ビジネスシーンでよく使われる「繁忙期」という言葉。なんとなく「忙しい時期」というイメージがありますが、具体的な意味や時期、繁盛期・最盛期との違いなどを聞かれると、答えられない方も少なくないのではないでしょうか。
会社の利益に直結するものではないものの、言葉は正しく使いたいですよね。
そこで本記事では、知っているようで知らない繁忙期について、意味や使い方、時期などを解説します。
目次
繁忙期とは?どんな意味?
繁忙期とは、仕事が立て込み、企業や業界が忙しくなる時期のことです。
通常、1年のサイクルの中で特に多忙な時期を指します。期間は数週間以上の中長期で、1日単位の短い期間に用いられる言葉ではありません。
また、繁忙期は1年の中で1度とは限らず、ゴールデンウィークや年末年始など、複数回訪れる業界もあります。
繁忙期の使い方・例文
繁忙期の使い方や例文は次の通りです。
《繁忙期の使い方》
・繁忙期を避ける
・繁忙期を迎える
・繁忙期を乗り切る
・繁忙期が終わる
《繁忙期の例文》
・繁忙期だけ人手が足りなくなる。
・この仕事は手間がかかるため、繁忙期を避けて取り組もう。
・今年も力を合わせて繁忙期を乗り切った。
繁忙期の類語
繁忙期には、次のような類語があります。
書き入れ時
「書き入れ時」は、商売が繁盛し利益が大きくなる時期を指す言葉です。忙しいという点で繁忙期の類語になりますが、書き入れ時は利益が大きい時しか使えません。
《書き入れ時の例文》
・この時期は書き入れ時ですから、社員一同力を合わせて乗り切りましょう。
・書き入れ時に向けて、前倒しで準備しておこう。
・今年の書き入れ時は、例年よりさらに忙しかった。
・書き入れ時のはずが、コロナの影響で店を閉めざるを得ない。
稼ぎ時
「稼ぎ時」は、書き入れ時と同じく、利益が大きくなる時期を指します。ただし、忙しさよりも稼げることに重きのある言葉です。
《稼ぎ時の例文》
・稼ぎ時だから在庫は多めに用意しておこう。
・雪が降る季節はスキー場の稼ぎ時だ。
・稼ぎ時にもかかわらず、例年よりお客さんが少ない。
繁忙期と繁盛期・最盛期の違い
繁忙期と混同されやすいのが「繁盛期」や「最盛期」です。両者は何が違うのか見ていきましょう。
繁忙期と繁盛期の違い
利益に関係なく仕事で忙しい時期を繁忙期と呼ぶ一方、繁盛期は商業上の取引が盛んな時期を指します。
繁盛期だからといって、仕事が忙しいわけではないのです。あくまでも、商売が栄えている時期を表す言葉です。
《繁盛期の例文》
・6月は店の繁盛期だ
・今年も繁盛期を迎えた
繁忙期と最盛期の違い
最盛期は、個人や集団、現象などの勢いが最も盛んな時期を意味します。繁忙期との違いは、忙しさを示すものではないことです。
《最盛期の例文》
・人生の最盛期
・りんごの最盛期
例文のように、物事の勢いが最もある時期と、農産物が出盛る時期、2つの意味を持っています。
繁忙期の対義語は「閑散期」
繁忙期の対義語は、忙しくない時期を表す閑散期です。閑散とは、人がまばらだったり、静かだったりする状態のこと。閑散期と同じ意味を持つ言葉には、オフシーズンなどもあります。
《閑散期の例文》
・閑散期だから時間がある
・閑散期を狙うと並ばずに利用できる
業界ごとの繁忙期
繁忙期は業界ごとに異なります。例えば次の通りです。
経理系
経理系の繁忙期は、企業の決算時期によってさまざまです。3月決算の企業であれば、業務量の多くなる3〜6月と12〜1月が繁忙期にあたります。
具体的には、3〜5月に決算関連業務が、6月には株主総会、12〜1月は年末調整があります。このように、年次業務と通常業務が重なる時期は、経理系の業務負担が大きくなるのです。
経理は残業が少ないといわれますが、繁忙期において残業を指示されるケースも多くなります。
不動産系
不動産業界の繁忙期は、就職や転勤、入学などによる引っ越しが多い1〜3月です。秋の人事異動がある9~10月にも業務量が増えがちですね。
また、8月はエアコントラブルに関する相談が増えるため、この期間がプチ繁忙期となる会社もあります。
飲食系
飲食店の繁忙期は、クリスマスや忘年会などで外食機会が増える12〜1月と、歓送迎会が開かれる3月~4月。夏メニューに力を入れているお店だと、8月に忙しくなるケースもあります。
ただし、団体予約が入りにくい10席未満の小規模なお店の場合、繁忙期の影響は少ない傾向にあります。
IT系
IT業界の繁忙期は、職種によって異なります。
システムエンジニアといった開発職では、システムをリリースした数日~数ヶ月の間。この時期には顧客からの問い合わせが多くなり、不具合修正やトラブル解決も増えがちです。マーケティングや営業職の場合、新しいプロジェクトが始まる時期が繁忙期になります。
物流系
物流業界の繁忙期は、年末年始や冬季・夏季、引っ越し時期など、季節性のイベントにより物流量が増えるタイミングです。
地域レベルでは、各地の特産品が旬を迎える時期も繁忙期にあたります。例えば、沖縄では6月にマンゴーが、和歌山や奈良では11月に柿が旬を迎えます。その分、注文が全国から入るため、物流量が増え忙しくなるわけです。
繁忙期に企業が抱えがちな悩み
タイミングこそ違えど、繁忙期には以下のような悩みが発生しがちです。
作業が追いつかない
業務量が大幅に増える繁忙期には、社内の従業員だけだとキャパオーバーになりがちです。次から次に仕事が入り、そのペースに作業が追いつかなくなります。
なんとか仕事を片付けようとした結果、普段ないようなミスが起こる可能性も高まります。
残業が増えがちになる
作業が追いつかなくなった結果、残業が増えてしまいます。業界によっては繁忙期が数ヶ月間も続くことがあり、長期間にわたるハードワークのストレスから、仕事へのモチベーションがなくなる場合も少なくありません。
繁忙期と閑散期の人員調整も課題
繁忙期があれば閑散期もあるわけで、それぞれの業務量が変動することによる人員の不足や余剰は、多くの企業が抱える悩みとなっています。
忙しい時には従業員ごとの業務が追いつかなくなり、暇な時には時間を持て余す……。生産性が高いとはいえず、リソースにムダが生まれていますね。
こうした問題を解決するにはどうすれば良いのか。次項で解説します。
繁忙期を乗り切るには?
ここからは、繁忙期のさまざまな課題を乗り切るのに効果的な対策を紹介します。
業務の優先順位を付ける
膨大な量の業務を効率的にこなすには、各業務への優先順位付けが有効です。
すべての仕事を完璧にこなすことは現実的ではありません。抱えるタスクを書き出し、重要度と緊急度の高いものを順番に並べ、1つずつ片付けていきましょう。
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応援を頼む
個人単位でも部署単位でも、作業をすべて抱え込もうとせず、応援を頼むのも大切です。
キャパオーバーのまま仕事をしても、完了がどんどん遅くなるだけで悪循環です。お互いサポートしあえる体制を日頃から整えておくと、繁忙期でもスムーズに対応できますよ。
休憩はしっかり取る
繁忙期だからこそ、休憩はしっかり取りましょう。休憩によって判断力や集中力、モチベーションを回復させ、結果的に効率的な作業が可能となります。
ポイントは、上司が率先して休憩を取ることを促し、自らも休むこと。そうすると、末端の従業員も「休んでいいんだ」と遠慮がなくなります。
もちろん休みすぎは禁物なので、休憩に関するルール整備も必須です。
アウトソーシングも繁忙期を乗り切るのに有効!
業務の繁閑による人員調整には、アウトソーシングの活用が有効です。時期に合わせて、必要な人材を必要なタイミングで確保できます。
繁閑に適した人員確保といえば派遣社員が一般的ですが、最近はバックオフィス業務全般を委託できるオンラインアシスタントも人気です。
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まとめ
本記事では繁忙期について、意味や業界別の時期、企業の課題などを解説しました。
繁忙期は職種や業界によって異なります。しかし、キャパオーバーになりがちというのはどこも変わらないため、やはり対策は必要です。
作業の優先順位を付ける、他部署に応援を依頼する、あるいはアウトソーシングする等、本記事の内容を参考に、繁忙期を乗り切ってください。