なります。基本的な給与計算だけを任せる場合に加え、勤怠集計や賞与計算、年末調整などを依頼すると追加料金が発生するケースもあります。
ここでは、複数の給与計算代行サービスが公式サイトで公開している料金をもとに、税込価格へ換算したうえで相場を算出しています。基本的な給与計算の料金に加え、従業員数別の費用や追加業務の料金も見ていきましょう。
給与計算を依頼する場合の料金相場
給与計算代行では、「基本料金+従業員1名あたりの料金」や「一定人数まで定額」など、さまざまな料金体系があります。
従業員10名程度で毎月の給与計算を依頼する場合、月額1万~3万円程度が1つの目安です。
ただし、同じ給与計算でも勤怠データの集計や給与明細の発行まで含まれるかによって料金は異なります。月額料金だけで判断せず、基本料金に含まれる業務範囲まで確認することが大切です。
従業員数別の給与計算代行の料金相場
給与計算代行の料金は、従業員数によって変わります。目安は以下のとおりです。
| 従業員数 | 月額料金の目安 |
|---|---|
| 10名 | 1万~3万円程度 |
| 30名 | 2万~4万円程度 |
| 50名 | 3万~5万円程度 |
| 100名 | 5万~7万円程度 |
上記は、複数の給与計算代行サービスが公式サイトで公開している料金をもとに算出した目安です。従業員10名の場合は3サービス、30名・50名・100名の場合は、人数別の料金を算出できる2サービスの税込料金を比較しています。
各人数で確認できた料金の範囲をもとに、相場として把握しやすいよう1万円単位に丸めています。なお、勤怠集計や賞与計算などの追加料金は含んでいません。
実際の料金は、依頼する業務範囲や給与体系などによって異なります。詳しい料金差の要因は、後述します。
賞与計算など追加業務の料金相場
毎月の給与計算以外の業務を依頼する場合は、別途料金がかかることがあります。
| 追加業務 | 料金の目安 |
|---|---|
| 賞与計算 | 1名あたり数百~1,000円台、または給与計算月額料金の一定割合 |
| 勤怠集計 | 1名あたり数百~1,000円程度/月 |
| 年末調整 | 1名あたり2,000円前後 |
| 給与振込代行 | 1名あたり数百円程度/月 |
例えば、従業員10名の賞与計算では、8,800~18,700円程度が目安です。
賞与計算や勤怠集計、年末調整などをあわせて依頼すると、基本の給与計算料金に追加費用が加わります。実際の費用を比較する際は、月額料金だけではなく、必要な業務をすべて含めた総額で確認することが重要です。
給与計算代行の料金が高くなる・安くなる要因
給与計算代行の料金は、単純に従業員数だけで決まるわけではありません。給与体系の複雑さや勤怠データの状態、依頼する業務範囲などによっても費用は変わります。
見積もりを比較する際は、金額だけでなく、どの条件が料金に影響しているのかを確認することが大切です。ここでは、給与計算代行の費用を左右しやすい主な要因を解説します。
従業員数に応じた料金
給与計算代行では、従業員数に応じて料金を設定しているサービスが多くあります。従業員が増えるほど、給与計算やデータ確認の対象者も増えるため、基本的には料金も高くなる傾向があります。
料金体系は「基本料金+1名あたりの料金」のほか、「一定人数まで定額」などさまざまです。従業員数が多い企業では、人数が増えるほど1名あたりの単価が下がる場合もあります。
給与体系や計算ルールの複雑さ
給与体系が複雑な場合は、計算や確認にかかる作業量が増え、料金が高くなることがあります。
例えば、基本給だけでなく複数の手当や歩合給がある場合、従業員ごとに計算方法が異なる場合などです。固定されたルールで計算しやすい企業に比べ、個別対応が多い企業では追加費用が発生する可能性があります。
勤怠データをどこまで委託するか
給与計算に必要な勤怠データを自社で整理して渡すのか、勤怠集計から委託するのかによっても料金は変わります。
出勤日数や労働時間、残業時間などを自社で確定してから共有する場合は、委託先の作業範囲を抑えやすくなります。一方、タイムカードや勤怠システムのデータ確認、集計まで任せる場合は、その分の費用が加算されるケースがあります。
年末調整や労務手続きまで依頼するか
毎月の給与計算に加えて、年末調整や労務関連の業務まで依頼すると、総額は高くなります。
年末調整は通常の給与計算とは別料金として設定されていることがあり、対応人数によって費用が変わる場合もあります。社会保険や労働保険に関する手続きまで任せたい場合は、対応可能な業務範囲と料金をあわせて確認しておくとよいでしょう
例えば、社会保険・労働保険に関する申請書類の作成や提出代行は社労士の業務に該当します。また、税務相談や税務官公署へ提出する申告書などの作成は税理士業務です。
このように資格者による対応が必要な業務もあるため、委託先の対応体制も確認しておくことが大切です。
拠点数や雇用形態の多さ
複数の事業所や店舗を運営している企業では、拠点ごとに勤怠管理や給与ルールが異なることで、処理が複雑になる場合があります。
また、正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなど複数の雇用形態がある場合も、勤務時間や給与計算の条件が増えやすくなります。拠点数や雇用形態が多い企業は、見積もり時に自社の運用状況を詳しく伝えておくことが重要です。
システム連携や導入設定の有無
給与計算ソフトや勤怠管理システムとの連携が必要な場合は、初期設定やデータ移行などに費用がかかることがあります。
既存システムをそのまま利用できる場合と、新たな環境構築が必要な場合では、導入時の作業量が異なります。月額料金だけでなく、初期費用やシステム設定費の有無も確認しておくと、導入後の総額を把握しやすくなります。
給与計算代行の料金をケース別にシミュレーション
給与計算代行にかかる費用は、従業員数だけでなく、勤怠集計や年末調整、労務関連業務などをどこまで任せるかによって変わります。
自社に近い費用感をつかみやすいよう、公開されている料金を税込に換算し、従業員数と依頼内容別に概算すると以下が目安です。
| ケース | 費用の目安 |
|---|---|
| 従業員10名・給与計算のみ | 月額1万~3万円程度 |
| 従業員30名・勤怠集計も依頼 | 月額5万~9万円程度 |
| 従業員50名・年末調整も依頼 | 通常月3万~5万円程度+年末調整9万~11万円程度 |
| 従業員100名・労務関連業務も依頼 | 月額15万円前後~、または個別見積もり |
あくまで目安であり、給与体系や雇用形態、依頼範囲などによって実際の料金は異なります。
従業員10名で給与計算だけを依頼する場合
従業員10名で、集計済みの勤怠データを渡して給与計算を依頼する場合は、月額1万~3万円程度が目安です。
給与計算のみを任せるケースは、勤怠集計などを含める場合と比べて委託範囲が狭いため、費用を抑えられます。
従業員30名で勤怠集計も任せる場合
従業員30名で給与計算に加えて勤怠集計も依頼すると、月額5万~9万円程度が目安です。給与計算だけでなく、タイムカードなどから労働時間や残業時間を集計する作業分の料金が加わります。
勤怠データを自社で集計できるかどうかによって費用差が出やすいため、外注範囲を検討する際のポイントになります。
従業員50名で年末調整まで依頼する場合
従業員50名の給与計算は、月額3万~5万円程度が目安です。年末調整まで任せる場合は、年に1回、9万~11万円程度の追加費用がかかるケースがあります。
そのため、毎月の料金だけを見るのではなく、年末調整などのスポット業務を含めた年間費用も確認しておくと予算を立てやすくなります。
従業員100名で労務関連業務もまとめて任せる場合
従業員100名で給与計算に加え、社会保険手続きや労務相談などもまとめて依頼する場合は、月額15万円前後~が1つの目安です。企業規模や依頼範囲によっては、個別見積もりとなるケースもあります。給与計算だけを外注するケースより依頼範囲が広くなるため、その分費用も高くなります。
就業規則の作成や助成金申請などは別料金となる場合もあります。労務関連業務をまとめて外注する際は、月額料金に含まれる業務と別料金の業務をあらかじめ確認しておくことが大切です。
給与計算を外注する主な依頼先
給与計算を外注する場合は、給与計算代行会社や社労士、税理士・会計事務所、オンライン秘書などが候補になります。それぞれ対応できる業務や得意分野が異なるため、給与計算だけを任せたいのか、労務・経理などの周辺業務まで依頼したいのかを整理して選ぶことが大切です。
ここでは、給与計算を外注できる主な依頼先と、それぞれの特徴をご紹介します。
給与計算代行会社|給与計算業務をまとめて委託しやすい
給与計算代行会社は、毎月の給与計算をはじめ、勤怠集計や賞与計算、給与明細の作成など、給与計算に関連する業務をまとめて任せやすい依頼先です。
給与計算業務に特化したサービスも多く、従業員数や依頼範囲に応じたプランを選べます。毎月発生する給与計算の負担を減らしたい企業や、担当者の属人化を防ぎたい場合に適しています。
社労士|給与計算と労務手続きをあわせて相談しやすい
社労士は、給与計算に加えて社会保険や労働保険などの手続きについて相談したい場合に適しています。
入退社に伴う手続きなども含めて労務業務をまとめて見直したい企業では、給与計算だけを外注するより業務を集約しやすいでしょう。一方、対応範囲や料金は事務所によって異なるため、給与計算とあわせて何を任せられるのか確認が必要です。
税理士・会計事務所に依頼する方法
顧問契約を結んでいる税理士や会計事務所が、給与計算にも対応している場合があります。経理や税務とあわせて給与計算を依頼できれば、バックオフィス業務の窓口をまとめやすい点が特徴です。
ただし、すべての税理士・会計事務所が給与計算に対応しているとは限りません。また、社会保険や労働保険に関する手続きなど、社労士の業務に該当する内容まで依頼できるわけではないため、対応範囲を確認しておきましょう。
オンライン秘書などに依頼する方法
オンライン秘書サービスの中には、給与計算や勤怠データの整理・入力、給与明細に関する事務作業などに対応しているところもあります。
給与計算以外にも経理や人事、秘書業務などを任せたい企業では、複数の事務業務をまとめて外注できる点がメリットです。ただし、対応できる給与関連業務はサービスによって異なるため、依頼したい作業が対応範囲に含まれているか事前に確認する必要があります。
給与計算代行は自社対応よりお得?費用対効果を比較
給与計算代行を利用する際は、月額料金だけでなく、自社で対応した場合にかかる人件費や作業時間も含めて比較することが大切です。
ここでは、給与計算代行の費用対効果を判断するために、自社対応にかかるコストや外注によって削減できる作業時間、比較する際の考え方を整理します。
給与計算代行で費用を抑えられるか
給与計算代行を利用すれば、必ず総コストを削減できるとは限りません。
例えば従業員数が少なく、担当者が毎月数時間程度で給与計算を終えられる企業では、外注費を支払うより自社対応の方が安く済む場合があります。
反対に、勤怠確認や修正、給与計算、問い合わせ対応などに毎月多くの時間を使っている企業では、外注によって社内工数を削減できる可能性があります。給与計算だけにかかっている費用ではなく、関連作業を含めた総コストで比較することが重要です。
自社で給与計算する場合にかかる人件費
自社対応のコストは、給与計算担当者の人件費をもとに算出できます。
例えば、仮に担当者の人件費を時給2,500円、給与計算に毎月20時間かかるとすると、人件費だけで月50,000円です。さらに、勤怠確認や修正、従業員からの問い合わせ対応などに時間を使っていれば、実際の社内コストはさらに増えます。
給与計算ソフトの利用料や繁忙期の残業代なども含めて考えると、自社対応が想定以上のコストになっているケースもあります。
外注によって削減できる作業時間
給与計算を外注すると、毎月繰り返し発生する計算処理や確認作業を減らしやすくなります。
給与計算に毎月20時間かかっていた企業が、外注後に社内対応を5時間まで減らせれば、15時間分を別の業務に充てられます。削減した時間を採用、人事施策、従業員対応などに使えるのであれば、単純な料金差以上の効果が期待できます。
ただし、外注後も勤怠データの提出や最終確認、委託先とのやり取りは必要です。給与計算に関する社内作業がすべてなくなるわけではありません。
外注費と社内コストを比較する方法
給与計算代行がお得か判断するには、外注費と自社対応時のコストを同じ条件で比較します。
主な比較項目は以下のとおりです。
- 給与計算担当者の人件費
- 勤怠確認や修正にかかる人件費
- 残業代
- 給与計算ソフトやシステムの利用料
- 外注サービスの月額料金
- 賞与計算や年末調整などの追加料金
例えば、自社対応に月50,000円相当の人件費とシステム利用料がかかっており、外注後の料金と社内作業分をあわせて月40,000円程度に収まるのであれば、コスト面では外注の方が有利です。
反対に、自社対応のコストが月20,000円程度で、外注すると月40,000円かかるのであれば、費用だけを比較すると自社対応の方が安いと判断できます。
外注を検討しやすい企業の特徴
給与計算代行は、社内での処理に時間や人件費がかかっている企業ほど、費用対効果を得やすい傾向があります。以下のような企業は外注を検討しやすいです。
- 給与計算に毎月多くの時間がかかっている
- 担当者の残業が発生している
- 給与計算を1人の担当者に依存している
- 従業員数が増えて処理量が多くなっている
- 勤怠確認や修正に手間がかかっている
- 給与計算のために本来の人事・労務業務へ時間を使えていない
自社対応と外注のどちらがお得かは、月額料金だけでは判断できません。社内でかかっている人件費と作業時間を数値化し、外注後にどこまで削減できるかを比較すると、自社にあう方法を判断しやすくなります。
給与計算代行サービスを選ぶポイント
給与計算代行サービスは、料金だけでなく、対応できる業務や対象となる企業規模などにも違いがあります。自社にあわないサービスを選ぶと、必要な業務を任せられなかったり、想定以上の費用が発生したりしかねません。
ここでは、給与計算代行サービスを比較する際に確認しておきたいポイントをご紹介します。
料金体系がわかりやすいか
給与計算代行サービスを選ぶ際は、月額料金だけでなく、料金体系全体を確認しておきましょう。
サービスによって、一定人数まで定額のプランや「基本料金+従業員1名あたりの料金」といった従量制など、設定方法はさまざまです。また、賞与計算や年末調整、勤怠集計などがオプション扱いになっているケースもあります。
基本料金に含まれる業務と追加料金が発生する条件が明確であれば、導入後の費用も把握しやすくなります。複数サービスを比べる場合は、月額料金だけでなく、自社が依頼したい業務を含めた総額まで確認すると比較しやすいのでおすすめです。
必要な給与計算業務に対応しているか
給与計算代行サービスによって、対応できる業務範囲は異なります。
毎月の給与計算のみを依頼できるサービスもあれば、勤怠集計や賞与計算、年末調整まで任せられる場合もあります。まずは自社で負担になっている業務を洗い出し、どこまで外注したいのか整理しておくことが大切です。
今は給与計算だけを任せる場合でも、将来的に依頼範囲を広げる可能性があるなら、追加で対応できる業務も見ておくと安心です。
従業員数や企業規模にあっているか
給与計算代行サービスには、それぞれ得意とする企業規模があります。
少人数向けの料金体系を設けているサービスもあれば、従業員数の多い企業を対象に、複雑な給与計算や複数拠点の運用に対応しているところもあります。
現在の従業員数だけでなく、今後の採用や事業拡大まで考慮し、自社の規模にあうサービスか確認しておきましょう。従業員が増えた場合の料金や対応範囲も把握しておけば、長期的に利用できるか判断しやすくなります。
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給与計算周辺のバックオフィス業務を効率化するならフジ子さん
給与計算に関連する事務作業や、バックオフィス全体の負担を軽減したい場合は、オンラインアシスタント®「フジ子さん」の活用も選択肢です。※『オンラインアシスタント』はBPOテクノロジー株式会社の登録商標です。
フジ子さんは、必要な業務量に応じて10時間単位のプランを選べます。月10時間プランは34,320円(税込)で、業務量にあわせて毎月プランを変更できるため、一時的に作業が増える時期にも調整しやすい点が特長です。契約期間の縛りがなく、1カ月から利用できます。
勤怠データの整理や入力をはじめ、経理、人事、秘書、デザインなど幅広い業務に対応しているため、複数のバックオフィス業務をまとめて任せたい企業にも適しています。業務ごとに外注先を分ける手間を抑えやすく、依頼先の管理負担を軽減しやすい点もメリットです。
また、給与関連の業務では従業員情報などの個人情報を扱う場面もあります。フジ子さんはPマーク・ISMSを取得しており、委託先のセキュリティ体制を重視する場合にも確認材料の1つとなります。
まとめ|給与計算代行は相場と業務範囲を確認して選ぼう
給与計算代行の料金は、従業員数や給与体系、勤怠集計の有無、年末調整などの追加業務によって変わります。相場だけで判断せず、自社がどこまで外注したいのかを整理したうえで、必要な業務を含めた総額を比較することが大切です。
また、自社対応と外注のどちらが適しているかは、人件費や作業時間、属人化のリスクなども含めて検討すると判断しやすくなります。給与計算だけでなく周辺業務にも負担がある場合は、複数のバックオフィス業務をまとめて任せられるサービスも含めて検討してください。

















